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2019/06/21
人に頼む技術

人に頼む技術

なぜ、頼みごとは難しいのか
 
人は、誰かに何かを頼む時「嫌だな」と感じるものだ。「道を尋ねる」とか「アンケートに記入してもらう」といった些細なことでも、不安や恐怖を感じるのが普通だ。人は、頼みごとをする時、そのことで自分のステータスが下がると感じるのだ。自分の知識や能力不足からくる場合はなおさらだ。馬鹿にされたり、軽蔑されたりするかもしれないと不安になるからだ...


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■今週の選書
■人に頼む技術
■ハイディ・グラント
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なぜ、頼みごとは難しいのか
 
【1】
 
人は、誰かに何かを頼む時「嫌だな」と感じるものだ。「道を尋ね
る」とか「アンケートに記入してもらう」といった些細なことでも、
不安や恐怖を感じるのが普通だ。
 
人は、頼みごとをする時、そのことで自分のステータスが下がると
感じるのだ。自分の知識や能力不足からくる場合はなおさらだ。馬
鹿にされたり、軽蔑されたりするかもしれないと不安になるからだ。
 
また、相手がどんな反応を示すかわからない。そのため、確実性の
感覚も下がる。さらに、その時の相手の反応を受け入れざるを得な
い。そのため、自律性の感覚も低下する。
 
相手に「ノー」と言われれば、自分を拒絶されたと感じるものだ。
そのため、関連性への脅威も生じる。「ノー」と言われた時、相手
との関係に特別な公平性を感じることはまずないはずだ。
 
だから、人は人に助けを求めることを疫病のように避けようとする
のだ。むしろ「助けを求めるくらいなら、疫病にかかるほうがまし
だ」とさえ思うかもしれないのだ。
 
【2】
 
助けを求める人は、相手が助けてくれる可能性を過小評価している
ものだ。実際は、自分が思っている以上に、相手は誰かを助けたい
と思っているものだ。
 
頼む側が、成功の見込みを低く見積るのは、視点の置き方が原因だ。
一般に、頼み事がうまくいくか考える時、それが頼まれた側にとっ
てどれほど不便で、煩わしいかに意識を向けがちだ。
 
相手が「面倒だと感じるだろう」と思えば思うほど、成功の見込み
は薄いと考える。これは論理的な考えのようだ。しかし、重要な点
を見逃している。
 
【3】
 
それは、頼まれた側が、断る際に感じる負荷だ。自分が断った時の
ことを思い出せば分かる通り、頼まれたほうもプレッシャーを感じ
ているものなのだ。
 
人は「良い人でありたい」と思いながら生きている。そして、良い
人とは、親切な人のことだ。頼み事をされた人には「イエス」と言
わねばという、プレッシャーがかかっているのだ。
 
このプレッシャーは、頼まれた側には顕著に感じられるが、頼んだ
側には感知しにくいものだ。「ノー」と言えば「助けを求めてきた
人に手を差し伸べない自分は、悪い人間だ」という感じるのだ。
 
リクエストを二度続けて断ることは気まずいものだ。それに、断る
理由も、一度目とは違う理由を用意しなければならない。それが見
つけられないまま断れば、強い罪悪感に苛まれてしまう。
 
つまり最初の依頼を断った人が、二度目には応じる可能性は、むし
ろ上がるのだ。一度「ノー」と言った人に別の機会に頼み事をすれ
ば、助けてくれる確率は、低くなるのでなく、高くなるのだ。
 
【4】
 
では、最初の依頼に「イエス」と答えた人に二度目の依頼をすると
どうなるか。すでに一度助けているのだから、次は助けてくれる確
率が低くなるかと言えば、そんなことはない。
 
一度目を断った人が、二度目は応えてくれやすくなるのと同じよう
に、一度目に応えてくれた人も、二度目の依頼に応えてくれやすく
なる。それは「認知的不協和」のおかげだ。
 
人には、一貫性が必要なのだ。考えが一貫していること、その考え
と一致する行動をとることを好むのだ。物事や人物に対する考えが、
一貫性を欠くと、一種の心理的な苦痛が引き起こされるのだ。
 
これは"厄介な不快感"や"何かが間違っているという感覚"など
と表現される。この不協和を解決して、不快感を取り除く唯一の方
法は、矛盾する考えのどちらか一つを変更することだ。
 
過去に助けた相手を、今度は助けないことは矛盾だ。そうすると認
知的不調和の不快な緊張感が生じる。それを避けるために、人は、
二度目の依頼に対しても、できるだけ応えようとするものなのだ。
 
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■■選書コメント
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●今週の選書について
 
コミュニケーションの本です。特に、誰もが苦手な「頼みごと」を、
簡単、しかも効果的に成功させる方法を解説する本です。仕事や日
常生活に広く役立ちます。
 
「助けてほしい」「手伝ってください」という一言は、なかなか言
えないものですね。なぜなのか?その理由を解明した上で、具体的
にどうすれば頼めるようになるのかをわかりやすく教えてくれます。
 
よくある著者の経験則ではありません。最新のモチベーション理論
がベースです。著者はコロンビア大学の心理学博士で、世界的ベス
トセラー『やってのける』の著者です。
 
本書では、人が頼みごとをしにくい理由を「頼みたい人」と「頼ま
れる人」の心理から解説します。その上で、効果的な頼み方やダメ
な頼み方を、実験例を用いて解説します。
 
構成は3部に分かれています。まず頼み事が難しい理由を解説しま
す。「頼みごとがなぜ気まずいのか」「頼んでも断られるだろうと
思ってしまうのはなぜか」心理を解明します。
 
それ受け、第2部では、より実践的に、良い頼み方、ダメな頼み方
を紹介します。また、頼みごとが抱える矛盾から、頼むためのス
テップ、やってはいけない頼み方などを紹介します。
 
最後に、人を動かす3つの力を紹介します。具体的には「仲間意識
を活用する」「自尊心を刺激する」「有効性を感じさせる」の3つ
です。まさに心理学者の真骨頂で、頼み事を超えて役立つ内容です。
 
本読で学べば、頼みごとが楽になり、仕事が楽しくなります。依頼
が苦手な人、よく頼まれる人におすすめです。気持ちよく、上手に
頼る人になれる実践的な一冊といえます。
 
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2019

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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