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2016/06/17
仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

仕事の速さは、初動と段取りで決まる

「仕事のスピードを上げたい」というのは、すべてのビジネスパーソンの望みだ。毎日残業しているのに仕事が終わらない人と、いつも余裕があり、サクサク成果を上げる人との違いはどこにあるのか。たとえば、パソコンのショートカットだ。誰でも知っている技術だが、仕事が速い人は驚くほど多くのショートカットを使っている。ひとつの動作では数秒の違いでも、積み重ねが大きな差になる...


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■今週の選書
■仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?
■木部智之
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■■選書サマリー  
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仕事の速さは、初動と段取りで決まる

【1】

「仕事のスピードを上げたい」というのは、すべてのビジネスパー
ソンの望みだ。毎日残業しているのに仕事が終わらない人と、いつ
も余裕があり、サクサク成果を上げる人との違いはどこにあるのか。

たとえば、パソコンのショートカットだ。誰でも知っている技術だ
が、仕事が速い人は驚くほど多くのショートカットを使っている。
ひとつの動作では数秒の違いでも、積み重ねが大きな差になる。

仕事が速い人は、普通の人にはできない難しいテクニックを用いて
いるわけではない。ちょっとしたテクニックをたくさん知っていた
り、自ら編み出して実践しているだけなのだ。

【2】

「仕事が速い人」は「手の動きが速い」というイメージがある。だ
が、それだけではない。仕事を速くするには、3つの原則がある。

まず、手の動きに加えてショートカットなどを使うことだ。1回は
数秒の違いでも「知っているかどうか」「やるか、やらないか」で
どんどん差がつく。テクニックを覚えるほど、速さを追求できる。

次に、ムダを省くことだ。やらなくてもいい作業をした時間はムダ
な時間だ。仕事が速い人は、ムダなことをしない。どんな作業がム
ダか見極め、そのムダを取り除けば仕事は速くなる。

さらに、確実にやる。時間がかかるようだが、結局速さにつながる。
ミスをすればやり直さねばならない。速くやって間違うより、ゆっ
くりやって確実な方が最終的には速いのだ。

【3】

どんな仕事にも、必ず「最初の一歩」がある。仕事の速さを決める
のは、この「初動」だ。第一歩を踏み出さない限り、絶対ゴールに
近づかない。要する時間が同じなら、初動が早いほど早く終わる。

この事実を忘れている、あるいは知っていてもできない人が、9割
だ。すぐ動けないのは「完璧」を求めるからだ。

たとえば「この仕事はじっくりやろう」と思うと、5時間かかる仕
事なら5時間確保するまで始めない。だが、そんなまとまった時間
は、普通は取れない。だからいつまでも始められず、結局遅くなる。

また「やると決めたが、その判断が本当に正しいか、もう少し考え
よう」と考えてしまう。自分の判断が正しいか不安になり、もう一
度考え直してしまうのだ。

これは「失敗したらどうしよう」という恐怖心の裏返しだ。仕事が
速い人は、仕事に完璧な正解はないことを知っている。だから、す
ぐに動き出す。「まあ、やってみるか」という最適解で十分なのだ。

【4】

仕事が速い人は、絶対「なんとなく」仕事を始めない。作戦を立て
ず、なし崩し的に始めると、ムダな作業が発生し、ムダな時間を費
やしてしまうからだ。

仕事というものは「段取り」をしっかりした上で、いかに速く動き
始めるかで、大きな差がついてしまうのだ。

段取りを考えるときは、6つのステップで行う。もっとも大切なこ
とは「一番時間の作業を見極めること」、そして「その作業を中心
に、順番を組み立てること」だ。

まず、仕事のゴールを決める。目的は何か、どのレベルで完了させ
ればいいのかなど、これから取り掛かる仕事のゴールを設定するの
だ。

次に、ゴールまでをいくつかの作業に分解する。仕事は複数の作業
の積み重ねでできている。着手してから完了するまでを、いくつか
の作業に分解するのだ。そして、作業ごとの時間を見積もる。

その上で、一番時間のかかる作業を見極める。さらに作業の依存関
係を見極める。つまり「どの順序で進められるか」「どの作業が平
行してできるか」を見極めるのだ。

最後に「これらの作業をどんな順序でこなせば、最速でゴールにた
どり着くか」を考える。作業のパズルを組み立てるのだ。この時、
一番時間のかかる作業を中心に組み立てることがポイントだ。

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■■選書コメント
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仕事術の本です。毎日の仕事をスピードアップをさせるテクニック
を、誰でも、すぐに実践できるレベルにまで落とし込んで紹介して
くれるガイドブックです。

具体的には、ショートカット、資料作成、メール、打合せ、ノート、
インプットはもちろん、思考の型やスキマ時間の使い方などにも及
んでいます。

ポイントは、これまで個人にゆだねられ、ブラックボックスになっ
てきた、一つ一つの仕事のプロセスについて、速い人のやり方を可
視化している所です。いくつかでも真似れば、大きな差になります。

毎日残業しているのに仕事が終わらない人がいます。一方で、サク
サク仕事を終えて定時に帰り、成果を上げている人がいます。違い
は小さなことの積み重ねです。

分かりやすいのが、パソコンのショートカットです。これらは、会
社や上司が、いちいち教えてくれるものではありません。いわば、
本人の意識と努力にゆだねられていることです。

実際、そこから生まれるスピードの差は僅かです。しかし、それを
意識するかどうかの差が、大きな違いになってしまいます。それが
思考や習慣の差になり、数年を経ると大きな違いになるのです。

まずは、著者のやり方を真似てみることです。次に、自分なりのス
ピードアップの方法を工夫して、テクニックを編み出すことです。
大事なことは、いつもスピードを意識して仕事をすることです。

毎日残業している人、仕事がはかどらず、いつも仕事に追われてい
るい人など、自分の処理能力にいまひとつ自信が持てない人はもち
ろん、さらに仕事のスピードを上げたい人にもお勧めです。

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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2016
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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