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2019/05/17
能力を磨く
能力を磨かねばならない理由とは
能力を磨くべきだ。もちろん、職業人にとっては常識だ。だが、これからの時代、能力を磨くことが、これまで以上に重要なテーマになる。理由は、3つある。まず「能力の急速な陳腐化」だ。昔は、若い修業の時代を経て身につけた能力は、ある水準に達すると、その能力で、生涯、仕事を続けることができた...
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■今週の選書
■能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」
■田坂広志
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■■選書サマリー
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能力を磨かねばならない理由とは
【1】
能力を磨くべきだ。もちろん、職業人にとっては常識だ。だが、こ
れからの時代、能力を磨くことが、これまで以上に重要なテーマに
なる。理由は、3つある。
まず「能力の急速な陳腐化」だ。昔は、若い修業の時代を経て身に
つけた能力は、ある水準に達すると、その能力で、生涯、仕事を続
けることができた。
だが、現代は、若い修業時代に苦労して身につけた仕事の能力も、
社会や市場、産業や職業の急速な変化に伴い、陳腐化する。誰もが、
常に新たな能力を身につけ、磨いていかなければならない。
人生、百年時代になり、一生の中で、職業そのものも、何回か変え
ることになる。それに伴い、生涯を通して、新たな能力を身につけ、
磨き続けていくことが求められるようになる。
【2】
次に「学歴社会の崩壊」だ。21世紀初頭の日本社会は、20世紀の工
業社会時代を終え、情報・知識社会をも超えた。現代は「高度知識
社会」と呼ぶべきものになっている。
それは、絶え間ないイノベーションが続く社会だ。大企業や大組織
より、結びついた個人が活躍する社会だ。夢や志を語り、人間力で
仲間を集めて成果をあげるリーダーシップが求められる社会だ。
そこで活躍する人材は、たとえば「イノベーション力」「ネットワ
ーキング力」「リーダーシップ力」を発揮できる人材だ。しかし、
わが国の教育制度は、こうした人材を育てる制度になっていない。
これから「仕事ができる人材」になるには「学歴」に安住すること
なく「勉強ができる」能力に慢心することなく、職業の現場で求め
られる高度な能力を身につけ、磨いていかなければならないのだ。
【3】
さらに「AI時代の到来」だ。「能力を磨く」ことが求められる理
由として、これが最も大きな理由だ。これから人工知能の開発が進
み、広く社会に普及していくはずだ。
この「AI時代」には、これまで人間が担ってきた仕事の極めて多
くが、AIによって代替されていく。我々は、AIで代替できない
能力を身につけ、磨いていかなければ「AI失業」してしまう。
急激な技術革新の嵐により、これまでもいくつもの職業や産業が淘
汰され、消滅してきた。だが、消滅した職業の人々には「持つべき
時に、持つべき危機感を持たない」という共通の特徴があった。
反対に「持つべきときに、持つべき危機感を持てる」ということは、
その人材の「優秀さ」の証であると言える。「自分の仕事は不要に
なる」との危機感を持つ人こそが、これから活躍できるのだ。
【4】
知的労働の現場で求められる能力は、次の「5つの能力」だ。すな
わち「基礎的能力」「学歴的能力」「職業的能力」「対人的能力」
「組織的能力」の5つだ。
これからの時代、これらの能力のうち「基礎的能力」と「学歴的能
力」は、AIが圧倒的な強みを持つ。この能力で行う仕事は急速に
AIが人間を代替するようになるはずだ。
さらに「職業的能力」の柱である「直観的判断力」でさえも、かな
りの部分を、AIが人間の代わりに仕事をするようになっていくは
ずだ。そして、ひとたび競争になれば人間はAIに絶対かなわない。
企業は、人間を代替するAIが市場に出た瞬間に「能力」的にも、
「コスト」的にも合理的だと判断すれば、AI導入に向かうはずだ。
そうなれば、多くの人材が仕事を失う。
「企業が社員をAIに代替されない高度な能力を持つ人材に再教育
してくれる」などと期待するべきではない。社員を解雇せず、教育
のコストを投入するような企業はコスト競争で敗れ去るからだ。
こうした資本の論理を直視すれば、自分をAIに代替されない「高
度な能力を持つ人材」へと再教育できるのは、自分自身しかいない。
その覚悟を定めるべきなのだ。
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■■選書コメント
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●今週の選書について
能力開発の本です。これから本格的に到来するAI時代になっても
活躍する人材になるために必要な能力を教え、その鍛え方を解説し
てくれます。
AIの開発と普及が急速に進んでいます。特に、高度な仕事がAI
に置き換わり、知的職業の半分が失業する時代が来るそうです。深
刻な「AI失業」の危機が迫っているのです。
本書は、その危機にいかに備えるかを教えてくれます。そしてAI
に淘汰されない能力、すなわち職業的能力、対人的能力、組織的能
力の「3つの能力」を身につけ、磨く方法を解説します。
「AI革命」の技術が急速に開発され、あらゆる分野で急速に「A
I革命」の嵐が到来します。その結果、学歴社会は崩壊し、知的職
業の半分が失業する時代が来ると著者は言います。
ところが、多くの人は「自分は大丈夫だろう」と楽観論に流されて
います。その傾向は、特に学歴社会の勝者である高学歴の人材に多
いようです。
本書は、そんな認識に警鐘を鳴らし、新たな能力開発の必要性を説
きます。さらにその「対処法」を紹介し、これから求められる能力
の身につけ方を教えます。
暗くなりがちなテーマですが、語り口は明快でわかりやすく、終始
働く人の立場で進められます。結論も、この手の本にありがちな絶
望でなく、明るい展望で締めくくられています。
「AI失業」に危機感を覚え、それに備えたいと考えながら、具体
的な対処法がわからない人、特に次世代を担う若いビジネスパーソ
ンにお勧めします。
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