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2021/08/27
減量の正解
なぜダイエットは「失敗」するのか
「肥満は個人の責任」という。ダイエットの失敗は意思の弱さに原因があると言われている。だが、それは大きな誤解だ。体重の増減には様々な要因が重なっている。その多くは意思とは無関係だ。世の中には、太りやすい人もいれば、いくら食べても死ぬまで糸のように細い人もいる。私たちは、みな違った環境下で生をうけ、体重の増え方も人それぞれ異なるのだ...
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■今週の選書
■減量の正解
■エリック・ヘミングソン 訳 下倉亮一
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■■選書サマリー
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■なぜダイエットは「失敗」するのか
【1】
「肥満は個人の責任」という。ダイエットの失敗は意思の弱さに原
因があると言われている。だが、それは大きな誤解だ。体重の増減
には様々な要因が重なっている。その多くは意思とは無関係だ。
世の中には、太りやすい人もいれば、いくら食べても死ぬまで糸の
ように細い人もいる。私たちは、みな違った環境下で生をうけ、体
重の増え方も人それぞれ異なるのだ。
水分バランスや呼吸、体温を調整するように、人の体は体重をコン
トロールする。だが、これは必ずしも遺伝学的・生物学的だけの問
題ではない。他の要因も遺伝子と一緒に体重に影響を及ぼす。
要因には、食事の内容や運動習慣のように、自分の意思でコントロ
ールできるものもあれば、意思の及ばないものもある。特に幼児期
の経験は、数十年後の体の働きを左右する大きな影響力を持つ。
【2】
肥満の重要な原因のひとつに、幼児期の過ごし方がある。たとえば
穏やかで愛情に恵まれた家庭で育ったか、騒々しい環境で愛情に恵
まれず育ったかは肥満に大きくかかわる。
理想の体重を手に入れるには、体の仕組みと、体重を維持するのに
必要な知識を理解すべきだ。これまでの伝統的なダイエット方法は
ひたすら死に物狂いに減量に励むだけだった。
ライフスタイルも、もちろんダイエットに大きな役割を果たす。特
に食事、つまり自分が食べるもの、食べ方、食べるという行為その
ものが減量に大きくかかわる。
食欲や満腹感、空腹感など軽視しがちな体のシグナルを理解するこ
とだ。「スーパージャンクフード」と呼ばれる現代の食品は問題だ
高カロリーだが栄養に乏しく、砂糖と油と塩分が味つけに使われる
【3】
体重を減らすことは、食事制限を数週間続ければできるほど簡単で
はない。体は、体重が減ることに執拗に抵抗し、脂肪細胞に蓄えら
れた高カロリー成分を放出するのを嫌う。
ダイエットの失敗は、個人の性格が原因ではない。体の動きを理解
できれば、より効果的なダイエットへの扉が開くはずだ。
人間には、特殊な能力が備わっている。胎児のとき、母親の子宮は
脂肪を蓄えるのに最高の環境だった。事実、生まれたばかりの人間
の脂肪量は、哺乳動物のなかでトップクラスだ。
つまり、人間は、生理学的に脂肪を蓄える優等生なのだ。脂肪は大
きなエネルギー源だ。特に乳幼児の生命維持の手段としてたいへん
優れているのだ。
また、体温を維持し、重要な内臓器官を外部の衝撃から守るのも脂
肪の働きだ。さらに、大量のエネルギーを消費する脳にエネルギー
を供給するのも脂肪だ。
脂肪があまりに少ないと、繁殖力の低下やホルモンバランスの悪化
を引き起こす可能性がある。つまり、体が減量に抵抗するのは当然
のことなのだ。
【4】
「食事を減らして運動を増やす」というダイエットの常套句はきっ
ぱり捨てることだ。そして、体の機能についてもっと深く探求する
べきだ。
これまで、多くの研究者が伝統的なダイエット方法の改良に取り組
み、運動量を増やして食事を控える従来のやり方に手を加えた方法
を生み出してきた。だが、残念ながらどれもそこまで効果はない。
特にカロリー制限に特化した方法は役に立たない。いったん立ち止
まり「戦略」を変えるべきだ。さもなければ、これからもダイエッ
トに失敗しつづけることになる。
減らした体重を長期的に維持できている人も、カロリー制限で慢性
的な不眠症に陥ることがある。誰もそんな生活をしたいとは思わな
いし、できる人も少ないはずだ。
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■■選書コメント
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ダイエットの本です。減量のエキスパートが科学的に教えます。専
門家が、エビデンスに基づいて、体重のメカニズムを解明し、ダイ
エットの最適な方法を紹介してくれます。
著者は、ブリストル大学とノーベル賞選定機関カロリンスカ研究所
で肥満の研究を重ね、ストックホルム体育大学でリサーチを続けて
いる体重研究のスペシャリストです。
ダイエットと言うと、運動や食事でカロリーを調節する方法が主流
です。でも、それでは一時的に痩せることはできても、元に戻りま
す。その仕組みを解明し、本当に役立つ情報を紹介してくれます。
「これを食べれば痩せる 」「こうすれば楽して体が引き締まる」
というダイエット法が、現れては消えていきます。そして、体重だ
けがいつの間にか元に戻ります。
理由は、現象としての体重増加を捉えていないからでです。だから
一時的に痩せることはできても、リバウンドしてしまうのです。そ
のたびに、自分の意志の弱さに打ちのめされます。
著者は「減量は意思の強さとは無関係」と言います。その上で、ダ
イエットが失敗する本当の原因を教え、効果的な方法論を解説しま
す。
具体的には、根本を解決する、サインをつかむ、重圧をはね返す、
スーパージャンクフードを回避するなどの方法です。リバウンドを
無くす方法としては9つのポイントを紹介してくれます。
これからダイエットを始めたい人はもちろん、これまで様々なダイ
エットに取り組んだものの、挫折したり、リバウンドしたりして元
の黙阿弥になってしまった人におすすめします。
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