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2021/12/10
科学的に幸福度を高める50の習慣
仕事で科学的に幸福度を高めるには?
幸福な人生を送る上で秘訣となる習慣がある。その習慣を実行することで幸せになれる。その秘訣が「ポジティブ心理学」という新しい心理学から提案されている。ポジティブ心理学の研究は、今から20年ほど前、ペンシルベニア大学のマーチン・セリグマンの提案で始められた。科学的方法で実証されており、ポジティブな心の働きを大切に考えている...
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■今週の選書
■科学的に幸福度を高める50の習慣
■島井哲志
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■■選書サマリー
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仕事で科学的に幸福度を高めるには?
【1】
幸福な人生を送る上で秘訣となる習慣がある。その習慣を実行する
ことで幸せになれる。その秘訣が「ポジティブ心理学」という新し
い心理学から提案されている。
ポジティブ心理学の研究は、今から20年ほど前、ペンシルベニア
大学のマーチン・セリグマンの提案で始められた。科学的方法で実
証されており、ポジティブな心の働きを大切に考えている。
この心理学は「幸福だ」と感じている人にはどんな特徴があるの
かを研究している。これまでの研究成果から「幸福だ」と感じて
いる人たちの習慣が明らかになってきた。
【2】
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマンも提案
しているとおり、人間の行動を支えているシステムは大きく2つに
わかれている。
1つ目は、色々な条件をよく考えて意思決定する「じっくりシステ
ム」だ。冷静で論理的思考が重要だ。自分が考えていることが意識
され「なぜ、そう行動するのか」が自分で説明できる。
2つ目は、素早い判断に使う「直感システム」だ。やる気や欲望、
動機を含む感情とつながりを持つ。無意識で論理的でもなく、社会
的偏見の影響を受け、ちょっとした誘導の影響も受けやすい。
日常生活では、この2つのシステムが私たちの中で補い合いながら
働いている。何事もじっくり考えていては、日常生活は送れないし、
いつも直感的に判断していては、大事な契約などでは困るはずだ。
ここで紹介する方法を知り「行動しよう」と考えるのは「じっくり
システム」のおかげだ。しかし、それを続けるには「直感システ
ム」も必要だ。自分の感情にも気を配るべきだ。
大事なことは、自分の中のじっくりシステムと直感システムの両方
をうまく使うことだ。そうすることで、幸福度の高い人の習慣を本
当に身につけていくことができるはずだ。
【3】
フローは、クレアモント大学院大学のチクセントミハイが注目し、
研究している特別な経験だ。フローとは、その時に行っている行為
によって、我を忘れるほど楽しいと感じる状態のことだ。
フローの特徴は、まず満足感があることだ。そして、熱中していて
集中力が高く、コントロール感を感じることだ。時間があっという
間に過ぎる感覚から、流れる=フローと名付けられた。
日本では、チクセントミハイの弟子である法政大学の浅川希洋志に
よる先導的な研究が進められ、日本人でも、フローを経験すること
が多い人ほど、生活の満足感や充実感が高いことがわかっている。
フローに重要なことは、明確な目的と、すぐフィードバックが得ら
れること、自分がコントロールできているという感覚、目標が自分
に合ったレベルで、頑張れば達成できるだということだ。
【4】
世の中には、単純労働と呼ばれる仕事がある。こうした仕事でフロ
ーを感じることもできる。これについてチクセントミハイは、掃除
を仕事にする印象的な人の例を挙げている。
この人は、他の人のように一通りの掃除をするのではなく、その仕
事の中で自分ができるベストを追求し、自分のスキルの限界に挑戦
することで、フローを経験していた。
もちろん、その仕事は、他の人とは比べようもないほど素晴らしい
出来栄えだった。そして掃除の仕事で自分の挑戦の余地がなくなっ
た時、別の仕事に移って、更なる挑戦を見つけていった。
このように、今、自分が取り組んでいる仕事の中でベストを尽くす
ことだ。小さくても、日々挑戦をすることこそがフローを経験する
近道だ。
アスリートや音楽家はフローを感じやすい。それは、目の前の課題
に挑戦し続けているからだ。仕事は、時間の大部分を占めているは
ずだ。人生を充実させるなら、仕事で挑戦を楽しむことだ。
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■■選書コメント
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心理学の本です。日常生活で簡単に幸せになる方法がわかります。
といっても、自己啓発書ではありません。タイトルにあるとおり、
ポジティブ心理学という新しい心理学に裏付けられた内容です。
誰もが幸せになりたいと思っています。でも、それは簡単なことと
思えません。特に、ここのところ、マスコミの報道も、人々の話題
も心配事ばかりです。不安は募るばかりです。
それでも、幸せな人は幸せに生きています。それは社会的ステイタ
スや交友関係、お金の有無などとは無関係です。むしろ、ちょっと
した秘訣や習慣で決まります。その具体的な方法が学べます。
秘訣や習慣といっても、導入が難しかったり、特別な能力や技術、
お金が必要なものでは意味がありません。その点、本書で紹介され
る方法は、誰にでもすぐにできることばかりです。
たとえば「親切にした回数を数える」「仕事の明るい面を見る」
「面白かったことを記録する」などです。いずれも今の生活に、無
理なく取り入れることができるものばかりです。
いずれも自己啓発書などではよく見る内容です。本書がユニークな
のは、冒頭でも述べたとおり、いずれも最新の心理学の研究を踏ま
えているところです。
仕事、行動や思考、人間関係、余暇・趣味など、分野ごとに章を分
けて解説されていきますので、誰にでも取り入れやすいと思います。
あらゆる場面で参考にできるはずです。
自分に合うものや、できそうなものを取り入れて、習慣にすること
で、わざわざ幸せ探しなどしなくても、幸福を実感しながら暮らせ
るようになるはずです。
もっと充実した生活を送りたいと思う人、穏やかに暮らしたいと願
う人、この機会に良い習慣を身に着けたいと考えている人などにお
すすめします。
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