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2017/12/22
みんなでつなぐリーダーシップ
管理職やリーダーをめぐる大きな変化
管理職やリーダーという仕事をめぐり、今大きな変化が起きている。実際にそれらの立場にある人は、成果と責任ばかり問われ、多くの仕事を引き受け、抱え込み、疲弊感と孤立感を強めている。こうした目の前の管理職やリーダーの状況を見て、30代後半以降の中堅世代は「自分は管理職やリーダーにはなりたくない」と思い始めている...
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■今週の選書
■みんなでつなぐリーダーシップ
■高橋克徳
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■■選書サマリー
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管理職やリーダーをめぐる大きな変化
【1】
管理職やリーダーという仕事をめぐり、今大きな変化が起きている。
実際にそれらの立場にある人は、成果と責任ばかり問われ、多くの
仕事を引き受け、抱え込み、疲弊感と孤立感を強めている。
こうした目の前の管理職やリーダーの状況を見て、30代後半以降
の中堅世代は「自分は管理職やリーダーにはなりたくない」と思い
始めている。
未来を作っていく若手・中堅世代は「個人が周囲をリードする」「人
の上に立つ強いリーダーになる」という考え方に違和感を覚えてい
るのだ。
経営者や部門長は、こうした現場の感情に向き合うことなく、相変
わらず「強いリーダーになれ」「管理職の責任は大きい」と言い続
けている。このようなチグハグな状態を続けるべきではない。
【2】
今、管理職やリーダーという存在自体が、問い直しを迫られている
のだ。これらの仕事は、本来は何をすべき人たちか考え直すべきだ。
未来のリーダー像は、今と同じであるべきではないのだ。
今までのやり方、慣習を当たり前のように続けている人たちに未来
はない。未来を切り拓く力もない。そう悟って、30歳前後で会社を
辞めてしまう人も増えている。
なお、管理職やリーダーという存在を問い直すことは、われわれが
産業革命以降、作り出してきた企業システムの根幹を問い直すこと
でもある。
成果のために人を動かす組織は、情報革命で生まれた新たなビジネ
ス環境の中で機能し続けることはできない。組織全体の力を引き出
すには、新しい組織が求められているのだ。
【3】
若手世代は「強いリーダー論」に違和感を覚えている。誰かが強い
意思を持ち、人を動かしていく。それに「フォロワー」が従ってい
く。これは20世紀までのリーダーシップだ。
この考え方は、フォロワーの主体性や意思を大切にしていない。リ
ーダーは「共に頑張ろう」という仲間になれるからこそ力を発揮で
きるのだ。
そして、リーダーは固定する必要がない。すべてに完璧な人間など
いないからだ。「この時は彼がリーダー」「別の場面では別の人が
リーダー」でいい。つらくなったら、互いに支え合えばいいのだ。
そうして、自然体で踏み出せる状態「周囲のために少しだけ頑張っ
てみよう」という気持ちが伝わった時、互いを支えよう、応援しよ
うという感情が生まれる。それが組織の感情に変わっていくのだ。
「リーダーとは、そういう存在でいい」というのが、若手世代の感
覚だ。彼らは、そうしたリーダーシップのあり方にネット上や学生
時代の活動の中で馴染んできたからだ。
大切なことは、フラットに互いの思いを語り合うことだ。「いいな」
と思ったら賛同し、一緒に行動することだ。そういうリレーション
シップという推進力、エンジンを作りだすことこそ大事なのだ。
【4】
ハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒルは「イノベーション
を起こし続ける組織には、社員が互いに協力し、アイデアを組み合
わせながら意思決定をしていく社風がある」という。
「未来に向けてイノベーションを起こすリーダーは、メンバー全員
がリーダーシップと創造性、自発性を発揮できる社風と環境を作り
だすことに力を入れている」というのだ。
未来を切り拓いていくのは、組織に参加するメンバー全員なのだ。
メンバーが、互いの思いを少しずつ重ね合わせながら、全員で切り
拓いていくべきなのだ。
そして、経営者や部門長クラスの役割は、こうした「みんながリー
ダー、みんなをリーダー」にできる土台に、関係性と文化を創り出
していくことなのだ。
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■■選書コメント
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リーダーシップの本です。と言っても、いわゆる従来型の管理職を
こなす方法を教える本ではありません。これまでのリーダー像の限
界を描き、新しいあり方を提示する本です。
最近は若い世代を中心に「管理職になりたくない」という人が増え
えています。そんな若手の声を、ただ「責任回避」と嘆く代わりに、
耳を傾けることで、未来を切り拓く鍵を見つけます。
それは、強いられて前に出るのでなく、自然体で未来に踏み出す、
新しい組織やリーダーです。 組織の未来は、自分たちの手で作るの
です。そのために求められるリーダーシップを教えてくれます。
著者のポリシーは、組織の中で追い込まれる弱い立場の人たちに寄
り添い、耳を傾け、問題を整理して、解決に向けた一歩踏み出すこ
とを後押しすることだそうです。
本書でも、組織に広がる違和感として「管理職になりたくない」と
いう言葉の裏にある若手の違和感から、組織の問題点をあぶり出し
ます。
その上で、未来に変わる仕事の進め方や、それに伴い大きく変わる
リーダーシップを解説、それを可能にする「3つのリーダーシップ」
を紹介します。
これからは、誰かが誰かに依存するのでなく、みんなで組織を作る
時代です。そんな組織の姿を描きます。読めば、若手社員から経営
層まで、すべての世代や役職者が生き生きできるはずです。
「管理職」という働き方に違和感を感じている若い世代はもちろん、
すでに管理職になって苦労している方、旧いリーダシップに限界を
感じている経営層まで、すべてのビジネスパーソンにお勧めします。
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