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2017/01/13
教科書にないお金の増やし方・守り方
お金の教養
私たちは毎日、起きてから寝るまで、たくさんの「判断」を求めらている。「お腹が空いたからご飯を食べる」「眠くなったから寝る」というのは生理現象だ。しかし「何を食べるか」は決めなければならないし、「眠くなったから寝る」と言っても、それが会議中なら、「寝ても差し支えないかどうか」判断している...
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■■今週の選書
■■教科書にないお金の増やし方・守り方
■■大江英樹
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■■選書サマリー
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私たちは毎日、起きてから寝るまで、たくさんの「判断」を求めら
ている。「お腹が空いたからご飯を食べる」「眠くなったから寝る」
というのは生理現象だ。
しかし「何を食べるか」は決めなければならないし、「眠くなった
から寝る」と言っても、それが会議中なら、「寝ても差し支えない
かどうか」判断している。
こうした日常の小さな判断は、あまり深く考えることなく、その時
の気分で決めているつもりでいる。しかし、本当は、巧妙に仕掛け
られ、誘導された結果かもしれない。
誰かに誘導されてはいなくても、無意識のうちに自分自身の感情に
誘導され、不合理な判断をしているかもしれない。この「感情」が
厄介なのだ。
特に「お金」のことを判断する時は、数字を冷静に見るべきだ。「勘
定」を考えなければならないからだ。ところが「勘定」の代わりに、
「感情」を優先して判断していることが多いのだ。
【2】
人は「儲けたい」という気持ちより「損したくない」という気持ち
のほうが強い。だから「利益が出ている局面」では確実性を好み、
「損が出ている場面」では、賭けに出たがるのだ。
たとえば、宝くじで100万円が当たった時「何もせずに100万円を
持って帰る」と「コインを投げて表が出たら200万円もらえ、裏が
出たら100万円没収される」の2つの選択肢があるとする。
多くの人は最初の選択肢「何もせずに100万円持ち帰る」ほうを選
ぶはずだ。それは「儲けたい気持ち」より「損をしたくない気持ち」
のほうが強いからだ。
一方、競馬で朝からずっと負けている場合、多くの人は最終レース
で大穴を狙う傾向がある。論理的に考えれば「本命を買って、勝て
る確率を上げ、少しでも損失を減らす」べきだ。
ところが、損が出ている局面では「賭け」に出たがる。だから「大
穴を狙う」行動に走るのだ。こうした「損をしなくない」心が、実
は、さらに大きな損を呼び込んでいることが多いのだ。
【3】
「貯蓄の王道」と言えば「給与天引き」だ。人には「メンタル・ア
カウンティング」、いわば「心の財布」がある。人は、心の中に財
布を複数持っている。それらはトータルに管理されていない。
だから、天引きされたお金は、最初から「無かったもの」になる。
給与20万円で生活し、余ったら2万円貯金することは難しくても、
最初から「18万円で生活しろ」と言われれば、何とかなるのだ。
「給与天引き」では「双曲割引」の効果も生きている。「双曲割引」
とは「遠い将来のことは、価値を低く見積もってしまう」ことだ。
たとえば、今日1万円もらうのと1週間後に1万100円もらうので
は、多くの人が今日の1万円を取る。ところが1年後の1万円と、
1年1週間後の1万100円では、多くの人が後者を取る。
どちらも1週間待てば100円の利息がつくことに変わりはない。そ
れなのに、多くの人が「1年先なら1週間くらい待つのに、今1万
円くれるなら、1週間待たずに今もらいたい」と思うのだ。
理由は、1年後の1万円より、今の1万円の価値を、より高く見積
もっているからだ。そのせいで「老後」のために「今やりたいこと」
を我慢できないのだ。だから、天引きで強制的に貯めるのだ。
【4】
ただ、いくら天引きで貯めても、それが簡単に引き出せるようでは、
効果がない。そこで「現状維持バイアス」の心理を作ってしまう。
人は、現状を変えることに抵抗がある。だからそれを強くするのだ。
社内の制度の場合、引き出しのハードルを高くする。部長の印鑑が
必要だったり、担当部署のチェックが必要だったりとなると「面倒
だからそのままにしておこう」ということになる。
サラリーマンが最も合理的に貯金するには、給与天引きで行うこと
だ。自営業なら、口座の自動引き落としで、中途解約が難しい方法
を利用する。いずれも心理的バイアスをうまく利用した方法だ。
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■■選書コメント
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お金の本です。大事なお金の使い方を間違えないための基本です。
お金に関して間違った判断をして、損をする人がたくさんいます。
そうならないように、基本的な知識を身に付けることができます。
といっても、よくあるお金のテクニックの本ではありません。資産
運用や蓄財のノウハウは一切できてきませんし、著者の成功体験も
出て来ません。
本書が教えるのは、お金にまつわる心理学です。日常生活で陥りや
すい心の罠を学ぶことで、お金に関する教養を身に付け、知らずに
損をしないようになることができます。
サービスを提供する側に立てば、人間の心理状態の頼りなさは尚更、
感じることができます。たとえば、広告の文面などは、ちょっとし
た表現の違いで、売れたり売れなかったりします。
売る側の立場になれば、世の中にあふれる数々のメッセージが、売
るための仕掛けであることを見抜けるようになれます。私も、その
おかげで、以前より無駄遣いが減りました。
たとえば、先ほどの独立直後の元サラリーマンがターゲットなら、
キラートークは「社長になったんですから」あたりでしょうか。こ
ういえば、多くの人が、気を良くして買ってしまいます。
このように、売る側も、売るために巧みに心理を突いてきます。そ
ういう環境下で「買わない」を貫くには、よほど気を引き締めるべ
きです。そうでないと、お金をどんどん財布から抜き取られます。
まずは、こうした自分の心理状態を冷静に知っておくことです。本
書は、そんなお金にまつわる心理を、極めて実践的に学ぶことがで
きる本だと思います。
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