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2020/05/22
世界最高の教室
成功するには、どう準備をするべきか
社会で成功するためには「どこを目指すべきか」を自分で決める「自己主導性」が必要だ。これは練習で身につくものだ。短期、中期、長期的ゴールを設定する練習をすればいいのだ。まず「目的意識に根ざしたゴール」設定を行うことだ。次いで「ゴールをどう達成するか」について計画を立てさせ、それを実行させる。このプロセスを経れば、子どもは学びを得ることができる...
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■今週の選書
■世界最高の教室
■ダイアン・タヴァナー
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■■選書サマリー
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成功するには、どう準備をするべきか
【1】
社会で成功するためには「どこを目指すべきか」を自分で決める「自
己主導性」が必要だ。これは練習で身につくものだ。短期、中期、
長期的ゴールを設定する練習をすればいいのだ。
まず「目的意識に根ざしたゴール」設定を行うことだ。次いで「ゴ
ールをどう達成するか」について計画を立てさせ、それを実行させ
る。このプロセスを経れば、子どもは学びを得ることができる。
その間、進捗をチェックし、自主的に行動できているか確認する。
時には、修正も必要だ。終わったら「何を学んだか」「何がうまく
いき、難しかったか。それはなぜか」を振り返る。これを反復する。
設定する目標は、具体的で測定可能、実現可能で現実的、また期限
があるものにするべきだ。子どもが自分でゴール設定し、達成に向
けた計画を立案できるようになるまでは、時間も練習も必要だ。
失敗は誰もが恐れる。だが、子どもは、失敗から学ぶことができる。
失敗した本人が何かを学び、再度挑戦したいと思うなら、失敗は生
産的なものといえる。
そして、たとえ学校でひとりでも、大人と有意義な関係を築くこと
ができれば、それができなかった子どもより、ずっといい結果を出
すものだ。子どもにとっては、大人との関わり方こそが重要なのだ。
【2】
成功するために必要な「生きる力」とは、成功の習慣、好奇心に駆
られた知識、普遍的スキル、確実な次のステップの4つだ。幼い頃
から、つながりとストレス管理、自己調整能力を健全に育むべきだ。
これがしっかりできれば、子どもは学校への準備段階に進む。そし
て自己を認識し、人間関係のスキルを身につけ、計画・ゴール設定
という実行機能が発達するようになる。
次に、自分や学校のことを考える習慣を身につけさせる。ここには、
成長マインドセット、自己効果、帰属意識、学校との関連性が含ま
れる。ここでも根気強さが大事になる。
子どもは自分と周囲の関連性を総合的に認識できる。だからこそ、
自ららやる気を発動し、難しいことをやり遂げるようになるのだ。
最初の段階で積み上がるのは、主導性、好奇心、そして目的意識だ。
この3つの習慣を、学校、職場、家庭、コミュニティーなど、あら
ゆる場面で、サポートを受けずに応用できるようにすることだ。こ
れができる子どもこそ「生きる準備が整った子ども」と言えるのだ。
【3】
子どもが知識を身につける上で、何より大事なことは好奇心だ。大
事なことは、主体性、好奇心、目的意識だ。思春期から大人に移行
する際、自分から学び、成長できるようにしていくべきだ。
学びは、好奇心からだ。何かを心から「知りたい」と思えば、自然
と答えを見つけようとするものだ。自分が興味を持ったことについ
ては質問するだろうし、そうでないことには無関心だ。
つまり、好奇心や興味を追求させれば、子どもは自分から、より多
くのことを学ぶのだ。より多くを学べば、学ぶことが得意になる。
そんな好循環を身に着けさせることが大事だ。
【4】
子どもは、より多くのことに触れて興味の対象を見つける。親はそ
こに気を配るべきだ。ただ、色々試すのは大変だ。子どもが気に入
らなければ、止めさせるか、無理に続けさせるかになってしまう。
どちらにしても気分はよくないはずだ。できれば、効率よく、かつ、
好奇心をあおり、自ら探索するように動機づける方法で体験に触れ
させたいものだ。
たとえば、本を選ぶ時、本を手に取って表紙や裏表紙を見て、すぐ
棚に戻すことがあるはずだ。その時、その本を読んだ人が良かった
点を話してくれれば再度手に取ることが多い。情報が増えたからだ。
本を試すのと、アクティビティを試すのとでは、負担が違うと思う
かもしれないが、より多くのものに触れ、本当に追求していきたい
ものを見つける点では、どちらも同じだ。参考にするべきだ。
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■■選書コメント
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教育の本です。全米が注目するユニークな教育機関サミット・プレ
パラトリー・チャーター・ハイスクールの著者が、その設立奮闘記
を通して、これからの教育を語ります。
この学校は、人生に必要な力が必ず身につく学校として、全米の教
育界やビジネス界から注目されています。かのビル・ゲイツも「こ
んな学校、見たことない」と激賞しています。
指導法はユニークです。たとえば教師でなくメンターが人生を教え
る、学習計画は生徒が作る、競争でなく協力する技術を身につける
などです。そんな新しい教育のメソッドを具体的に学びます。
著者は、子どもに生きる力を身に付けさせ、貧困から脱却させるた
めに教師になったそうです。しかし、その実現は現行の教育システ
ムでは難しいことを思い知ったそうです。
そこで、自ら理想の学校を作ることを決意します。そこでは従来型
の教育ではできなかった自己主導性、協力など、社会で成功するた
めの生きるスキルの習得を徹底して目指します。
本書では、その過程で確立したメソッドを紹介します。現行の教育
の問題点から、具体的教育方法やツールなどを紹介します。さらに、
最終章では、そのメソッドを家庭で実践する方法も教えます。
正直、学校設立の話は、あまり役立ちませんでした。また、アメリ
カの教育を想定しているため、日本ではそのまま使えません。それ
でも、著者の教育感やメソッドには大いに賛同できました。
教師はもちろん、親や部下がいる人など、人を育てる立場にあるす
べての人におすすめです。さらに自ら「成長したいと」考える大人
世代の人にも色々と役立つ内容だと思います。
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『まぐまぐ大賞2019』(ビジネス部門)第3位選ばれました
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2020
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