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2020/04/10
「数字」のコツ
数字の法則
ビジネスの現場では、新聞やテレビで見聞きするニュースの概略を把握しておくことが大事だ。さらに、職種によって様々なデータを大まかにつかむことが求められる。企画書作成やプレゼンを行わなければならない場合もある。その時、必要なことは、数字を把握し、使いこなす技術だ。数字のコツさえつかんでおけば、誰でもスムーズに仕事を進められるようになる...
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■今週の選書
■「数字」のコツ
■山本峻平
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■■選書サマリー
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数字の法則
【1】
ビジネスの現場では、新聞やテレビで見聞きするニュースの概略を
把握しておくことが大事だ。さらに、職種によって様々なデータを
大まかにつかむことが求められる。
企画書作成やプレゼンを行わなければならない場合もある。その時、
必要なことは、数字を把握し、使いこなす技術だ。数字のコツさえ
つかんでおけば、誰でもスムーズに仕事を進められるようになる。
経理や投資業務など、数字をメインに扱う人でなければ、現場では、
細かな数字を覚えたり、数字の方程式を駆使したりする必要はない。
だいたいの数字を頭の中に入れ、仕事の判断に活かせばいい。
重要なことは、細かい数字ではない。上司、同僚、取引先の言って
いる数字が、だいたいわかれば十分だ。そして、わかりやすく相手
に伝えられることが大切だ。
たとえば、数字を最長でも3秒で言える範囲にまとめておくことだ。
数字とは、物事をきちんと定義し、お互いの共通認識を持つために
使うものだからだ。
【2】
数字の法則を、頭に入れておくことで得られるメリットは2つある。
まず、思考のスピードが速くなる。ビジネスの現場では、様々な判
断が求められる。時には瞬時に指示を出さなければならない。
そんな時、数字の法則を頭に入れておけば、法則の数字から仮説を
スタートさせることができる。この法則が頭になければ、ゼロから
情報収集をしなければならず、数倍の時間と労力がかかってしまう。
2つ目は、発言に説得力が加わることだ。細かな数字を3秒で言え
ることは、周囲から一目置かれる存在になる方法の1つだ。また、
「ちゃんと勉強しているなあ」と思われるポイントでもある。
【3】
重要なことは「基準の数字」だ。たとえば、ビジネスでは大切な、
取引先や同僚との雑談の際にも、ビジネスパーソンとして知ってお
いたほうがいい「基準の数字」がある。
まず、世界各国のGDP、いわゆる国内総生産だ。一定の期間内に国
内で産み出された付加価値の総額のことだ。細かな数字を覚える必
要はない。
たとえば、日本の名目GDPは約500兆円、アメリカは日本の約4倍、
中国は約3倍だ。毎年のGDPを調べておけば、成長性があるかどう
かが判断ができる。海外進出を検討する際にも使えるはずだ。
2つ目は、世界各国の国土面積だ。日本の面積は、約37万8000平
方キロメートルだ。世界一広いといわれるロシアは約1700万平方キ
ロメートルで、日本の約45倍の大きさがある。
国土面積ランキングでは、日本は194カ国中61位だ。真ん中より、
上位に位置する。島国に限れば、本州は約23万平方キロメートルだ。
世界第7位の大きさになる。
日本は、近隣に中国やロシアなど大きな国がある。そのため「小さ
い」と認識しがちだ。しかし、このデータを見れば、日本は決して
小さな島国ではないことがわかるはずだ。
【4】
3つ目は、日本経済の地域格差だ。「県民経済計算」という指標が
ある。各都道府県当たり、どれだけ稼いでいるかを示す指標と言い
換えることができる。
平成28年度は、東京都が約105兆円で全国1位だ。最下位は鳥取県
で約1・9兆円、その差は約55倍ある。大阪府と愛知県は約40兆円
だ。東京・名古屋・大阪を3大都市と言うが、実際は東京1強だ。
この県民経済計算は、県民所得と関連がある。稼ぎたければ、県民
経済生産の高い地域で働くほうが効率的だ。このように、数字で見
ることで、東京の一極集中と地方の弱体化が鮮明になるはずだ。
この傾向は今後も広がっていくはずだ。ところが、政府は最低賃金
を全国平均1,000円に引き上げようとしている。県ごとの生産性が
異なるのに無理な話だということがわかるはずだ。
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■■選書コメント
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仕事に活かす「数字」の本です。商談、会議、雑談など、日々の仕
事に出てくる数字を正しく把握し、的確に扱うコツと法則を学ぶこ
とができます。
著者は、数字が大の苦手だったにもかかわらず、コンサルタントと
して人事制度の構築や教育研修、企業の経営支援にかかわる中で数
字に触れ、コツや法則を習得したそうです。
本書が教えるのは、著者が自身の経験の中で身につけた「数字をざ
っくり捉えるコツ」です。ざっくりですが、大いに力を発揮するこ
とが体感できるはずです。社会人なら知きたい基本です。
ビジネスは数字の世界です。しかし、勘所を知らなければ、数字と
要領よく付き合うことはできません。数字の理解はざっくりし過ぎ
ても、細か過ぎてもいけません。塩梅が難しいのが、数字なのです。
ただし、勘どころさえわかれば、強力な武器になります。本書を読
めば、仕事はもちろん、ニュースや新聞で触れる数字の捉え方や活
かし方が飛躍的に向上するはずです。
本書では、まず覚えるべき数字を学びます。次いで、キーにすべき
数字やつながりを教えます。最後に、マーケティングや人事、会議
など、ビジネスの分野ごとに数字の法則を学びます。
数字がわかれば、ビジネスの本質が見えてきます。また、思考が論
理的になり、正しい判断が素早くできるようになります。さらに、
話に説得力が増し、周囲の評価が上がるはずです。
話が抽象的・主観的だと言われる人、反対に細かい数字にこだわる
あまり大局を見ることが苦手な人など、普段の仕事で数字を使いこ
なせていない人、もっとうまく使いたい人におすすめします。
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『まぐまぐ大賞2019』(ビジネス部門)第3位選出されました
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