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2020/01/24
得する、徳。
信用社会の到来
まさに今「徳」が問われている。そして、歴史を振り返ればわかる。「徳」はいつか、忘れた頃に「得」になるのだ。人類は、そうやって生きてきたのだ。目先の利益だけに飛びつくヤツは、いずれ淘汰されるものだ。長期的に考えれば、目先の損得の収支で判断することが賢明とは決して言えない。徳をうまく積むことは幸せにつながるのだ...
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■今週の選書
■得する、徳。
■栗下直也
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■■選書サマリー
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信用社会の到来
【1】
まさに今「徳」が問われている。そして、歴史を振り返ればわかる。
「徳」はいつか、忘れた頃に「得」になるのだ。人類は、そうやっ
て生きてきたのだ。
目先の利益だけに飛びつくヤツは、いずれ淘汰されるものだ。長期
的に考えれば、目先の損得の収支で判断することが賢明とは決して
言えない。徳をうまく積むことは幸せにつながるのだ。
では「いい人」になればいいのか。その前に、そもそも「いい人」
とはどんな人か。ざっくり言えば、物理的にも、精神的にも、利益
をもたらす人のことだ。
困っている時に手を差し伸べてくれたり、相手の成長を考えて、時
には厳しく叱ってくれる人も当てはまる。つまり、その場で自分の
損得を考えずに「与える人」のことだ。
そして、今そうした「与える人」こそが、これからの社会をサバイ
ブする上で、ふさわしいモデルだという指摘が目立ちはじめている。
他人に優しくすれば、巡り巡って自分のところに戻ってくるのだ。
【2】
この人生訓は、特に日本人には馴染みが深い。「人助けは報われる」
という概念は昔から存在した。それが、今、再び注目されているの
だ。背景には、いくつかの原因が挙げられる。
まず、グローバル化が進んでも、結局、成功には利他的精神が大事
だと再認識されたからだ。これを明らかにしたのがアダム・グラン
トの『GIVE&TAKE』という本だ。
グローバリズムの権化のような米国では、特にビジネスの社会にお
いて、効率性が重視され、手段を選ばずライバルを蹴落とす人間が
ひしめき合っている印象があるはずだ。
しかし、同書は「成功ピラミッドの最上位を占めるのは、自分の利
益を優先せず、惜しみなく人に与える人間だ」と示した。全米はひ
っくり返ったが、日本人からすれば「やっぱりね」という感じだ。
【3】
ホリエモンは「信用こそビジネスや仕事を進める上で重要だ」とあ
らゆる書籍で強調している。彼は「カネよりも信用が大事だ。信用
のためにカネを使うべきだ。信用があれば生きていける」と語る。
信用を築くには、堀江氏いわく人間関係の断捨離だ。好き嫌いをは
っきりさせる人は信用されると経験談を語る。皆に気に入られよう
とすると、結果的に誰からも好かれず、信用もされないのだ。
もう1つは「与える気持ち」だ。信用を得るためには、相手と「ギ
ブ&テイク」という関係性を築くのではない。「ギブ&ギブ」おま
けに「ギブ」くらいの気構えが必要なのだ。
【4】
徳の高い知人は「来た球はすべて振ればいい」と言っていた。物理
的に無理なら仕方ないが、頼まれれば、1回は「やってみる」こと
だ。やってみて無理になったら止めればいい。
やらないことで逃すチャンスは大きい。特に、ビジネスでは当ては
まる。なんでも断る相手より、気持ちよく頼れる相手と仕事をした
いと誰しも思うはずだ。
個人がお金の代わりになる信用を創る「信用主義経済」に向けた動
きは既に起きている。いざという時、金に頼らず生きていける人同
士のネットワークが築ければ、タダ同然で生きていける。
「与える」ことは重要で、与える行為は組織にとってプラスだが、
個人レベルでは、しんどい思いをしながら与え続けていると、その
人自身が疲弊し、生産性も下がってしまう。
その場合も、そうならずに「与え続ける人」になるには、次の点に
注意すべきだ。まず、何もかもは引き受けないことだ。そして、犠
牲を払っていると思うなら断る。
また、無理に「いい人」を目指すべきでない。さらに、行為でなく
関係性を強調することだ。最後に、利己的すぎる人間は必ず存在す
るから距離を置くべきだ。
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■■選書コメント
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●今週の選書について
働き方や生き方を考える本です。人に与えたり、人助けをすること
で、やがて成功者になれると説きます。もちろん、単なるお人好し
でなく、成功者になるための正しい徳の積み方がわかります。
昔から「ビジネスには信用が大事」と言われてきました、昨今は、
「信用さえあれば生きていける」とまで言われます。そうはいって
も、やはりきれいごとと思われるかもしれません。
しかし、歴史をひも解けば、名経営者ほど徳を積んで成功していま
す。どうすれば正しく徳が積むことができるのか、多くの財界人を
取材してきた経済記者が教えてくれます。
「信用がお金に代わる」と言われても、戸惑うのが普通です。そこ
で、たとえば「信用」を「徳」に置き換えてみます。すると歴史に
先人のお手本が溢れていることに気づかされます。
本書は「お金よりも信用を積め」「テイクを考えずギブせよ」と主
張します。まるで怪しい宗教団体のようで胡散臭いと思うかもしれ
ませんが、読めば「徳がやがて得になる」ことがわかるはずです。
まず、徳が重視されつつある現状と、徳の積み方を説明します。次
いで偉人たちの足跡をたどりながら、彼らの徳を現代社会に活かす
方法を解説してくれます。
さらに、徳とは無縁でいられなくなった会社を考えます。「金にな
らないことはやりたくない」とか「そんな余裕はない」という人も、
「徳」を積むべき理由が分かるはずです。
会社を経営する経営者や幹部社員、そういう人たちを顧客に持つ仕
事をしている人は必読です。さらに、信用がお金に勝るといわれる
時代をどう生きればいいかわからない人にもおすすめです。
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『まぐまぐ大賞2019』(ビジネス部門)第3位選出されました
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