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2018/05/18
意見・主張が通る「伝え方」
伝わる話し方の「基本構造」
自分が「伝えた」と思っていることと、相手に確実に「伝わった」こととの間には、とてつもなく大きな「コミュニケーションの壁」がある。相手に対して、ただ話をするのでなく、自分の想いや考えを確実に伝える。さらに、意見や主張を納得してもらい、動いてもらうことが重要なのだ...
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■今週の選書
■意見・主張が通る「伝え方」
■石田健一
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■■選書サマリー
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伝わる話し方の「基本構造」
【1】
自分が「伝えた」と思っていることと、相手に確実に「伝わった」
こととの間には、とてつもなく大きな「コミュニケーションの壁」
がある。
相手に対して、ただ話をするのでなく、自分の想いや考えを確実に
伝える。さらに、意見や主張を納得してもらい、動いてもらうこと
が重要なのだ。
気持ちよく納得してもらうことが必要なのは、仕事に関する「説得」
には、必ず「納得」が必要だからだ。コミュニケーションは「納得」
してもらうことの連続なのだ。
そもそも、人は「説得」されるのが好きではない。「納得」したい
と思っているのだ。ところが、多くの人は、相手を「説得」しよう
としている。そして失敗してしまう。
「納得」してもらうには、自分の意見をわかりやすく伝えることだ。
相手を説得しようとするのでなく、考えていることを引き出してあ
げるのだ。相手が「納得した」と思えるようなサポートをするのだ。
【2】
納得感のある伝え方ができる人は、もともと才能がある人だと思う
かも知れない。だが、説得力のある伝え方は、工夫すれば誰もが手
に入れられるスキルだ。
このスキルを手に入れるには、自分の意見や考えを整理し、相手に
わかりやすい流れで話を組み立てることだ。要点を絞り、重要なこ
とから先に話すなど「わかりやすく」伝えるのだ。
そこに自分の言葉を加えてみることだ。自分の言葉で伝えることで、
はじめて相手が納得し、相手の心に響く話し方ができるようになる
のだ。
そして、相手の「感情」をよく観察することだ。どんなに自分の考
えを整理し、わかりやすく伝えたとしても、相手の感情や状態をよ
く見極められていなければ、納得感を持ってもらうことはできない。
【3】
自分の意見や主張を通して、気持ちよく納得してもらうためには、
「あたたかロジカルモデル」を活用する。これは、論理的に説明す
る「ロジカル話法」に「感情をつかむスキル」を加えた型のことだ。
すなわち「テーマ→結論→具体的理由」という「伝え方の基本構造」
に相手の立場や状態を考えた「感情」を加えるのだ。相手に意思決
定してもらうには、ロジックに感情を加えることが重要なのだ。
わかりやすい説明をするには、まず相手の頭の中を想像する。そし
て、どんな知識があるのかを知った上で「基本構造」の中に相手の
理解につながる言葉を使ったり、論理展開をしたりする。
聞き手は、自分の頭の中にある意見や考えを具体化して言葉にして
もらえるから「なるほど」と共感できる。最初は難しいかもしれな
いが、経験すれば上達するはずだ。
【4】
「あたたかロジカルモデル」では、まず「アテンション」だ。質問
したり、プレゼン内容に沿った自分のエピソードや体験談を語る。
そうして相手の関心を引き、聞き入れてもらえる体制にもっていく。
次に、「テーマ」だ。「これから何について話をするのか」を最初
に明らかにしておくのだ。これを徹底するだけで、格段にわかりや
すくなるはずだ。
続いて「結論」だ。「こう思う」「相手に動いて欲しいこと」など、
重要なことを一呼吸で言い切れる長さにまとめ、優先順位の高い「具
体的理由」を2、3点に絞って、重要度の高い順から伝えるのだ。
最後に「まとめ」だ。「テーマ」+「結論」で、この説明の中で何
を言いたかったのかを、もう一度繰り返し伝える。このように話す
と、聞き手は、あなたの話を一度で理解できるようになる。
さらに「聞き手の心を動かす」には自分のエピソードや、人に話し
たくなる話題など「パーソナリティ」を加える。タイミングは「ア
テンション」「具体的理由の中」「まとめの前後」などだ。
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■■選書コメント
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コミュニケーションの本です。仕事で自分の意見や主張を、無理な
く伝える方法です。コツは相手の気持ちや感情を意識することです。
結果、相手を納得させながら、動いてもらうことができます。
ビジネスでは、主張が大事です。でも、相手をやり込めたり、威圧
したりすれば、場が変な感じになったり、相手を怒らせたりします。
その結果、思う効果が得られません。それでは意味がありません。
大事なことや自分の意見を正しく伝えながら、相手の気分を害さず、
納得させることが必要です。本書には、それを可能にする方法が、
詳しく書いてあります。
ポイントは「論理」に「感情」を加えることと著者は言います。論
理的に伝えながら、聞き手の気持ちや感情にも気を配ります。そう
することで、相手は気分よく動いてくれます。
本書では、それを「あたたかロジカルモデル」と名付けています。
そして、その基本構造と伝え方のコツやルール、さらに目的ごとの
伝え方などを解説します。
基本的なところから説明してくれますので、誰でも取り入れること
ができます。また、プレゼン、会議、打ち合わせ、商談、営業、交
渉など、ビジネスのあらゆる場面で活用することが可能です。
著者は、営業や広告制作、コンサルティングなどのキャリアの中で、
言葉や表現方法を磨いてきたそうです。その過程で蓄積した経験と
技術を統合し「伝え方のメソッド」としてまとめてあります。
公私問わず、説明や説得が苦手な人はもちろん、相手を怒らせたり、
場の空気をギスギスさせてしまうことが嫌で、自分の意見を控えが
ちな人にお奨めします。
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2018
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