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2020/07/17
仕事に関する9つの嘘
会社の常識は、ウソだらけ
職場で「ホント」のこととして定着しれている考えや慣行の多くが、実際には、そこで働く人々を助けるどころか、彼らを激しくいらだたせ、疎んじられている。仕事の世界は、欠陥の多いシステムやプロセス、ツール、前提で満ちあふれている。そのせいで、日々の仕事で個性を発揮することができなくなっている...
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■今週の選書
■仕事に関する9つの嘘
■マーカス・バッキンガムほか
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■■選書サマリー
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会社の常識は、ウソだらけ
【1】
職場で「ホント」のこととして定着しれている考えや慣行の多くが、
実際には、そこで働く人々を助けるどころか、彼らを激しくいらだ
たせ、疎んじられている。
仕事の世界は、欠陥の多いシステムやプロセス、ツール、前提で満
ちあふれている。そのせいで、日々の仕事で個性を発揮することが
できなくなっている。
このことは、職場に関するデータで裏づけられてる。労働者のやる
気、すなわち「エンゲージメント」は世界中で低い。熱意を持って
仕事に取り組む労働者の割合は「20%」にも満たないのだ。
経済学者は、生産性が伸び悩むのは「かつて生産性を高める効果が
あった技術や戦略がことごとく実行に移されたからだ」という。い
ずれにしろ、現行の慣行はどれも大して役に立っていないのだ。
【2】
慣行という名のもとに、採用から評価、研修、給与、昇進、解雇ま
で、職場で起きるほとんどすべてが決定されている。だが「本当」
と信じられていることの大半が「実はまったくの的外れ」だ。
こういう慣行を「誤解」や「虚構」「勘違い」と呼ぶこともできる。
だが、ありのままの世界から遠ざけるために、意図的に用いられて
いる気さえする。だから、ここでは「ウソ」と呼ぶ。
「どんな創造活動も破壊活動から始まる」とピカソはいう。強くて
優れたものをチームで作り上げるには、まず一つひとつのウソを破
壊することだ。
そのためには、わずかな事例だけにしか通用しない「ホント」が、
あらゆる事例に当てはめられるうちに「ウソ」になってしまったこ
とを暴き、その陰に隠れた普遍的な真実を明らかにするべきだ。
【3】
ウソが定着したのは、組織の管理欲求を満たすためだ。大企業は複
雑だ。だから、リーダーは強力で自然な本能として、単純さと秩序
を求めるのだ。
特に「自分たちは目標に向かって前進しているのだ」と、自分や利
害関係者を納得させる必要がある。だが、単純さを求める気持ちは、
やがて同調を求める気持ちに変わる。
この同調圧力が、個性を押しつぶすようになる。いつしか個人の才
能や関心は、組織にとって不都合なものと見なされる。そして、人
材は、交換可能な部品として扱われるようになるのだ。
【4】
ある会社で働くことがどういうことかを、外から判断するのは難し
い。実際に会社に入った人が、どれだけ真剣に働くか、どれだけ長
く会社にとどまるかを左右するのは、もっと小さなことだ。
たとえば「仕事がどう割り当てられるか」「上司はえこひいきしな
いか」「昇進はどう決まるか」「成果は認めてもらえるか」など、
地に足の着いたことにこそ、皆んな関心をもっているのだ。
チームメンバーが全力を尽くし、彼らを長くチームにとどめるには、
こうした詳細のうちのどれに一番力を入れて取り組むべきか?それ
さえわかれば最善を尽くすのにと考えるかも知れない。
そのために暴かねばならない最初のウソは「どの会社で働くかが大
事」というものだ。これをウソと呼ぶのは違和感があるかも知れな
い。どんな人も自分の働く会社には思い入れを持っているからだ。
だが、社員一人ひとりにとって本当に大事なものは、会社などでは
ない。もちろん、最初は「会社」として始まるかもしれない。だが、
すぐにまったく別のものに変わるのだ。
それは、実際に一緒に働く仲間だ。具体的には、総勢15人ほどのチ
ームや一緒にランチを食べる3人程度のサブチームだ。これらのチ
ームメンバーのモチベーションを上げ、生産性を高めることだ。
これができて、はじめてメンバーに全力を尽くし、長くチームに留
まるようになる。その結果、高業績を実現するチームを作ることが
できるのだ。
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■■選書コメント
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職場の常識を疑います。職場で信じこまされている常識の嘘を暴き、
何が真実かを教えてくれます。これまで「正しい」と信じてきたこ
とが、実際には仕事を妨げているかもしれませんよ。
読めば、自分が仕事や職場、人材開発やリーダーシップなどに対し
て持つ通説が覆えるかも知れません。そして「人と働くこと」「人
の上に立つこと」の本当の意味が見えてくるはずです。
正しく行動するためには、客観的事実を把握することです。しかし、
組織にどっぷり浸かっていると、事実が見えにくくなります。仕事
で損をしないために知っておきたい虚構と真実です。
職場では、常識とされていることが色々とあるものです。たとえば
「オールランダーこそ良い人材」「人は正しく評価できる」「人に
はポテンシャルがある」などです。社会人なら思い当たるはずです。
でも「これらはいずれも嘘」と著者は言います。そして、こうした
ウソが、職場に仕事に悪影響を及ぼし、働いている人たちを戸惑わ
せていると言っています。
もちろん、本書は、嘘をあげつらい、嘆くことに終始しているわけ
ではありません。理論の欠陥を指摘しつつ、私たちが、実際にどう
対処していくべきかまで示してくれます。
読めば、これまで信じてきた人材や組織の理論の大半が、机上の空
論であり、建前に過ぎないことに気づけるはずです。また人と働く
ことや人の上に立つ上で大事なことがわかります。
それ以上に、上司の評価を気にして顔色を伺ったり、仕事のために
自分らしさを犠牲にしたりすることがバカバカしくなるかも知れま
せん。明日からの仕事を、きっと楽にしてくれる一冊です。
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『まぐまぐ大賞2019』(ビジネス部門)第3位選ばれました
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