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2017/02/17
「好きなこと」で、脳はよみがえる
脳は、いつでも「好奇心」を欲している
人生を幸せにするためには、亡くなる直前まで、しっかりとした脳を持ち、認知力を健全に保った状態で生活できる「生涯健康脳」を実現することだ。そもそも「健康な脳」とは「脳の血流が良く、代謝が非常に高い状態にあり、活発に動いている脳」のことだ。だが、誰しも加齢で、脳は萎縮していく。これは避けようのない事実だ...
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■今週の選書 ■「好きなこと」で、脳はよみがえる ■瀧 靖之 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★本書の詳細、お買い求めは、 → http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479783717/tachiyomi ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ ■■選書サマリー ■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 脳は、いつでも「好奇心」を欲している 【1】 人生を幸せにするためには、亡くなる直前まで、しっかりとした脳 を持ち、認知力を健全に保った状態で生活できる「生涯健康脳」を 実現することだ。 そもそも「健康な脳」とは「脳の血流が良く、代謝が非常に高い状 態にあり、活発に動いている脳」のことだ。だが、誰しも加齢で、 脳は萎縮していく。これは避けようのない事実だ。 萎縮するにつれ、さまざまな脳の機能が低下していく。当然、認知 力は低下する。これが老化という現象だ。ただし、高齢になるほど、 脳の萎縮スピードは人によって差が大きくなる。 大きな要因は「生活習慣」だ。大事なことは、一人一人が努力する ことだ。そのために役に立つのが「知的好奇心」というスパイスな のだ。 【2】 脳を活性化させる要素は「知的好奇心」「運動」「コミュニケーシ ョン」の3つだ。この3つが脳を活性化させ、認知症を予防し、生 涯健康脳を作る。 まず「知的好奇心」だ。好奇心を持ちながら行動すると、人は「楽 しい」という感情を持つ。「楽しい」と感じている時には、脳内物 質であるドーパミンが分泌される。 ドーパミンには、記憶力を高め、達成感ややる気などのプラスの感 情を生み出す効果がある。この時、物事の判断などを司る前頭葉な どの高次認知機能も刺激され、活性化する。 そして「楽しい」と感じていることで、脳はリラックス状態になる。 ストレスがあると記憶を形成する海馬の萎縮や神経細胞の生成が 抑えられるが、リラックスすれば、それら悪影響を抑止する。 さらに、脳がリラックスしていると、副交感神経が優位になり血管 が拡張され、血流もよくなる。結果、身体のすみずみまで栄養や酸 素が送られる。知的好奇心があれば脳の働きも活性化されるのだ。 【3】 次に「運動」だ。激しいスポーツでなく、1日30分ほど体を動かす 程度の軽い運動をするべきだ。特に、ウォーキングや軽い水泳など、 継続的に酸素を身体に取り込む有酸素運動が脳を活性化する。 運動をすると、体内に脳由来の神経栄養因子が作られる。この物質 は、脳のエネルギー源であり、海馬の体積を大きくする。つまり有 酸素運動が海馬の萎縮を食い止め、認知機能を高めるのだ。 さらに、有酸素運動は、認知症の原因になるたんぱく質のゴミ「ア ミロイドベータ」を壊す酵素を発生させる。これより動脈硬化を抑 えたり、感情をコントロールしたりする。 【4】 3つ目は「コミュニケーション」だ。ここでいうコミュニケーショ ンとは、言葉を通じて相手と交流したり、理解しあったりする活動 全般のことだ。 おしゃべりしているとき、脳内では様々な領域が活発に活動する。 たとえば、話を聞いて共感する時、脳内では社会性や理性を司る前 頭葉が活性化する。さらに人の心を癒し、リラックスさせる。 【5】 「知的好奇心」「運動」「コミュニケーション」の3つの要素の中 で、重要視すべきものが「知的好奇心」だ。これは、他の2つの要 素の土台ともなるべきものだからだ。 知的好奇心がなければ、運動も始める気にならないはずだ。たとえ ば、テニスも機械的にラケットを振っているだけでは飽きてしまう。 打ち方など、好奇心を持って追求することで面白さに目覚めるのだ。 コミュニケーションも同じだ。人と積極的にコミュニケーションを 取るのは、相手を「もっと知りたい」という好奇心があるからだ。 好奇心を持ち「教えてください」という姿勢で接すれば、どんな人 もイヤな気持ちにはならない。好奇心があれば、こうして周囲に仲 間を増やし、コミュニケーションの頻度を高めることができるのだ。 ※↓「これじゃ、物足りない!」そんな方は、コチラ↓ https://www.bbook.jp/paymelmaga.html ★本書の詳細、お買い求めは、 → http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479783717/tachiyomi ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ ■■選書コメント ■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 脳の健康を保つ本です。寿命が益々伸びる現代社会にあって、認知 症の患者数も増えることが想定されています。人生を目いっぱい楽 しむには、脳も元気で、健康に保ちたいものです。 どうしたら、死ぬ直前まで、脳の健康を保ち、健全な認知力を維持 しながら生活できるのでしょうか?本書には、その具体的な方法が 書いてあります。 著者は、脳医学者で、これまで16万人の脳画像を見てきたそうで す。そんな著者が、最新の研究成果をもとに明らかにする、脳を健 康に保つ生活の実践方法です。 健康脳を実現するために、何より大事なことは、知的好奇心を持つ ことだそうです。そして、好奇心のメカニズムと保ち方法について、 章を割いて教えてくれます。 加えて、運動やコミュニケーションも大切です。これらをどうすれ ば、日常生活に取り入れることができるのか、それぞれ具体的なや り方を教えてくれます。 本書の魅力は、全編を通してワクワク生きることの大切さを説き、 その方法を紹介している点です。そのために、夢や目標を持つこと の大切さを説くなど、読んでいて明るくなります。 また、章末ごとにコラムも紹介されていますが、これが結構充実し ています。主に認知症について、最新の脳医学の研究結果をベース にして綴られる内容は、とても勉強になります。 誰でも、益々元気でいたいはずです。私のような中高年世代はもち ろん、若い人も、健康に関心にある人もない人も、すべてのビジネ スパーソンが、本書を読まれることをお勧めします。 ※「これじゃ、物足りない!」方は、コチラ → https://www.bbook.jp/paymelmaga.html ★本書の詳細、お買い求めは、 → http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479783717/tachiyomi ────────────────────────────── ◎バックナンバー→ https://www.bbook.jp/backnumber ◎ご意見、お問い合わせ、→ info@kfujii.com ◎登録、変更、解除→ https://www.bbook.jp/mag.html ────────────────────────────── 発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2017 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━