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2019/05/10
教養としてのアート 投資としてのアート
投資としてのアートとは?
日本人は、世界一のアート好きだ。しかし、広く認知されていない面もある。それは、アートが「文化的な価値」だけでなく、金融資産や不動産と同じように「資産的な価値」を持つということだ。もちろん、美術の教科書に載っているような巨匠たちはその価値が認められている。だが、現代アートについては、ほとんど知られていない。一方、海外ではその資産的意味が広く知られている...
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■今週の選書
■教養としてのアート 投資としてのアート
■徳光健治
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■■選書サマリー
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投資としてのアートとは?
【1】
日本人は、世界一のアート好きだ。しかし、広く認知されていない
面もある。それは、アートが「文化的な価値」だけでなく、金融資
産や不動産と同じように「資産的な価値」を持つということだ。
もちろん、美術の教科書に載っているような巨匠たちはその価値が
認められている。だが、現代アートについては、ほとんど知られて
いない。一方、海外ではその資産的意味が広く知られている。
だから、若い世代も積極的にアートを買う。評価の定まった作品以
外にも、今後の成長が期待できる作家の作品を購入し、評価が上が
るまで長期的に所有することも一般的だ。
現代アートなら、没後の作家と違って作家も現存している。そのた
め、作者と直接話すことで作品についてより理解を深めることがで
きる。また、今後の展開をともに楽しむことができる。
「観る」ことは受け身だが「買う」ことは能動的だ。それにより、
新しい価値観を発見できる。受け取るだけでなく、積極的にかかわ
ることでアートの持つさらなる魅力を楽しむべきだ。
【2】
現在のアート作品は、謎解きのパズルのようなものが多い。作家が
伝えたいことがわかりづらいことも多い。そもそもアートは「わか
りにくい」という所を出発点にしなければならないのだ。
だから、わからないものはわからないままでいい。興味を持てるも
のだけ理解を深めてもいい。作家は見たことのない世界観を作ろう
としている。手がかりがなければ、わかりようがない。
ただ、アートはわ「からないから面白い」ともいえる。すでにわか
っているものを見る行為ではないのだ。わかりにくいからこそ、興
味がわくし、あくなき探究心も働くのだ。
富裕層がアートをビジネスの場で話したりするのは、自分が今いる
環境における経験や知識だけでは理解できないことを、より知りた
いという探求心があるからなのだ。
【3】
株式、債券、不動産、貴金属などの投資ポートフォリオの中に、ア
ートを入れる投資家が増えている。それは、アートが景気の影響を
受けにくく、上昇傾向にあり、投資対効果が高いからだ。
しかし、富裕層は、アートを全資産の5%程度で運用する。理由は
アートの売買手数料が高いからだ。アートの売買手数料は、オーク
ションハウスだと15~20%もする。
そのため、金融商品の手数料を3%とした場合、5倍以上高く、短
期間で売買すると逆に損してしまう。つまり、短期で資産を増やし
たいと考えるなら不向きなのだ。
ただ、アート作品は、株のように需要に応じて新株を発行すること
ができない。また、作られる作品数も限られている。そのため、人
気が上がれば、数年で数十倍以上の価格になる作品も珍しくない。
いったんブームに火がつくと、驚くほど価格が上昇する。だから、
賢く買うことができれば、株式投資よりもうまみがある。仮に値上
がりしなくても、自宅で作品を眺めて楽しめばいいのだ。
【4】
アートで資産形成を考えるなら、これから成長しそうな若いアーテ
ィストを買うべきだ。まだ、オークションハウスに出てこないアー
ティストの作品は、数万円から買える。リーズナブルだ。
もちろん、資産として捉えると、オークションで取引されるような
著名アーティストの作品のほうが安定性はある。だが、運用面での
面白みは少ない。
作品自体が、株式のように将来紙切れになる可能性が低いなら、思
いきって若手アーティストに投資するべきだ。そのほうがアートを
買う楽しみにつながるはずだ。
アートを購入するために必要な情報、知識といった基礎的な教養を
身につけることだ。それにより、失敗しない投資をすることが可能
なのだ。
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■■選書コメント
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●今週の選書について
アートの本です。というと「ビジネス書の範疇ではないのでは?」
と思うかもしれません。しかし、本書は「アート」をビジネス、す
なわち「投資」対象としても考えます。
たしかに、経営者の多くがアート作品を買っています。それは、お
金の使い途に困った挙げ句の道楽ではありません。買えば値上がり
する可能性があるのです。
また、先の見えない時代ですから、理屈よりも感性がポイントにな
ります。その流れの中で、アート思考がビジネスの現場でも重視さ
れるようになっているのです。
本書は、アート・ビジネスの実情を教えます。たとえば、若手のア
ート作品なら10万円くらいから買えるといいます。それが、将来
何倍にもなる可能性を秘めています。
そんな知っているようで、知らなかったアートの世界を紹介するの
が本書です。マーケットの実態から、価値のあるアートの選び方、
買い方と注意点、楽しみ方まで教えてくれます。
著者は、現代アートを取り扱い、日夜アートの啓蒙活動をされてい
る方です。現場にいる著者いわく、日本のアートマーケットには、
夜明けが近づいているそうです
「投資」という視点でみれば、きっとアートも違って見えてきます
選ぶ際も、単に好き嫌いでなく、買った後に価値を生むかどうかを
見極める必要があります。それを磨く情報がまとめられています。
現代アートに興味のある人はもちろん、新しい投資対象を探してい
る人、新しい時代に求められる思考法や教養を身に着けたいと考え
ている人にもお勧めします。
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2019
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