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2021/11/19
日本史に学ぶリーダーが嫌になった時に読む本
歴史のリーダー
リーダーには、様々なタイプがある。歴史を学べばわかることだ。昭和と令和を比べても、リーダーシップには大きな雰囲気の違いある。それは、人びとのタイプが変わったからだ。令和にもリーダーはいる。それは昭和のような、自らリーダーを志願し、人格高潔で、完璧な統御を行えるタイプではない。教育制度も家庭環境も変わったのだから当然だ...
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■今週の選書
■日本史に学ぶリーダーが嫌になった時に読む本
■加来耕三
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■■選書サマリー
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歴史のリーダー
【1】
リーダーには、様々なタイプがある。歴史を学べばわかることだ。
昭和と令和を比べても、リーダーシップには大きな雰囲気の違いあ
る。それは、人びとのタイプが変わったからだ。
令和にもリーダーはいる。それは昭和のような、自らリーダーを志
願し、人格高潔で、完璧な統御を行えるタイプではない。教育制度
も家庭環境も変わったのだから当然だ。
令和のリーダーは、好むと好まざるとにかかわらずリーダーの地位
にあげられてしまった人だ。本心は「なりたくてなったわけではな
い」と嫌々引き受けたようなひとこそ、令和のリーダーなのだ。
歴史の世界をふり返えれば、令和に活かせるリーダーシップの類型
がたくさん見つかる。歴史の叡智、意外な人物の真相こそ、新しい
時代のリーダーシップに生かせるヒントの宝庫なのだ。
【2】
「リーダーたるもの逃げてはいけない、正面からぶつかるべきだ」
と思い込んでいる人がいる。だが、リーダーは逃げることも戦略の
一つだということを常に考えておくべきだ。
戦国の覇王・織田信長も、状況次第ではためらいなく、逃げるとい
う判断をしている。たとえば、越前の金ヶ崎で、浅井・朝倉の連合
軍に挟み撃ちにされた時のことだ。
信長は、袋のネズミで絶体絶命だった。ほとんどの人間は、そこま
で追い詰められたら、武士らしく潔く討ち死にしようと思う。だが、
信長は逃げ出した。
挟み撃ちされたのが自分の領地なら、逃げれば連合軍に次々と領地
を侵略される。だが、戦場の越前は敵国だ。逃げても敵はそれ以上、
領地を広げることはできない。
逃げながら、信長は次の手を考えていたはずだ。実際、二カ月後の
6月には、姉川の戦いで浅井・朝倉の連合軍にリベンジを果たした
のだ。
【3】
信長のように逃げることをしなかったために、中国の秦末期の武
将・項羽は天下を取ることができなかった。項羽は河を越えれば故
郷である楚に戻れるという所まで逃げ切れた。
にもかかわらず、わざわざ敵陣に突撃して討ち死にを選んだ。多く
の同胞を死なせてしまった以上、どのツラ下げておめおめ故郷に戻
れようか、と項羽は考え直したのだ。
彼は、戦いを「点」でしかとらえていなかった。「線」でとらえて、
まだ先があると考えれば「点」と「点」を結んで敗者復活戦に望み
をつなぐことができた。
現場のリーダーで、負け戦とわかりながらメンツや責任感で戦いを
続けている可能性もある。あの信長ですら、恥も外聞もなく逃げた
のだ。分が悪い時は、いったん引いて、次の手を考えればいいのだ。
【4】
一から十まで、自分でやらないと気が済まない人がいる。こういう
人がリーダーになると大変だ。上杉謙信を参考にするべきだ。彼は、
あっさりリーダー=国主の座を放棄したことがあったのだ。
7歳から僧侶の修行していた彼は、武将の教育を受けていなかった。
性格的にも政治が好きでない。国主などにもなりたくなかった。そ
の気持ちが正直に出て逃亡=出奔となったのだ。
それでも合戦には抜群に強かった。彼は戦略や戦術を駆使するタイ
プではなかった。すべてその場のひらめきで、感覚的に、迅速に動
くタイプだった。ライバルの武田信玄とは真逆のタイプだったのだ。
彼は政治は苦手でも合戦は得意だった。だから上杉家では、政治は
重臣たちが合議し、謙信には得意な合戦だけを受け持ってもらうこ
とにした。それで十分実績を上げてもらうことができたのだ。
これもまたリーダーとしてのあり方を考えるヒントになるはずだ。
リーダーの型に、そもそも「こうでなければならない」というもの
は存在しないのだ。
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■■選書コメント
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リーダーシップの本です。令和のリーダーのあり方を歴史の偉人
たちに学びます。リーダーと言えば、一般には、仕事ができて、
統率力があり、弱音を吐かない強い人というイメージです。
たとえば、大河ドラマの主役になる偉人や、昭和のカリスマ経営者
のイメージです。それを見て「自分には無理」と悩む人がいます。
そもそも「なりたくてなったのではない」と思いたくなります。
本書は「リーダーはこうあるべき」と思い「自分には適性がない」
と苦しむ人のための本です。歴史家が、令和にふさわしいリーダー
シップのあり方を示し、歴史で裏付けてくれます。
著者は「率先垂範型の強いリーダーは、今の時代、むしろ部下をま
とめられない」と言います。部下も仕事も変わったからです。むし
ろ、弱点を見せ、失敗を隠さず、部下に寄り添うべきといいます。
いわば、従来と真逆のあり方です。だから、かつての上司や昭和の
カリスマ経営者など、旧いタイプのリーダーたちをお手本にしても
意味がありません。
かわりに歴史に学びます。長い歴史を振り返れば、現代にふさわし
い、部下に寄り添うタイプのリーダーも見つかります。そんな事例
をたくさん紹介し、現代に活かせるように解説してくれます。
構成は、ケースごとに分かれています。「リーダーが嫌になった
時」「トラブルが続いた時」「部下のマネジメントに悩んだ時」と
いう具合に、シチュエーションごとに章が分けてあります。
その上で、ケースに対処した歴史上の人物をエピソードと共に紹介
して解説します。「こうでなければ」と悩む人は、きっと自信がつく
はずです。
常々「自分には向いていない」と思いながら、職場でリーダー任さ
れている人はもちろん、これからリーダーになって活躍したいと思
っている人にもおすすめします。
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