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2020/04/17
運を加速させる習慣
運を加速させるには?
人種も性別も関係なく、とにかく強いプレーヤーが勝つ。それが、バックギャモンの世界だ。ただし、囲碁や将棋と異なり、最善を尽くしても、どうにもならない要素が勝敗を大きく左右する。それは、競技で使う2つのサイコロが関係している。どんなに強いプレーヤーであっても、サイコロの出目を操ることはできない。運を天に任せて、2つのサイコロを振るしかない...
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■今週の選書
■運を加速させる習慣
■矢澤亜希子
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■■選書サマリー
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運を加速させるには?
【1】
人種も性別も関係なく、とにかく強いプレーヤーが勝つ。それが、
バックギャモンの世界だ。ただし、囲碁や将棋と異なり、最善を尽
くしても、どうにもならない要素が勝敗を大きく左右する。
それは、競技で使う2つのサイコロが関係している。どんなに強い
プレーヤーであっても、サイコロの出目を操ることはできない。運
を天に任せて、2つのサイコロを振るしかない。
つまり、才能や努力ではどうにもならない不確定要素である「運」
という領域が勝敗を左右するゲームなのだ。だが、それは偶然に身
をゆだねることではない。運とは、自分で創るものなのだ。
【2】
バックギャモンでは、プロも初心者も、サイコロという確率の世界
では平等だ。しかし、両者が戦うと、プロが数々の幸運に恵まれて
毎回勝ってしまうように見える。
それは、プロがどんな目が出てもいいように準備しているからだ。
強いプレーヤーは、どんな目が出ても対応できるように駒を配置す
る。先々の局面で自分が有利になるように考えて駒を動かすのだ。
逆に、弱いプレーヤーほど、先々の可能性を自ら狭める手を打つ。
彼らは現在の局面を良くすることで手一杯で、先々への目配りがで
きていないのだ。
私たちは、自分に望ましいことが起きると「運がいい」と感じる。
であれば、できるかぎり自分に「望ましい」と思える状況を作りだ
せばいいのだ。
そのためには、先々の展開を想定しておくことだ。そして、できる
だけ自分が有利になる可能性を広げておくのだ。そうした準備さえ
できていれば「ツイてないな」と嘆く可能性が減るのだ。
【3】
テレビで野球やサッカーの試合を見ていると、実況や解説の中で「流
れ」という言葉がよく出てくる。だが、勝利の女神が、どちらか一
方から運を移し替えるようなことはない。
突然起きた思いがけない出来事も、実は小さな積み重ねだ。流れの
ように感じられても、それは自分が作り出した幻想だ。流れで片づ
けているうちは目の前の運に気づかず、運をつかむことはできない。
自分にとって望ましくない展開が続いたら、やるべきことは自分が
打ってきた手が本当に最善手だったかを冷静に検証することだ。そ
して、どこかの段階で判断ミスを修正することだ。
検証してもミスが見つからなかったら、そのまま最善手を打ち続け
る努力をするべきだ。自分には何の落ち度もないのに、事態がよく
ない方向へ向かうことはあるものだ。
そういう時は、慌てず辛抱して、とにかくベストを尽くすことだ。
「流れが悪い」と思い込んで、気持ちが沈んだり、事態を打開しよ
うとして無理をすると、ますます敗色が濃くなるだけだ。
【4】
幸運の女神には前髪しかないという。チャンスをつかむ人と逃す人
の差は、チャンスの到来に気づく「感度」と、俊敏な「行動力」だ。
さらに、それらに「準備」もつけ加えたいところだ。
バックギャモンには「バックゲーム」という戦略がある。バックギ
ャモンは、駒を先にゴールさせたほうが勝つゲームなので、ゴール
までの距離が進んでいるほうが有利だ。
だが、距離で大きく遅れている場合は、あえて前に進まず、敵陣で
相手の駒を振り出しに戻すチャンスを待つことだ。これがバックゲ
ームだ。距離で大きく遅れている側にとり、唯一の逆転チャンスだ。
この時大事なことは、ただチャンスを持つだけでは逆転できないと
いうことだ。チャンスが来た時に勝てるように、自陣に最強の陣を
作りながら勝つための準備をするのだ。
準備だけ整えて、あとはチャンスの瞬間を持つことができる人が強
い人だ。努力が必ず報われるとは限らない。だが、努力なしには何
も得られない。チャンスをつかむ人とは、そういう人のことだ。
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■■選書コメント
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「運の創り方」です。スポーツやビジネスなど、すべての分野にお
いて、才能や努力ではどうにもならない「運」という要素に左右さ
れることがあるものです。
かといって、運を天に任せて、偶然に身を委ねているだけでは、道
は開けません。運という不確定な要素の存在を認めた上で、それを
味方につける工夫が必要なのです。その方法が書いてあります。
著者は、日本人初、女性初のバックギャモン2度目の世界チャンピ
オンです。そんな著者が「運は自分で創るもの」という信念のもと、
自らの経験を通して得た「勝負の本質」を教えてくれます。
タイトルを見た時、最初は「こうすれば運が良くなる」的なスピリ
チュアルな内容をイメージしてしまいました。しかし、読んでみる
とまったく違いました。
真剣勝負の世界で生きてきた著者が、自ら経験し、培ったことを踏
まえ、読者が日常生活で役立てられそうなエッセンスを抽出し、ま
とめています。
たとえば「感情的判断は間違える」「短所は伸びしろ」「疑うこと
が学び」「欲こそがモチベーション」などです。これらの言葉が、
運を呼ぶ思考や習慣として紹介されます。
読めば、誰もが勇気をもらえる言葉に出会えるはずです。そして、
運を引きつけ、利用することができるようになるはずです。結果的
に、成功を手にすることができるようになるはずです。
スポーツやビジネスの勝負勘を鍛えたい人はもちろん「自分はいま
いちツイいてない」と思う人、「もっと運を良くしたい」と考える
人などにおすすめします。
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『まぐまぐ大賞2019』(ビジネス部門)第3位選出されました
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