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2021/02/05
１行書くだけ日記

書いて振り返ると「やるべきこと」が見えてくる
 
「成長したい」と思っても、そのきっかけをつかむことは難しい。人生を変える出来事など、そうは起こらない。毎日、慌ただしく過ごし、気づいたら１年が終わっていたというのが普通だ。だから「振り返り」だ。それ以外は必要ない。仕事も学びも振り返れば、たくさんの気づきを得られる。それを次に活かしていく。こういうことを意図的にやっている人は成長が早いものだ...

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■今週の選書
■１行書くだけ日記
■伊藤健太
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書いて振り返ると「やるべきこと」が見えてくる
 
【１】
 
「成長したい」と思っても、そのきっかけをつかむことは難しい。
人生を変える出来事など、そうは起こらない。毎日、慌ただしく過
ごし、気づいたら１年が終わっていたというのが普通だ。
 
だから「振り返り」だ。それ以外は必要ない。仕事も学びも振り返
れば、たくさんの気づきを得られる。それを次に活かしていく。こ
ういうことを意図的にやっている人は成長が早いものだ。
 
社会人向けの学校で重要なのは、スキルやテクニックそのものより、
「振り返りの習慣」をつけることだ。「未来に向けてこうなってい
かなければいけない」と気づく人は、結果を残すからだ。
 
振り返りの習慣がない人は「スキルやテクニックは学んだがどうし
ていいかわからない」となりがちだ。同じ経験でも、振り返りで「学
び」も「成長」も大きく変わるのだ。
 
成長を決めるのは、持って生まれた性質ではない。毎日起きる出来
事を題材に、どれだけ多く気づきを得られるかだ。その回数を重ね
ていけるかどうかが大事なのだ。
 
【２】
 
人が変わる時、大きな出来事がきっかけになることがある。ひとつ
は、非日常的な場に身を置いてみることだ。知らない場所に出かけ
たり、やったことのない仕事に挑戦することが有効だ。
 
もう一つ大事なことが、日々の振り返りだ。その日に起きた出来事
を拾い上げ、自分にどんな意味があるのか考え、気づきを得るとい
うプロセスを繰り返す。気づいたことは実行してみる。
 
すると、日常の出来事からも、様々な気づきが得られる。そして、
そのプロセスを繰り返すことで、人生を変える大きな出来事と同じ
くらい、自分にとって大きな意味が生まれてくる。
 
１つや２つの気づきでは、そこまで大きな変化はないかもしれない。
だが、それが100個の気づきになれば、大きく成長することができ
るのだ。
 
【３】
 
「メタ認知」とは「自分が認知していることを認知すること」とい
う心理学の用語だ。「自分自身をまるで外から見ているように客観
視すること」だ。
 
仕事で成果を残す人や、成長が早い人は、必ずメタ認知力が高い。
自分の知覚を含めて自分を客観視することで、何ができていて何が
足りないか、自分で見つけ、改善していくことができるからだ。
 
誰にでもこの「メタ認知」ができるようになるには「書く」ことだ。
言葉にすることで、自分がとった行動を客観視することができるよ
うになるからだ。
 
できるだけ、その場の雰囲気を思い出して書くことで、客観的にそ
の時の場を見ることができ、結果的にメタ認知と同じような状況が
作れる。これを繰り返すことで、客観的に自分を見る習慣ができる。
 
【４】
 
「仕事や家事が忙しくて、振り返りをしたくても時間がとれない」
という人もいる。だがこの「１行日記」を続ければ、逆に振り返り
の時間を持つことで自分の時間を作れるようになる。
 
過去を振り返ることで「自分が何をすべきか」が自然と明確になる。
未来は、過去と現在の延長線上にある。過去を振り返れば、進むべ
き未来が見えてくるのは当然なのだ。
 
振り返りを繰り返すことで、過去と現在をつなげる線が見えてくる。
そして、その延長線上に進むべき未来が見えてくる。すると、様々
なことがシンプルになる。
 
自分がどこを目指すべきかが明らかになれば、余計なことをやらずに
済む。しかも、それは誰に言われたことでなく、自分自身の日々
の体験から発見した、自分だけの軸となるのだ。
 
「これからがこれまでを決める」という。もちろん過去に起きた出
来事を変えることはできない。だが、これから自分の作っていく未
来が、過去の出来事の意味合いを変えていくのだ。
 
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■■選書コメント
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自分を成長させる方法です。日記を毎日１行書いて一日を振り返る
ことで「やるべきこと」や「やりたいこと」が見えてきます。それ
を形にするために行動すれば人生が変わります。
 
著者は、今でこそビジネス教育の分野で大活躍されていますが、30
代後半までは「ダメダメサラリーマン」だったそうです。そこから
抜け出せたのは、日記と振り返りを続けたからだそうです。
 
そんな自ら実践し、10数年試行錯誤して完成させたフォーマットを
惜しげもなく公開してくれます。誰にでも簡単にはじめられ、続け
られ、成果の上がるメソッドです。
 
「日記は大事」と言われています。わかっていても、続けることは
簡単ではありません。だから、簡単に１行で済ませます。それでも
効果は絶大です。本書は、そのやり方を教える本です。
 
具体的には「何をしたのか」を一行書き、それに対する「自分にと
っての意味」「気づき」を考え、記録し、振り返ります。それを続
けるだけで大きな変化を生むと言います。
 
たしかに、それだけでもやるのとやらないのでは、長い年月で大き
な差になりそうです。自分の軸や「やるべきこと」が見えてくるは
ずです。具体的なやり方と活用方法は本書で詳細に解説します。
 
著者は、この日記のおかげで、50代になった今も、新しいことに挑
戦し、成長実感を得ているそうです。そんなことから、本書を思い
入れ込めて「自分の分身」とまでおっしゃっています。
 
もっと成長したい人、自分を変えたい人、夢ややるべきことがなか
なか見つからないと悩む人などに、老若男女問わず役立つはずです。
すべてのビジネスパーソンにお勧めです。
 
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