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2020/08/28
最高のパフォーマンスを引き出す習慣術
仕事の効率を上げる「体内時計」とは?
脳は、本人が意識するよりずっと前に活動を始めている。自発的と思っている行為も無意識に始動しているのだ。人間の生命には広大な無意識の世界があり、脳が色々なことを決定しているのだ。1秒当たり1100万余りの信号が脳に送られている。そのうち、人が意識して処理できる信号は、多くて50個だ。残りの信号は、すべて脳にある五感以外の信号を受け取る無意識の箱にしまわれるのだ...
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■今週の選書
■最高のパフォーマンスを引き出す習慣術
■大塚邦明
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■■選書サマリー
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仕事の効率を上げる「体内時計」とは?
【1】
脳は、本人が意識するよりずっと前に活動を始めている。自発的と
思っている行為も無意識に始動しているのだ。人間の生命には広大
な無意識の世界があり、脳が色々なことを決定しているのだ。
1秒当たり1100万余りの信号が脳に送られている。そのうち、人が
意識して処理できる信号は、多くて50個だ。残りの信号は、すべて
脳にある五感以外の信号を受け取る無意識の箱にしまわれるのだ。
その信号を無意識に利用して、人は人類誕生以来、環境に適応し、
進化してきた。見えない世界に目を配り、聞こえない世界に耳を傾
けることが、パフォーマンスを向上させる基本なのだ。
【2】
人類の知力の源は「体内時計」と「腹時計」だ。この時計は、1000
億個ある脳神経細胞と、その10倍以上ものグリア細胞の間で機能的
な連繋網を作っている。
「体内時計」と「腹時計」はジャンクDNAを操り、不都合な遺伝
子を好都合な遺伝子に様変わりさせている。そうして多様な生命活
動を生み出してきたのだ。
「何を食べるか」「どれくらい眠るか」など、日常生活がジャンク
DNAに働きかけ、常に改変している。つまり、暮らしぶりを変え
れば、不都合な遺伝子を好都合なものに変えることができるのだ。
一方、現実の世界に目を向ければ、30数億年をかけて獲得してきた
体内時計の能力は、光環境の変化やコミュニケーションの複雑化、
あるいは超高齢社会の深刻化により発揮しづらくなっている。
睡眠と食事、運動などの生活を見直せば、乱れた体内時計のリズム
は修復できる。体内時計の能力を十分活用するには、現実の世界と
どう向き合っていくべきかの工夫を知っておくことが大切なのだ。
【3】
体の中で刻まれるもう一つの時間管理、それが「体内時計」だ。体
内時計の研究は、最近急速に進歩し、生活のパフォーマンスをあげ
るための健康関連の科学は急進展した。
体内時計には、親時計と子時計がある。脳にある親時計は、体の隅々
の細胞が持つ子時計に指令を出してフル活用し、人の心・技・体の
エネルギーバランスをバージョンアップしている。
親時計をシンフォニーの指揮者とすれば、子時計は楽器を奏でるプ
レーヤーたちだ。両者がピタリと連携すれば、メリハリをつけて、
体の細胞を操ることができる。パフォーマンスは大きく上がる。
体内時計は、時間の周期的な変動に応答しながら、体と心を最適な
状況に微調整している。同時に予期せぬ自然環境の変化にも適応す
る。人が人間時代を築けたのは体内時計の適応能力のおかげなのだ。
【4】
長年、体内時計の中で時を刻んでいる細胞、すなわち、時計細胞は、
ニューロン、すなわち神経細胞と考えられてきた。ところが、最近、
もう一つの時計細胞が発見された。
ニューロンの時を刻む遺伝子が働いているのは昼間だけで、夜はア
ストロサイトというグリア細胞が働いている。これらは、互いに連
絡を取り合いながら、働く時間帯を夜と昼に二分している。
パフォーマンスを上げるには、昼だけでなく夜への配慮も必要だ。
夜に時を刻む時計遺伝子は、アストロサイトだ。こちらへの働きか
けこそがビジネスパーソン成功コツなのだ。
なぜなら、神経ネットワークへの連絡速度は、ニューロンよりアス
トロサイトのほうがはるかに高速だからだ。しかも、その高速道路
は1本だけではない。数本の高速連絡網を使用している。
瞬時に大量の脳神経に指示を送り、一つに束ねて、まとまった振る
舞いをさせる能力は、ニューロンよりもアストロサイトのほうが、
ずっと効果的にできるのだ。
グリアは、体内時計だけでなく、眠りの質を上げることにも関わっ
ている。眠りで記憶力を高めたり、眠り質を向上させたり、アルツ
ハイマー病を予防したりするのは、すべてグリアの働きなのだ。
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■■選書コメント
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ビジネスパーソンの健康の本です。特に、時間を軸に考えます。体
内時計の仕組みを利用して、仕事や勉強のパフォーマンスを最大限
に高める方法を教えてくれます。
著者は「時間医学」の第一人者です。著者いわく、現代のビジネス
パーソンの多くが「時差ボケ」を抱えていると言います。これを解
消すれば、仕事や学習のパフォーマンスが劇的に改善します。
本書では、そのメカニズムを解説し、日常生活を改善し、パフォー
マンスを上げるコツを解説します。体内時計を味方につければ、効
率よく成果ができるようになるはずです。
人は、体の中でも時を刻んでいます。体内時計が狂うと、睡眠障害、
うつ病、肥満、糖尿病などの代謝障害や、免疫・アレルギー疾患、
さらにガンの発症にもつながるといいます。
それを解消するには、体内時計を意識した時間管理が必要です。体
内時計に従って、食事、運動、睡眠など、毎日を過ごせば、不調を
解消し、能力を発揮することができるようになります。
本書では、最新の「時間医学」研究をベースにしながら、ビジネス
パーソンが体内時計を使って活動し、パフォーマンスを最大化させ
る方法を公開しています。
最初に体内時計を解説し、パフォーマンスの上がる時間の使い方を
紹介した上で、睡眠や運動、食事などの効果的な行い方を解説します。
さらには遺伝子を変える方法まで紹介しています。
「やる気が出ない」「集中力がない」「仕事や勉強がはかどらない」
という人は、体の「時差ボケ」が原因かもしれません。そんな悩み
を抱えるすべてのビジネスパーソンにおすすめします。
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