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2015/11/13
スタンフォードのストレスを力に変える教科書

ストレスを見直す

「ストレスは健康に悪い」と思われている。実際、心理学や医学の世界では、それが定説だ。確かに、ストレスは有害だ。しかし、よい面もあるのだ。最新の研究結果によると、ストレスは人を賢く、強くし、成功に導くことがわかった。人は、ストレスから学び、成長できるのだ。そして、勇気や思いやりを持つこともできるのだ...

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■今週の選書
■スタンフォードのストレスを力に変える教科書
■ケリー・マクゴニガル
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■■選書サマリー　　
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ストレスを見直す

【１】

「ストレスは健康に悪い」と思われている。実際、心理学や医学の
世界では、それが定説だ。確かに、ストレスは有害だ。しかし、よ
い面もあるのだ。

最新の研究結果によると、ストレスは人を賢く、強くし、成功に導
くことがわかった。人は、ストレスから学び、成長できるのだ。そ
して、勇気や思いやりを持つこともできるのだ。

「ストレスは健康に悪い」という思い込みこそが有害なのだ。考え
方次第で、健康状態はじめ、様々なことが左右されるのだ。考え方
さえ変えれば、もっと健康で幸せになれるのだ。

ストレスに対処する最善の方法は、ストレスを減らそう、避けよう
とする代わりに、ストレスに対する考え方を改め、受け入れること
なのだ。

【２】

ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされた時に生じるも
のだ。ストレスの良い面を見つめることは「大切な人の死」といっ
た苛酷な状況でも役に立つ。

なぜなら、ストレスを受け入れることで、自分のことを以前とは違
う目で見られるようになり、「無理だ」と思い込んでいたことも「で
きるかも知れない」と思えるようになるのだ。

しかも、それは頭の中だけで起こる変化ではない。ストレスの良い
面に注目すれば、ストレスを感じた時に体や心に表れる反応も変わ
ってくる。さらには、困難な問題への対処の仕方も変わる。

ストレスの良い面を見つめることは、ストレスを全面的に肯定した
り、否定したりすることではない。大変な時も、あえてストレスの
良い面に目を向けることで、困難に立ち向かっていけるのだ。

【３】

「ストレスは悪いもの」と決めつけたのは自分だ。はじめは思い込
みがきっかけだ。それが記憶や、誰かの言葉で強化され、先入観や
自分の意見になっていくのだ。つまり自分で選んだのだ。

ストレスに対する考え方を変えるには、まず、自分のストレスに対
する考えが、日常生活にどんな風に表れているかに気づくことだ。

普通、自分の考えが生活に影響しているかなど考えもしないはずだ。
だから、ストレスも「自分で選択したもの」とは思っていないはず
だ。「世の中に対する正当な評価」としか、思っていないはずだ。

仮に、自分がストレスをどう考えているかがわかったとしても、そ
の考えが、自分の思考や感情や行動にどんな影響を与えているかま
では、気づかないはずだ。

この状態を「マインドセット・ブラインドネス」という。これを変
えるには「マインドセット・マインドフルネス」が必要だ。ストレ
スに対する考え方が、生活にどう影響しているかに注意するのだ。

【４】

ストレスを感じたら、それに対して「自分がどう思い、どんなこと
を言っているか」に注意することだ。そして、その時、自分がどん
な気分になっているかに注目するのだ。

自分のストレスに対する考え方は、他人のストレスにどう反応する
かにも影響する。周りの人がストレスを感じているとき、自分がど
んなことを感じたり、言ったりしたりするかに注意することだ。

自分が、どんな行動をしているかに気づいたら、そのせいでどんな
影響が生じているかにも注目するべきだ。自分の健康状態や、周囲
の人たちとの関係に、どんな影響が表れているかを考えるのだ。

次に、自分の身の周りの人は、ストレスにどんな考え方をしている
のかに注目してみる。毎日の暮らしの中で、気づかないうちに、ス
トレスについての考え方を刷り込まれていることに気づくはずだ。

「マインドセット・マインドフルネス」に必要なのは好奇心だ。自
分や周囲のストレスに対する思い込みが、自分の感情やストレスへ
の対処法に、どんな影響を与えているかがわかってくる。

それを理解した上で、役に立たない思い込みは捨てることだ。代わ
りに、ポジティブな考え方を行動に移す方法を学んでいくのだ。

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■■選書コメント
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ストレスに対する向き合い方を解説する本です。ストレスを悪者に
して逃げる代わりに「良いもの、意義あるもの」として正面から向
き合うことを勧めます。

著者は、世界的ベストセラー『スタンフォードの自分を変える教室』
を書いた方です。その著者が３年ぶりに書き下ろした最新作という
ことで、注目の一冊です。

今回は「ストレスは健康に悪い」という「思い込み」を捨て、スト
レスを避ける代わりに、上手に付き合うことで、身体の反応はもち
ろん、人生の選択まで変えてしまう方法を提言します。

タイトルから、単なる「ストレス対処法」を連想しそうですが違い
ます。もっと前向きに、不安、プレッシャー、つらい経験など、ス
トレスフルな出来事をエネルギーに変えていきます。

まず、ストレスのポジティブな側面を見せてくれます。たとえば、
感情の高ぶりは学びを助け、退屈を避けることで死亡リスクが下が
り、周囲との絆さえ深めるといいます。

その上で「ストレスを力に変える」方法を、エクササイズと共に、
紹介してくれます。これらの方法を身に付ければ、ストレスを感じ
ても、自分の力を引き出し、結果を出すことが可能になるはずです。

「人助けをすると時間が増える」など、自己啓発書的なメッセージ
も盛り込まれますが、本書はこれらをすべて科学的な根拠で裏付け
ているところがポイントです。

現在、ストレスフルな環境に身を置いている人はもちろん、ストレ
スを恐れて新しいことや難しいこと、未経験のことに挑戦すること
を躊躇している人にもお勧めです。

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