無料版・バックナンバー
- ビジネス選書&サマリーのバックナンバーをご覧いただけます。
2021/07/30
精神科医がすすめる 疲れにくい生き方
疲れには3種類ある
情報が飛び交う現代社会に暮らす以上、疲れと無縁できることは不可能だ。だから、疲れと上手に付き合って心身をコンディショニングすることが幸せに生きる秘訣だ。疲れを溜め込まないコツは、すべての疲れをなくそうとすることではない。そもそも、疲れは、痛みや発熱と同様、生体が発するアラームだ。無くすことはできない。大事な事は上手に付き合うことだ...
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の選書
■精神科医がすすめる 疲れにくい生き方
■川野泰周
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295405590/tachiyomi
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書サマリー
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
疲れには3種類ある
【1】
情報が飛び交う現代社会に暮らす以上、疲れと無縁できることは不
可能だ。だから、疲れと上手に付き合って心身をコンディショニン
グすることが幸せに生きる秘訣だ。
疲れを溜め込まないコツは、すべての疲れをなくそうとすることで
はない。そもそも、疲れは、痛みや発熱と同様、生体が発するアラ
ームだ。無くすことはできない。大事な事は上手に付き合うことだ。
「疲れ」と一言でいっても、大きく「身体の疲れ」と「脳の疲れ」
に分かれている。さらに「脳の疲れ」は、ネガティブな感情による
「心の疲れ」と「マルチタスクによる疲れ」に分けられる。
これらは、それぞれ疲れる原因が違う。そのため、対処方法も変わ
ってくる。身体の疲れに対しては、酷使した筋肉を休ませてしっか
りと栄養を取り、夜はぐっすりと眠り、翌日に備えるべきだ。
本書で扱うのは、身体以外の2つの疲れだ。すなわち脳から派生す
る心・感情の疲れとマルチタスクによる疲れだ。心の疲れが脳の疲
れに部類されるのは、感情を統制するのが脳だからだ。
ネガティブな感情をたくさん持つと、脳の感情を司る場所が働く。
するとストレスを感じやすくなり、それを抑えようと理性を司る部
分が頑張る。こうして脳がエネルギーロスを起こし、脳が疲れる。
【2】
「マルチタスクによる疲れ」は、複数の仕事を同時にこなしている
ことで起こる。現代人の日常はマルチタスクだらけだが、人間の脳
はそれが苦手だ。脳が一度に注意を向けられる総量は有限だからだ。
現代社会においてマルチタスクが無くなることはない。だから、脳
は常にスイッチが入った状態で休むことができない。その結果、脳
が疲れてしまうのだ。
「マルチタスク型の疲れ」に該当する人々に共通するのが「悩みが
ないのに疲れている」ことだ。よくわからないが疲れているのだ。
これが現代人に起こる疲れの一つの特徴だ。
だが、これを正しく言い換えると「わからないから疲れている」の
だ。疲れに適切に対処するためには、まずその疲れの本質に気づく
必要があるのだ。
【3】
従来型の心の疲れはストレスの問題だ。ストレスという心の負荷は、
私たちの心を疲れさせる。だが、ストレスはすべて良いものになる
可能性もある。私たちはストレスがあるから成長できるのだ。
ストレスとどう向き合うかで心の栄養にもなるし、反対に毒にもな
り得るのだ。ただ、良い疲れでも一定量を超えると悪い疲れになっ
てしまう。
つまり、ストレスは食物と同じなのだ。糖分は活動エネルギーとし
て欠かせないが、過剰に摂りすぎると肥満や糖尿病などの生活習慣
病をもたらし毒になる。これと同じだ
【4】
ストレス負荷のボーダーラインを見極めるのは容易ではない。ある
人にとっては問題なく対処できることも、ある人にとってはとても
負担になる事柄だったりする。
「疲れにくい人」はストレスが発生しても上手に受け流すことがで
きる人だ。あるいは、ストレスを自分の成長の糧に変える力を持っ
ている人だ。
反対に「疲れやすい人」は、小さなミスにも大きなストレスを感じ
てしまう。また、心の中で自分を責めてしまうなど、疲れを蓄積さ
せる考え方の傾向を持っている。
こうした「物事のとらえ方」が、心の在り方を分けるポイントだ。
といっても、無理にポジティブになる必要はない。心は前向きにな
ろうとして、サッと前向きになれるほど単純ではない。
だが、自分の心と向き合う術を知れば、強くしなやかな心を育てら
れる。鋼のような心でなく、揺れても戻ってこれる竹のようにしな
やかな精神を作ることだ。それが、疲れにくい人生の第一歩なのだ。
※↓「物足りない!」「広告が煩わしい!」ならコチラ↓
殿堂入り&2年連続「まぐまぐ大賞(ビジネス賞)」受賞
https://www.mag2.com/m/P0000498
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295405590/tachiyomi
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書コメント
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
疲れの解決方法です。心身を癒やし、疲れを溜め込まない生き方を
提案します。そのためにはストレスに気づく力を高め、疲労と上手
につき合う必要があります。その方法がわかります。
著者は、精神科医にして禅僧というユニークな肩書の持ち主です。
そんな著者が、現代人に特有の疲れを、医学と宗教の両面から解決
するのが本書です。
著者いわく「疲れを溜め込まないコツは、疲れを無くそうとするの
でなく、疲れの元を上手に受け流すことだ」といいます。どうすれ
ば可能なのか?その具体的な方法が学べます。
疲れやすい時代です。ノルマ、人間関係、子育て、将来など悩みは
尽きません。加えて、休日も仕事のことを考え、音楽を聴きながら
メール、食事中もチャットなど、マルチタスクで心が休まりません。
そんな現代人が疲れと無縁でいることは不可能です。だから、上手
に付き合います。疲れていることを前提に身心をコンディショニン
グするのです。本書には、その方法が書いてあります。
ユニークなのは、疲れの原因と解消法のミスマッチを防ぐため、疲
労を身体、精神、脳に分類した上で対処法を教えてくれる点です。
脳が原因で疲れているのに、身体を休ませても疲れは癒せません。
また、疲れに対しては、精神医学と禅の両面からアプローチしてい
ます。たとえば、マルチタスクによる疲労のメカニズムの解説にあ
たって、禅の「十牛図」が登場するなどです。
このように、本書は現代の癒やされにくい疲れとの付き合う秘訣を
わかりやすく教えてくれる本です。いつも疲れていると感じている
すべての現代人におすすめします。
※「これじゃ、物足りない!」方は、コチラ
→ https://www.mag2.com/m/P0000498
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295405590/tachiyomi
──────────────────────────────
◎バックナンバー→ http://www.bbook.jp/backnumber
◎ご意見、お問い合わせ、→ info@kfujii.com
◎登録、変更、解除→ http://www.bbook.jp/mag.html
──────────────────────────────
発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2021
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━