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2017/04/21
現代語訳 学問のすすめ
学んだ人から出世する
『学問のすすめ』というと「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」から始まる名文句を思い浮かべる。そして「これからは、平等の時代だ」ということを述べた本だと思うかも知れない。だが、内容は「人材育成」にはじまり「ダイバーシティ」「責任感」、「上司とのつきあい方」「チームワーク」「プロジェクト管理」など「仕事術」に関するものだ。文字通り「ビジネス書」なのだ...
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■今週の選書
■現代語訳 学問のすすめ
■河野英太郎
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■■選書サマリー
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学んだ人から出世する
【1】
『学問のすすめ』というと「天は人の上に人を造らず、人の下に人
を造らず」から始まる名文句を思い浮かべる。そして「これからは、
平等の時代だ」ということを述べた本だと思うかも知れない。
だが、内容は「人材育成」にはじまり「ダイバーシティ」「責任感」、
「上司とのつきあい方」「チームワーク」「プロジェクト管理」な
ど「仕事術」に関するものだ。文字通り「ビジネス書」なのだ。
しかも「この時代によくこんなことがわかるな」とか「今まさに自
分の周りで起こっている問題だ」などと感じる、新鮮なことばかり
だ。140年後の今読んでも、新しい内容なのだ。
そこで、現代のビジネスパーソンの立場で、中学生でも無理なく読
める表現で、解説を交えながら、もちろん質を落とすことなく、現
代語に訳してみることにした。
【2】
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」とは「すべての
人は生まれたときから、身分の上下なく、同じ権利を持ち、お金持
ちもそうでない人も平等だ」ということだ。
だが、世の中を見渡すと「平等」といいながら「賢い人」もいれば、
「愚かな人」もいる。「貧乏人」もいれば「お金持ち」もいる。こ
の差は「学んだ」か「学んでいない」か、それだけの違いなのだ。
世の中には「難しい仕事」もあれば「簡単な仕事」もある。そして
一般的には「アタマや人を使う仕事=難しい仕事」「手足を使う肉
体労働=簡単な仕事」とされている。
そして「難しい仕事をする人」が「偉い人」で「簡単な仕事をする
人」は「偉くない人」とされている。これも元をたどれば「勉強し
たかどうか」の違いに過ぎない。生まれもった差ではないのだ。
人は、生まれつきお金持ちか、貧乏かの区別があるわけではない。
学び続けて、知識を得た人が、偉く金持ちになり、学ばなかった人
は、貧乏で、地位の低い人になるだけなのだ。
【3】
我々が学ぶべき学問は、難しい字や、古文を読みこなしたり、和歌
や詩を作って文学を楽しむような世の中の役に立たないものでは
ない。まず学ぶべきは、生活に役立つ「実学」だ。
「実学」とは「読み書き」「資料づくり」「帳簿つけ」「会計」「計
量」などの他、「地理」「物理」「歴史」「経済」「道徳や倫理」
のことだ。
これらは、翻訳本を探せば日本語で学べるし、語学が得意なら、原
書で学んでもいい。いずれにしろ、事実に基づいて、よく考え、自
分のものにし、ポイントを押さえて現実に活かすことだ。
実学は、すべての人が身につけるべきだ。実学を学んで、はじめて
人は、それぞれの職業を勤めあげたり、独立したりできる。それが、
ひいては、家や国をも独立させることにつながる。
「学問とは、文字を読むこと」と思われがちだが、間違っている。
文字は、学問の単なる「道具」だ。「家を建てるには、金づちや、
のこぎりが必要だ」と知っているだけで大工と言わないのと同じだ。
【4】
人と人とは「平等な関係」だ。これは「結果の平等」ではなく「権
利の平等」だ。結果に注目すると、お金や権力の有無などに大きな
違いがある。だが、持っている権利は同じで、差などまったくない。
ここでいう権利とは、命が尊重され、財産が守られ、名誉を大切に
されることだ。人は心や体と同様、権利を手にする資格を与えられ
たのだ。誰もこれを邪魔してはならないのだ。
これは、政府と国民との関係でも同じだ。税金を払い、法律を守れ
ば、国民は義務を果たしたことになる。一方、政府は、税金を使っ
て国民を保護することで義務を果たす。
だが、政府が国民に何をするかは、国民のレベル次第だ。法律も理
解せず、物事の善悪の区別もつかないなら、政府も力ずくで被害の
拡大を食い止めるしかない。これが厳しい政府が出来上がる原因だ。
もし、苛酷な政府が嫌なら、すぐに学問をはじめて知識や人徳を身
につけ、政府と渡り合えるだけの地位を築くことだ。だからこそ、
誰もが学問をするべきなのだ。
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■■選書コメント
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『学問のすすめ』の超訳です。「『学問のすすめ』は日本最大のベ
ストセラービジネス書である」という前提のもと、現代のビジネス
パーソンの仕事や自己啓発に役立つように解説してくれます。
著者は、100万部突破のベストセラー『99%の人がしていないたった
1%の仕事のコツ』の作者です。ベストセラー著者ならでは視点と
表現で、古典を現代によみがえらせてくれます。
読めば、これまでとはまったく違う『現代語訳 学問のすすめ』に出
会えるはずです。日本を代表する知の巨人から、私たちが決して忘
れてはならない「仕事の基本」を再確認しましょう。
古典の多くは、名著です。時代の評価に耐えて現代まで読み継がれ
てきたものだからです。ただ、原書で読むのは難解です。特に、忙
しいビジネスパーソンにとっては効率的でありません。
そこで、現代語訳の登場です。原文で読まないことに後ろめたさを
感じる必要はありません。欧米の書籍が、翻訳されて広く読まれて
いるのと同じです。
ジェームズ・アレンも、孫子も、古典です。それが読まれているの
は翻訳されたからです。価値は内容にこそあるのです。日本の古典
的名著が、言葉の問題で埋もれているとしたら勿体ないことです。
その問題を解消するのが本書です。読めばわかりますが、145年
経った今も、驚くほど色褪せていません。それどころか、そのまま
現代のビジネスパーソンに生かせます。
というわけで、古いからこそ新鮮なビジネス書と言えます。すべて
のビジネスパーソンにお勧めします。
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