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2019/11/08
ヤバい集中力
ヤバい集中力
集中力は不可欠な能力だ。気を散らさず大事な作業だけに取り組めば、確実に大きな成果を上げられる。仕事も勉強もさっさとこなし、空いた時間で好きな趣味に回すこともできる。事実、近年「集中力が人生の成功を左右する」との研究データが増
えている。集中力が高い人は収入が高く、健康で、幸福に暮らせる傾向が高いのだ。集中力こそ、現代における最重要スキルなのだ...
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■今週の選書
■ヤバい集中力
■鈴木 祐
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■■選書サマリー
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ヤバい集中力
【1】
集中力は不可欠な能力だ。気を散らさず大事な作業だけに取り組め
ば、確実に大きな成果を上げられる。仕事も勉強もさっさとこなし、
空いた時間で好きな趣味に回すこともできる。
事実、近年「集中力が人生の成功を左右する」との研究データが増
えている。集中力が高い人は収入が高く、健康で、幸福に暮らせる
傾向が高いのだ。集中力こそ、現代における最重要スキルなのだ。
まず「集中力」という得体の知れない能力の正体を見極めることだ。
これができなければ、パワーを使いこなすことはできない。数学の
公式を覚えても、理解していなければ応用が利かないのと同じだ。
仕事の先延ばし癖があっても、原因は怠け者だからでも、才能がな
いからでもない。人間の心のメカニズムを理解していないだけだ。
どんな人の中にも「ヤバい集中力」は眠っているのだ。
【2】
集中力は遺伝で決まる部分もある。ただし、それは、あくまでも全
体の半分だ。残りの半分は、後からでも修正が効く要素で構成され
ている。その要素を、ここでは「獣と調教師」と呼ぶ。これは、正
しくは「前頭前皮質」と「辺縁系」と呼ばれるエリアだ。獣は「衝
動」や「辺縁系」に当たり、調教師は「理性」と「前頭前皮質」に
相当する。
「前頭前皮質」は、進化の過程では、後のほうで誕生したシステム
だ。複雑な計算や問題解決が得意だ。一方「辺縁系」は初期段階に
できた。食事やセックスなど本能的欲望をコントロールしている。
たとえば「仕事をすべきだが酒を飲みに行きたい」と悩んでいる時、
「仕事をしよう」と主張するのが「前頭前皮質」だ。「辺縁系」は
ひたすら「酒だ!」と駄々をこね続ける。
両者は、脳内で絶えず主張をぶつけ合い、肉体の支配権をめぐって
常に戦いを繰り広げている。本能のまま好きに動く獣を、調教師が
どうにか操ろうとする、そんなイメージだ。
【3】
「獣」は、大きく3つの特性を持つ。まず、難しいものを嫌い、具
体的でわかりやすい対象を好むということだ。また、あらゆる刺激
に反応する。そしてパワーが強い。
「調教師」のほうは「獣」と合わせ鏡の特性を持つ。論理性を武器
に使い、激しく暴れる獣に合理的な思考で立ち向かう。一方でエネ
ルギー消費量が多く、パワーは弱い。
以上から、集中力アップを図るうえで重要な3つの教訓が得られる。
まず、肝に銘じておくべきことは「調教師が獣に勝つことは不可能
だ」ということだ。
この教訓からは、必然的に次の教訓が導き出される。それは「集中
が得意な人など、この世に存在しない」ということだ。真っ向勝負
で勝ち目がなくても、弱者には弱者なりの戦い方があるのだ。
「調教師」の武器は合理性だ。これを活かして、時には「獣」をな
だめすかして味方につける。時には、計略をめぐらせて「獣」のス
キをつく、そんな戦い方をするのだ。
【4】
「獣」を正しく導くことができれば、莫大なパワーが得られる。こ
の強大なパワーこそが、原始の世界で人類を危険から救い、必要な
カロリーを手に入れるモチベーションを与え、繁栄をもたらした。
問題は、そんな「獣」のパワーが、情報が激増する現代社会で機能
不全を起こしていることだ。現代が生んだ強烈な刺激の数々は、い
ずれも獣の激しい反応を引き出し、集中力を崩壊させる。
となれば、できることはただひとつだ。正しい「獣」とのつきあい
方を身につけることだ。そして、パワーをうまく引き出すのだ。「獣」
と真っ向勝負は諦め、その力を有効に使う方法を探るのだ。
「調教師」が誘導の道筋さえ作っておけば「獣」のパワーは、狙っ
た方向に導くことが出来る。特に、情報量が激増する社会では、集
中力は、最も重要な資産になりえるのだ。
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■■選書コメント
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●今週の選書について
集中力を発揮する本です。情報社会の現代で最強の資産は集中力で
あるとして、その鍛え方を教えます。気合や精神力ではありません。
科学的根拠に基づき、メカニズムを解明しながらアプローチします。
本書では、人間の脳には主に2つの力があるとします。すなわち、
本能に基づく「獣」と理性に基づく「調教師」です。これらを上手
に操ることで、超スピードの「はかどり」が手に入ると言います。
読めば、人の心の仕組みがわかり、正しく運用できるようになりま
す。結果、脳がコントロールできるようになります。トラブルが起
きても、高レベルで集中力が維持できるようになります。
集中力の維持は困難です。仕事や勉強に手がつかず、先延ばしにし
てしまった経験は、私を含めて誰にでもあるはずです。その時は、
意思の弱さに落ち込み、自信を喪失するものです。
著者は、先延ばしの原因は怠け者だからでなく、心のメカニズムを
知らないからだといいます。誰もが「集中力」を持っており、大事
なことはその活かし方だといいます。本書は、その方法を教えます。
最大の特徴は、科学的であることです。あおり系のタイトルに反し
て、内容は科学的です。参考文献も半端な数ではありません。サイ
エンスライターである著者の真骨頂と言えます。
ライフハックも充実しています。缶コーヒーの上手な摂取方法や、
朝イチに着手すべきタスクなど、集中力を加速させるテクニックが
エビデンス付きで45個も紹介されています。
やるべきことに取りかかれない人や、始めても、すぐ誘惑に負けて
しまう人、疲れやすく集中が続かないという人など、もっと力を発
揮したいビジネスパーソンに広くおすすめします。
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