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2019/05/24
最高の成果を生み出す ビジネススキル・プリンシプル
ビジネススキルの原理原則とは?
段取りのよい先輩に、仕事の生産性を相談すると「優先順位をつけなさい」とアドバイスされる。だが、大半のビジネスパーソンは、優先順位を正しくつけずに仕事をしている。正しい優先順位をつけることができれば、仕事の生産性は少しは向上する。だが、優先順位をつけるだけで生産性が大きく向上することはない...
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■今週の選書
■最高の成果を生み出す ビジネススキル・プリンシプル
■中尾隆一郎
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ビジネススキルの原理原則とは?
【1】
段取りのよい先輩に、仕事の生産性を相談すると「優先順位をつけ
なさい」とアドバイスされる。だが、大半のビジネスパーソンは、
優先順位を正しくつけずに仕事をしている。
正しい優先順位をつけることができれば、仕事の生産性は少しは向
上する。だが、優先順位をつけるだけで生産性が大きく向上するこ
とはない。
なぜなら、優先順位を決めるだけでは、優先順位の低い仕事も結局
は「やる」ことになり、時間を使ってしまうからだ。結局、同じこ
とになり、生産性はまったく上がらないのだ。
生産性を上げるには、正しく優先順位を決めることに加えて「やら
ないこと」を決めることだ。そうすれば「やらない仕事にかかる時
間」を他の「優先順位の高い仕事」に振り向けることができる。
【2】
選択肢のないことに悩まないことだ。たとえば、目的も正確に理解
した上で、その目的を達成する手段がA~C案の3つだとする。し
かもC案以外は、全ての条件を満たしていないとする。
その場合は、それ以上悩むべきではない。選択肢がないのだから、
C案を実行するのみだ。それでも悩みたくなるなら、その案件に、
十分な知見がある人に相談をしてみることだ。
ビジネスパーソンとしての経験が浅い場合、選択肢を考える段階で
モレがあることはよくあることだ。A~C案以外の選択肢を提示さ
れるかもしれない。その案は、自分だけでは簡単には見つからない。
悩んでも仕方がないことに思い悩むべきではない。まずは行動を起
こしてみることだ。それだけでも生産性は向上するはずだ。投下時
間が減れば、その分効率は上がるからだ。
【3】
プレゼン力が劇的に向上するポイントがある。「TCME」チェッ
クだ。Tはターゲットで「誰に」、Cはコンテンツで「何を」、M
はメディアで「どんなメディアで」、Eは表現で「どのように」だ。
つまり、今回のプレゼンで「誰に、何を、どんなメディアを使って、
どのように伝えるのか?」の4つを、資料作成前と後の2回チェッ
クするのだ。
当たり前のようだが、この点を設定確認せずに準備する人が多い。
プレゼンがうまい人、資料作りがうまい人は、意識的・無意識的に
TCMEと同様のチェックをしているはずだ。
【4】
ます「ターゲット」だ。プレゼンの目的は「ターゲットに期待する
アクションをしてもらうこと」だ。これを「態度変容」という。こ
のステップで、その「態度変容」をしてほしい人を明確にするのだ。
2つめの「コンテンツ」は、資料の目次のことを指す言葉だ。「伝
えたい中味」つまり「何を伝えたいのか」だ。これはターゲットに
「態度変容」して欲しい内容から逆算して作成する。
かといってコンテンツをいたずらに増やすのはダメだ。態度変容し
てもらうポイントは、数行もしくは箇条書きで説明できる必要があ
るからだ。
3つめは「メディア」だ。ターゲットに伝える方法のことだ。ここ
では、ターゲットがよく使う、慣れ親しんでいる組み合わせで伝え
ることが重要だ。
たとえば、紙メディアは徐々に廃れている。だが、いまだに主婦に
はチラシが有効といわれている。一方、情報感度の高い人たちは、
資料なしで口頭のみで説明することも好まれつつある。
最後の「表現」も重要だ。ターゲットの人たちが慣れ親しんだ用語
や言葉を使うことが大切だ。共通点を見つけると話を聞きたくなる
のが人の常だからだ。
プレゼンは、決裁者に直接説明できる。そのため、つい細部まで説
明したくなる。だが、決裁者からすれば、短くて決裁ポイントが明
確なほうがありがたいのだ。
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■■選書コメント
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●今週の選書について
仕事術の本です。プレゼン力、クロージング力、ヒヤリング力など、
仕事のレベルを格段に向上させる現場仕込みのビジネススキルを、
網羅的に78個紹介してくれます。
著者は、仕事の成果は最も弱いスキルに影響されるため、様々なス
キルが一定レベル必要だと言います。変化が大きく、業務が複雑化
する現代はなおさらです。
ところが、そうした内容を一冊にまとめた本は意外とありませんで
した。本書は、それを目指して書かれています。あらゆるレベルの
ビジネスパーソンが身につけたいスキルの集大成です。
著者は、リクルートに29年間勤め、業績拡大に貢献した方です。自
らのチームメンバー、プロジェクトのスタッフにこれまでひたすら
伝授し、実践し、磨き続けてきたそうです。
本書の情報源は2つあるそうで、一つはご自身が書いた過去の著作、
もう一つは、様々なリーダーの仕事ぶりとご自身の経験から学んだ
ものをまとめたものということです。
いわば、現場仕込みのスキルです。それを、生産性向上、思考法、
判断法、習慣、本質の掴み方、マネジメント、物の見方に分類して
紹介しています。
300ページの分厚い本で、著書と言うより辞典のようです。その分、
各項が独立しており、パラパラ眺めて、興味を持ったページから読
むこともできます。巻末には、厳選名著17選も掲載されています。
これから仕事を始める人、今ひとつ仕事のやり方がわからない人、
もっと改善したいと考える人など、あらゆるレベルのビジネスパー
ソンが必携すべき本だと思います。
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