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2022/03/25
社会人に最も必要な「頼る」スキルの磨き方
「頼る」スキルの磨き方
人には頼るべきだ。そのスキルは社会人にとって重要な能力だ。だが、「手伝ってほしい」と頼みごとをしたり「助けてほしい」とお願いしたりすることが苦手な人は多い。日本人は、特にその傾向がある。理由は「人に頼る」ことは"相手に申し訳ないこと"だと思うからだ。なるべく避けるべきだと考える人が多いのだ。そもそも、社会には自己責任論が強く、お願いしづらい雰囲気もある...
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■今週の選書
■社会人に最も必要な「頼る」スキルの磨き方
■吉田穂波
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■■選書サマリー
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「頼る」スキルの磨き方
【1】
人には頼るべきだ。そのスキルは社会人にとって重要な能力だ。だが、
「手伝ってほしい」と頼みごとをしたり「助けてほしい」とお願いし
たりすることが苦手な人は多い。日本人は、特にその傾向がある。
理由は「人に頼る」ことは"相手に申し訳ないこと"だと思うからだ。
なるべく避けるべきだと考える人が多いのだ。そもそも、社会には自
己責任論が強く、お願いしづらい雰囲気もある。
だが、これからは多様性の時代だ。弱音を吐きやすい社会、誰もが困
っていることを打ち明けやすい社会にしていくべきだ。当たり前に助
けを求めあえる環境こそ理想的なのだ。
【2】
人から助けられることを良しとする力が「受援力」だ。社会人に必要
なスキルの一つだが、学校でも、社会でも教えてもらえない。そもそ
も「頼る」行為は、性格や気質に委ねられている。
「受援力」は「頼るスキル」だ。今は、リモートワーク全盛で、入社
したばかりの社員が、自宅で孤独に働いているケースもある。そうい
う時も、このスキルで助けられることは多い。
「頼る」ことは「つながる」ことだ。頼れば、自分だけでは到達でき
ないところまで連れて行ってくれる。「頼る」ことは、生まれ持った
性格ではない。学んで身に着けるスキルなのだ。
年を重ねるほど、チャレンジすべき出来事は増えるものだ。社会に出
て間もない社会人や学生など、若い世代にとっては、なおさら受援力
が必要だ。未来を切り開くお守りになるからだ。
その若者も、ベテランになれば、気力や体力が衰える。大きなピンチ
に直面して途方に暮れることもある。そんな時も「受援力」が身につ
いていれば、心強いはずだ。
【3】
楽しくなくても笑顔でいれば明るい気持ちになれる。同様に、まず言
葉や態度を変えるべきだ。そうすれば「頼り上手」に近づける。考え
方を変えてから言葉や態度を変えるわけではないのだ。
単に「言葉や態度を変える」といっても、もちろんトレーニングは必
要だ。ただ、難しいことではない。もともと人間には受援力が備わっ
ているのだ。安心していい。
まず、自分の受援体験を思い出すべきだ。困った時、誰かに助けても
らった時のことを思い出す。自分の心細さや不安、相手への感謝の気
持ち、相手を大事な存在として覚えていることに気づくはずだ。
また、自分が誰かを助けてあげた時のことを思い出すことだ。力にな
ったことで、面倒だった、負担だったと思うより、役に立てた喜びや
誇らしい気持ちのほうが強いはずだ。
誰でも、人から頼られれば自己肯定感が高まる。人間はそのようにプ
ログラミングされている。人類が役割分担しながら文明を築いてきた
根底には「人の役に立つと嬉しい、幸せ」という本能があるのだ。
【4】
自分の受援力に気づいたら、次に受援力を磨く。ポイントは、相手に
自分の持つ3つの感情、すなわち「敬意」「存在承認」「感謝」を順
番に伝えることだ。
まず「敬意」だ。頼む時は、尊敬・敬意を示してからだ。「あなただ
から頼れる」「あなただから相談したい」と個人への敬意を示すのだ。
その際、相手の名前を呼び「今いいですか」と相手の都合に配慮する。
次に「承認」だ。相談する前に「聞いてくれて嬉しい」「助かりま
す」「あなたがここにいてくれてよかった」と相手の存在を承認する
のだ。
最後に「感謝」だ。相談したら、相手が答えを持っているかどうか、
力になってくれるかどうかにか、自分の悩みが解決するかどうかに関
係なく、可能な限り感謝と喜びを伝えるべきだ。
相談を聞いてもらえた、そのことだけでもありがたいという感謝の気
持ちを示すのだ。慣れて自然と口に出てくるようになるまで、この3
つのステップを意識して、頼みごとをしてみるべきだ。
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■■選書コメント
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コミュニケーションの本です。特に、人に頼ることの大切さを説き、
その方法を教えます。それこそが、今の時代を生き抜く上で重要な考
え方だからです。
「人に頼ることは良くないこと」と思いがちです。でも、そんなこと
はありません。むしろ、人に頼ることこそ重要で、頼るスキルは社会
人にとって最重要な能力とさえいいます。
本書では、そんな「頼る」スキルを「受援力」と呼びます。これさえ
あれば、困った時でも他の人に助けを求めることができるようになれ
ます。さらに自分と相手の自己肯定感を高めることもできます。
コロナ禍で人との対話が生まれにくくなっています。それでなくても
人口は、これからどんどん減っていきます。だからこそ、人を頼る
「受援力」が重要です。
この力は、誰もが生まれつき持ちながら、あまり使ってこなかった力
だと著者はいいます。本書はその「受援力」の重要性を説き、その発
揮の仕方を教えます。
頼ることを良しとすると聞いて、最初は自己啓発書のたぐいかと思い
ました。あるいは、人を当てにする、ちょっとずるい処世術を連想し
ていました。内容も主観的、抽象的ものをイメージしていました。
しかし、読んでみるとまったく違いました。著者自身の経験をふまえ
つつも受援力が高い人の共通要素を抽出し、公衆衛生学、コーチング
理論、脳神経科学などの科学的な知見を整理して掲載しています。
具体的には「頼ることの大切さ」にはじまり「上手に頼る伝え方や言
い換え」「主張する方法」「断る方法」「人間関係資本とチーム」
「心理的安全性の高い職場と社会を作る方法」などを紹介します。
読めば、無理なく周りの人を頼れるようになるはずです。「仕事が回
らない」「リモートワークで孤独」「自己責任論がつらい」という人、
「部下がいる」「友人が少ない」という人におすすめします。
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