2016/07/22
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代
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「既存のもの」を疑え
誰もが、自らのビジョンを率先して、実現させて創造性を高めるオリジナルな人になることができる。独創性は、生まれつきのものだと考えられているが間違いなのだ。心理学者の研究で、業績の達成には「コンフォーミティ」と「オリジナリティ」の二つの方法があることが分かっている。前者は、同調性のことだ。従来の方法を踏襲し、現状を維持することだ...
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■今週の選書
■ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代
■アダム・グラント
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■■選書サマリー
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「既存のもの」を疑え
【1】
誰もが、自らのビジョンを率先して、実現させて創造性を高めるオ
リジナルな人になることができる。独創性は、生まれつきのものだ
と考えられているが間違いなのだ。
心理学者の研究で、業績の達成には「コンフォーミティ」と「オリ
ジナリティ」の二つの方法があることが分かっている。前者は、同
調性のことだ。従来の方法を踏襲し、現状を維持することだ。
一方、オリジナリティとは、独自性、独創性のことだ。未開発の方
法で、流れに逆らう新しいアイデアを推し進めつつ、最終的により
よい状況を生み出すことだ。
もちろん、完全にオリジナルなものなど存在しない。ここでいう「オ
リジナリティ」とは、ある分野で、その分野の改善に役立つアイデ
アを導入し、発展させることだ。
オリジナリティは、創造性から始まる。斬新で実用的なコンセプト
を考え出すことだ。だが、それだけでは終わらない。オリジナルな
人は、それを実現できるのだ。誰もが、そんな人になれるのだ。
【2】
オリジナリティで大事なことは「既存のもの」を疑い、よりよい選
択肢を探すことだ。そのために必要なことは好奇心だ。そもそも、
「なぜ既存のものが存在するか」をじっくり考えてみることだ。
すなわち「デ・ジャ・ブ」ならぬ「ブ・ジャ・デ」を体験すること
だ。「デ・ジャ・ブ」とは「初めて見たはずなのに、前にも見たこ
とがある」と感じることだ。
「ブ・ジャ・デ」は、その反対だ。既知のものを新たな視点で見つ
め直し、古い問題から新たな洞察を得ることだ。これができれば、
当たり前のものが疑問に思えてしかたなくなる。
納得できない既存のシステムに関心を持つと、大部分のことは、社
会的要因から始まることがわかる。ルールやシステムは人が作った
のだ。これが認識できれば、現状を変える勇気が生まれるはずだ。
【3】
業績をあげることへの意欲が強すぎると、オリジナリティが二の次
になる。成功を重視すればするほど、失敗を恐れるようになる。確
実な成功に向かってしか、努力しなくなるからだ。
歴史を見ても、成功への意欲と失敗への恐れが、優れた創造や変革
を妨げてきた。安定を維持し、型にはまった業績をあげることに注
意が向けられ、オリジナリティを追求する気が起きなかったのだ。
彼らは、確信をもって、全力で前に進んでいたのではない。ある立
場をとるよう丸め込まれたり、説得されたり、あるいは強要された
りしていただけだ。
一見、リーダー気質を備えた人物に見えるかもしれない。だが、彼
らの多くは、支持者や仲間にもち上げられて行動したに過ぎないの
だ。
【4】
「起業したい」とか「公民権運動を主導したい」などと思う人は少
なくても、職場や学校を改善するアイデアくらいなら、誰でも抱い
ている。だが、多くの人はそれを前面に出すことをためらっている。
オリジナリティとは「創造的破壊」だ。新しい仕組みを提唱するに
は、古いやり方を取り払わねばならない。結果「波風を立ててしま
う」という恐れから、行動を控えてしまうのだ。
「目標を達成しなければ」というプレッシャーがあると、逆の道を
行ってしまう。上辺だけオリジナルに見せようとして、本当の意味
で「オリジナルな人」になるリスクを冒すことを避けるのだ。
説得力のあるアイデアや、自分が「これだ」と思う価値観が頭の中
にあっても、なかなか表に出そうとしない。誰もが「発言して目立
つ」ことを恐れているのだ。
しかし、世の中を変えるのは、そうした怖れを克服し、ビジョンを
率先して実現させておくオリジナルな人たちだ。そして、そんなオ
リジナルな人に、誰もがなれるのだ。
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■■選書コメント
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独創的に考え、行動する人になる方法を教える本です。自らのビジ
ョンを率先して実現する人を「オリジナルな人」とし、そんな人に
「誰もがなれる」ことを立証してみせます。
著書は世界的ベストセラー『GIVE&TAKE』のアダム・グラントです。
前作は、大きなインパクトがあり、私の中でも最近読んだ本の中で
間違いなくベストスリーに入る本です。
というわけで、本書も大いに期待して読みはじめましたが、そんな
私の勝手な期待を裏切らない素晴らしい内容でした。何より、本作
自体が、オリジナリティ溢れる内容でした。
前作もそうでしたが、著者の魅力は、誰もが「感覚的にはわかって
いることを、科学的に証明してみせる」ところです。まさに心理学
者の面目躍如と言ったところです。
本作では、冒頭で「オリジナリティを発揮して成功する人は、リス
クのバランスをとっている」点を解説した上で「どうすればユニー
クなアイデアを実現し、成果につなげられるか」を解説します。
さらに、独自のアイデアを生み出し、それを的確に伝える方法など
を解説、家族や環境や感情が、オリジナリティの発揮にどんな影響
を与えるかにまで触れていきます。
このように、全編「オリジナリティ発揮」の方法について書かれて
います。各項目、著者の組織心理学者として得た事例と知見が存分
に反映されたアカデミックな内容と言えます。
400ページ近い分厚いハードカバーですが、すらすら読めます。「自
分らしく活躍したい」と考える人なら、今の職場で活躍したい人に
も、独立したい人にも、お勧めします。
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