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2017/02/10
これからの教え方の教科書
相手にあわせた教え方
部下に「教える」ことは難しい。なぜなら、普通の人は、教え方を学ぶ機会のない環境で生きているからだ。だから、自分が教わったやり方をベースに、暗中模索するしかないのだ。だが、時代は変わった。自分が教わったやり方が、現代では「パワハラ」になる可能性がある。さらに、自分自身の業務負担も多く、時間もない。そんな中で若者の面倒を見なければならないのだ...
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■今週の選書 ■これからの教え方の教科書 ■阿部淳一郎 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★本書の詳細、お買い求めは、 → http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756918786/tachiyomi ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ ■■選書サマリー ■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 相手にあわせた教え方 【1】 部下に「教える」ことは難しい。なぜなら、普通の人は、教え方を 学ぶ機会のない環境で生きているからだ。だから、自分が教わった やり方をベースに、暗中模索するしかないのだ。 だが、時代は変わった。自分が教わったやり方が、現代では「パワ ハラ」になる可能性がある。さらに、自分自身の業務負担も多く、 時間もない。そんな中で若者の面倒を見なければならないのだ。 「学ぶ」の語源は「真似ぶ」だ。教え上手になるには「教え上手」 な人たちがしていることを「真似ぶ」ことからはじめることだ。そ の上で、徐々にオリジナルスタイルに変えていけばいいのだ。 「教え上手」と「そうでない人」の違いは、突き詰めると2つある。 まず「相手の能力に合わせた教え方ができるか否か」そして「相手 の気持ちを尊重できるか否か」だ。この2つはブレてはいけない。 【2】 人は、それぞれ「教える」ことに哲学を持っている。哲学には、良 いも悪いもない。いずれも尊重すべきだ。ただ「仕事を教える」場 合、目的は「結果を出し、チームに貢献できる人にすること」だ。 だから「仕事を教える」なら、効果は「相手が変わったかどうか」 で判断するべきだ。人を教える時には、自分の教え方の哲学を貫く より「相手のアウトプットをどう変えるか」が大切なのだ。 相手のアウトプットを変える教え方をするには「その業務に必要な 知識、手順、ルール」「自分から考え、動き、学んでいく能力」を 知っておくべきだ。 特に、意欲や能力の高くない若手の場合「業務知識や手順」や「こ ういう場面ではこう考え、こう動くという思考行動パターン」を手 取り足取りで教えるところから始める。 その上で、徐々に自分で考えさせるアプローチにスライドしていく ことが必要だ。 【3】 相手の習熟度を4段階に分けて、アプローチを切り替える「SL理 論」というものがある。この理論をベースに、段階に応じた教え方 をするべきだ。 入社してから半人前までの全くの初心者の段階では、業務に必要な 知識、手順、ルールなど「スキーマ」を増やす。インプットを重視 し、手とり足とり業務的な面で相手のできることを増やしていく。 ある程度の知識や手順を身につけ、ルールに従った行動ができるよ うになったら、次に考え方や行動のフレームを作ることを目指す。 自分で考える力の土台を作ることを目指すのだ。 【4】 「1人前になったな」と感じたら「自分で考えて動く力」を高めて いく。いわゆる「自己調整学習力」を高めるのだ。その際は、質問 を上手く活用すると効果的だ。 たとえば、部下がお客様からイレギュラーな質問を受けて相談に来 たとする。ここで、すぐに部下に「正解」を伝えると、自分で考え て動く力が伸びない。 そこで、まずは「どうしたらいいと思う?」と質問を投げかける。 そして、若手なりの答えを考えさせる。その上で、最終的指示を出 すのだ。 こうすれば、若手に対処手順が身につくと同時に「自分で考えるク セ」も身につけられる。この繰り返しが、自分で考えて動く力を高 めることにつながるのだ。 業務をひと通り覚え、自分で考えて動く力も高まったら、下の人間 を育てる役割や、大きな責任のある仕事を任せることだ。責任ある 役割を任せれば、さらに成長できるはずだ。 まず、ここであげた4つ段階の、どこに今の若手の能力があてはま るのかを考えることだ。その上で、相手の習熟度に合わせて、教え 方を切り替えていくと効果的だ。 ※↓「これじゃ、物足りない!」そんな方は、コチラ↓ https://www.bbook.jp/paymelmaga.html ★本書の詳細、お買い求めは、 → http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756918786/tachiyomi ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ ■■選書コメント ■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 上司のための指導法です。新人をはじめとする若手社員、たとえば、 部下や後輩たちのやる気や、潜在的な力を引き出しながら、正しく 成果をあげ、成長させる方法が学べます。 当たり前のことですが「教えること」は「学ぶこと」以上に難しい ことです。特に、大人の指導は困難です。指示・命令で動かすので なく、自分で考えて、自ら動く人材に導くのは、さらに困難です。 にもかかわらず、上司が部下の教え方について、トレーニングを受 ける機会はほとんどありません。その悩みとストレスを解消してく れるのが本書です。 特徴は、人材開発コンサルタントの著者が、指導経験の中で見てき た事例を元に解説してくれる点です。気に入ったものを真似しなが ら、自分流にアレンジしていくことができます。 構成としては、冒頭で「教え方」を取り上げます。決して優秀では ない、ごく普通の若手も戦力にできます。新人や自信のない部下の 指導、人間教育の方法など、目的別に解説していきます。 その上で、部下との信頼関係の作り方、目標設定のさせ方などを解 説、さらに「説明力」「叱り方」「褒め方」など、コミュニケーシ ョン法にまで切り込みます。部下との関係構築が進みます。 魅力は、著者の経験談に留まらない点です。行動科学、ポジティブ 心理学などの研究成果をベースにしていますから、きっと部下の潜 在的能力を引き出すきっかけにできるはずです。 というわけで、部下が「思うように育たない」「いつまでも受身で 困る」「同じことばかり教えている」など、悩みやストレスを抱え るマネジメントクラスの皆様にお勧めします。 ※「これじゃ、物足りない!」方は、コチラ → https://www.bbook.jp/paymelmaga.html ★本書の詳細、お買い求めは、 → http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756918786/tachiyomi ────────────────────────────── ◎バックナンバー→ https://www.bbook.jp/backnumber ◎ご意見、お問い合わせ、→ info@kfujii.com ◎登録、変更、解除→ https://www.bbook.jp/mag.html ────────────────────────────── 発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2017 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━