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2020/10/09
自己満足ではない「徹底的に聞く」技術
アクティブリスニングとは?
物事がうまく進まない、部下が言うことを聞かない-そんな悩みを持つ人は少なくない。仕事やプライベートの問題、悩み、ストレスの大半は人との接し方が原因だ。問題は、人の話を聞かないことにある。最後まで人の話を聞くことは難しいのだ。なぜなら、こちらにも言いたいことがあるからだ。何を言うかを考えて相手の話を聞く心の余裕がないのだ...
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■今週の選書
■自己満足ではない「徹底的に聞く」技術
■赤羽雄二
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■■選書サマリー
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アクティブリスニングとは?
【1】
物事がうまく進まない、部下が言うことを聞かない-そんな悩みを
持つ人は少なくない。仕事やプライベートの問題、悩み、ストレス
の大半は人との接し方が原因だ。
問題は、人の話を聞かないことにある。最後まで人の話を聞くこと
は難しいのだ。なぜなら、こちらにも言いたいことがあるからだ。
何を言うかを考えて相手の話を聞く心の余裕がないのだ。
相手を下に見ている場合もある。相手を馬鹿にしているから、話を
聞く気になれないのだ。「どうせくだらないことを言っているのだ」
と最初から見切っているのだ。
さらに、相手が嫌いで話を聞きたくない場合もある。意地悪された
り、仲間はずれにされたりしたために、相手が苦手な場合だ。どれ
も、話を聞く態度としてはまずい。だが、多くの人が陥りがちだ。
【2】
これらを解決するのが「アクティブリスニング」だ。これは「ただ
聞くこと」や「傾聞すること」とは違う。真剣に、徹底的に相手の
話を聞き、質問もしながら理解を深めることだ。
相づちを打ち、目を見ながら、相手に心から関心を持って、徹底的
に話を聞くのだ。聞きながら、疑問を持ったら遠慮せず質問するこ
とだ。ただし、丁寧さが重要だ。
「ただ聞くこと」との違いは「真剣に、徹底的に聞く」「質問もし
ながら理解を深める」の2点だ。頭の集中度も、理解しようとする
本気度も、熱心さも、好奇心の強さも全部違うはずだ。
「傾聞すること」との違いは「躊躇なく質問するしながら、理解を
深める」ところだ。これは重要なことだ。傾聞の場合は「畏まって
相手の高説をうけたまわる」ニュアンスが強い。かなり違う。
【3】
アクティブリスニングが素晴らしいのは、仕事でも、プライベート
でも、問題の大半を解決してくれるからだ。たとえば仕事がうまく
いかないのは、仕事が難しいより、人間関係でしくじっているのだ。
たとえば、一緒にやる人とコミュニケーションができていなかった
り、上司に相談が遅かったり、助けてくれる人を巻き込めていなか
ったりしているのだ。これができれば難しくても何とかなるものだ。
アクティブリスニングをすれば、仕事上関わる周囲の人の知恵を尊
重することで、相手にその気になってもらい、うまく巻き込むこと
ができれば、相手の経験を活かし、問題を解決できるのだ。
これは、プライベートでも同じだ、夫・妻、彼氏・彼女、友人、趣
味の仲間など、小さなことでぶつかったり、すれ違ったりしがちだ。
悪意はないのに、むしろ好意があるのに、ぶつかるのだ。
ここでアクティブリスニングをすれば、相手は心ゆくまで話してく
れる。相手の話を真剣に、話の腰を折らずに聞けば、相手はケンカ
がしたいのでなく、自分の辛さを訴えたいだけだと気付ける。
アクティブリスニングすれば、相手は「話を聞いてもらえた」「否
定されずに耳を傾けてくれた」と納得してくれるはずだ。これを繰
り返せば、仮に苦手な相手でも、やがて関係が大きく改善する。
【4】
アクティブリスニングは、表面を取り繕ってもできない。たとえ聞
いたフリをしても、すぐにバレてしまう。気持ちが入っていないこ
とが、相手に即座に伝わってしまうのだ。
相手に関心を持つことだ。そうすれば、相手のことを「もっと知り
たい」と思ってもらえるものだ。そして、真剣に、徹底的に聞ける
ようになる。どんどん質問が湧き、相手も喜んでくれるはずだ。
どうしても関心を持てないなら、好き嫌いで考えず「一人の人が何
を考え、どう行動しているのか。どういう価値観、判断基準で動い
ているのか」考え、理解しようとすれば関心を持てるはずだ。
相手を「理解する対象」と見れば、心からの「深い関心」がなくて
も、実用的には十分な関心を持つことができるはずだ。やってみる
価値は大いにあるはずだ。
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■■選書コメント
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コミュニケーションの本です。相手の話を聞き、コミュニケーショ
ンを変えていきます。そうすることで、人間関係が改善します。そ
して、仕事プライベートを問わず、様々な問題が解決します。
可能にするのが、著者の提唱する「アクティブリスニング」です。
これは「ただ聞く」「傾聞する」のでなく、相手に深い関心を持ち
ながら、真剣に、必要なら質問して徹底的に聞くことです。
これを実践すれば、相手を深く知ることができます。相手からも信
頼され、関係が良くなります。問題の本質をつかんだ上で解決策を
立案できるので、効果的に解決できるはずです。
著者は、マッキンゼー出身で『ゼロ秒思考』などで知られています。
そこで支持された「A4メモ書き」と並び、著者が強力と考えるの
が本書のテーマ「アクティブリスニング」ということです。
著者いわく「問題の根本はすべて人間関係にある」そうです。理由
は、人の話が聞けていないからです。だから、コミュニケーション
で問題を起こし、部下に嫌われたり、問題の本質を見誤るのです。
聞けば、苦手な相手との関係が変わります。本書は、それを効果的
に行う手法としてアクティブラーニングを紹介し、その実践の方法
やポイント、注意点を紹介していきます。
効果を高めるために前出の「A4メモ書き」や「ポジティブフィー
ドバック」、アイデアメモなども紹介、状況別のやり方やリモート
ワーク下での進め方、普及させる方法も解説します。
経営者やリーダーなど、人を率いる仕事をしている人は必読です。
また、仕事やプラーベートで問題をかかえる人、人間関係をもっと
豊かにしたいと思う人などにもおすすめします。
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2020
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