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2015/11/06
読書を仕事につなげる技術
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仕事につなげる読書の大原則
すべてのことは「独学」で学べる。逆にどんなに良い学校に通って、良い授業を受けても、本を通じて学び続けなければ、世の中に価値を出し続けることは難しい。独学で知的生産性を分けるポイントは「読書量だ」と言われている。だが、量は必要条件で、十分条件ではない。読書で得た知識や感性を仕事に活かす際に大事なことは「読んだ後」なのだ...
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■今週の選書 ■読書を仕事につなげる技術 ■山口周 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★本書の詳細、お買い求めは、 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046011912/tachiyomi ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ ■■選書サマリー ■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 仕事につなげる読書の大原則 【1】 すべてのことは「独学」で学べる。逆にどんなに良い学校に通って、 良い授業を受けても、本を通じて学び続けなければ、世の中に価値 を出し続けることは難しい。 独学で知的生産性を分けるポイントは「読書量だ」と言われている。 だが、量は必要条件で、十分条件ではない。読書で得た知識や感性 を仕事に活かす際に大事なことは「読んだ後」なのだ。 読書で知識を得る行為は、シェフが食材を仕入れるようなものだ。 シェフは、仕入れた食材をそのまま顧客に出さない。冷蔵庫にしま って、客の要望に応じて料理を生み出すのだ。 知的生産に従事するビジネスパーソンも同じだ。様々な本から得た 知識を貯蔵し、文脈に応じてそれらを組み合わせることで、知的成 果を生み出すべきなのだ。 【2】 ビジネスパーソンが継続的に高い知的生産性を上げるには、2種類 の読書が必要だ。「基礎体力を作る読書」と「個性を形成する読書」だ。 基礎体力を作るためには、ビジネス書の名著をしっかり読むべきだ。 ビジネスパーソンとしての個性を形成するためには、教養に関する 本を読むべきだ。 ビジネス書の名著は、いわば「規定演技」のようなものだ。これを 知らなければ及第できない。だが、知っていたからといって、他人 から抜きん出るわけではない。 だから、教養に関連する知識も求められるのだ。いわば「自由演技」 だ。これが、ビジネスに関連する知識と組み合わさることで「その 人らしい知的成果物」につながるのだ。 つまり「ビジネス書の読書」と「教養書の読書」は、車の両輪なの だ。両方そろって初めて、その人らしい知的成果に貢献するのだ。 ここで注意すべきことは、両者の読み方が全く異なることだ。 【3】 ビジネス書の読み方については、基本は名著を繰り返し読むことだ。 その際、読書ノートはとらなくていい。「狭く、深く読む」のが、 ビジネス書の読み方なのだ。 一方、教養書を読む際には、基本は雑多な本を幅広く気の向くまま に読むことだ。そして、読んだら読書ノートをとる。「広く、浅く 読む」ことが、教養書の読み方なのだ。 ビジネス書には、定番・名著と言われる本の数がそれほど多くない。 だから、それらの定番・名著を、押さえておけば十分だ。狭い範囲 を繰り返し読むので、忘れる恐れがない。 加えて、内容はビジネスに対する示唆に直結している。だから、自 分で「読書して考え、記憶する」ために、わざわざ読書ノートをと る必要性は低いのだ。 一方、教養、すなわちリベラルアーツに関連する書籍は、ビジネス 書と真逆だ。ジャンルが多岐にわたるため、定番・名著をすべて読 むことができない。 また、必ずしもビジネスへの示唆に直結していない。だから、読ん だ時点では、ビジネスにどう役に立つかがわからない。だから、後 で立ち返ったり、参照するために、読書ノートの作成が必須なのだ。 【4】 年齢に応じて「ビジネス書」と「教養書」の読書量の比率は変える べきだ。ビジネス書は、定番・名著以外は、自分と関わりのある本 だけでいいから、20代後半から30代前半に一通り読んでおく。 一方、教養書は、キャリアの全般を通じて継続的に読むべきだ。年 齢に応じて職位が上がり、難易度の高い意思決定や未経験の問題に 向き合うことも増える。また、部下の数も増えていく。 このような「仕事環境の変化」が突きつける難問に対しては、教養 書の読書で得られる「人間の性(さが」」や「組織や社会の特質」 に関する示唆が大きなヒントになるのだ。 ★このメルマガじゃ、物足りない?だったら・・・ https://www.bbook.jp/paymelmaga.html ★本書の詳細、お買い求めは、 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046011912/tachiyomi ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ ■■選書コメント ■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 社会人のための読書術です。本は、読んだだけでは意味がなく、成 果につなげてこそ意味があります。決め手になるのが「何を読むか」 と「どう読むか」です。その方法を解説します。 著者は、大学でもビジネススクールでもなく、独学で経営学を学び、 外資系コンサルティング会社に転職したという、異色の経歴の持ち 主です。そのメソッドを公開します。 「すべてのことは独学で学べる」といい「量は必要条件だが十分条 件ではない」と言っています。さらに「成果は、どう読むかで9割 決まる」として、その方法を開示してくれます。 最近は、読書術の本がブームということもあり、色々な著者が、自 分のやり方やこだわりについて書いています。そんな数多ある類書 の中でも、本書は一線を画します。 なぜなら、類書の多くが読書論に終始しているか、速く読む方法な ど、小手先を紹介しているからです。その点、本書は「読むべき本」 と「読後に活かせる読み方」に比重をおいて解説します。 「何を読むか」に関しては、ビジネス書の必読書71冊を挙げます。 それを分野と読者の属性の軸で分類し「ビジネス書マンダラ」とし て冒頭に紹介し、その中身を巻末で解説してくれます。 次に、読み方は1冊最低3回読むことを推奨します。まず、気にな った箇所に線を引き、次にその中から、転記する箇所を厳選、最後 に別の媒体に転記して「知識のイケス」を作れと言います。 読書の必要性を感じていて「これから読んでいきたい」と思ってい る人や「これまでも読んできたが、イマイチ仕事に役立っていない」 と感じている人に一読をお勧めします。 ★本書の詳細、お買い求めは、 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046011912/tachiyomi ───────────────────────────── ◎バックナンバー→ https://www.bbook.jp/backnumber ◎ご意見、お問い合わせ、→ info@kfujii.com ◎登録、変更、解除→ https://www.bbook.jp/mag.html ────────────────────────────── 発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2015 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━