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2022/08/26
ほっこり
「ほっ活」のステップ
なんとなく心地よかったり、なごんだり、ホッとしたりした時、「ほっこり」という言葉がふと口に出ることがある。それは、医学的にも最高の状態だ。「ほっこりする」と感じる時こそ、人間にとって大切な体と心の状態であり、幸せの源泉なのだ。その時、体には良いエネルギーが満ちあふれているのだ...
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■今週の選書
■ほっこり
■伊藤裕
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■■選書サマリー
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「ほっ活」のステップ
【1】
なんとなく心地よかったり、なごんだり、ホッとしたりした時、
「ほっこり」という言葉がふと口に出ることがある。それは、医学
的にも最高の状態だ。
「ほっこりする」と感じる時こそ、人間にとって大切な体と心の状
態であり、幸せの源泉なのだ。その時、体には良いエネルギーが満
ちあふれているのだ。
楽しく幸せな気持ちになる「ほっこり」を感じる活動は色々あるも
のだ。それを一言で言えば「ほっ活」だ。頭を空っぽにし、五感を
取り戻し、心を解き放つ小さな活動の総称だ。
これは、一時的にやってみて、その時だけ気持ちがよくなるといっ
た、いわゆる気晴らしではない。積み重ねることで、常に「ほっこ
り」した状態を保てるようになる。
やがて、たくましさ、レジリエンスといったものまで出てくるよう
になる。そうなれば地に足がついてくる。いつも「ほっこり」して、
体の声を聴き、心地よいと感じることに心をゆだねるべきなのだ。
【2】
動物たちは、自分の行動を言葉で理解しているわけではない。流れ
るように行動して生きている。人間にも、体で感じたことが素直に
脳に伝わって、自然に体がうまく動くシステムが備わっている。
体は、常に「よくなろう」「良い状態を続けよう」として呼吸をし、
血液が流れ、消化をし、排せつをしている。まず、ザワザワする心、
考えすぎる脳は休めて、静かに体の声を聴くべきだ。
体に良いことをしている時、人は快感や幸せを感じるようにできて
いるのだ。だから「ほっ活」を繰り返せば、どんどん元気にハッピ
ーになることができるのだ。
【3】
まず、頭を空っぽにすることだ。人間の体は、原始時代からそれほ
ど変わってはいない。ところが、情報の質量は日々急激に大きくな
っている。脳はキャパシティーオーバーになってしまっている。
ストレスが多くなるほど、脳は疲れ、老廃物が多くなる。血圧は上
がり、血管も通りにくくなり、リンパの流れが悪くなる。大量にた
まった老廃物は、どんどん脳に置き去りにされていく。
その結果、認知症なども起こりやすくなる。だから「ほっこり」の
第一歩は、疲れた脳を休めてあげることだ。頭にたまった老廃物を
取り除き「からっぽ」にすることから始めるのだ。
睡眠中の脳の仕事は「掃除・整理整とん」だ。寝ている間、脳内で
はリンパが流れ、脳に溜まった老廃物をどんどん脳から運び出して
いる。つまり、不要なものを流すデトックスをしているのだ。
「頭を空っぽにしてしまう」ということは、入ってくる情報をいっ
たん留めて、睡眠時に近い状態にすることだ。よく言う「無心にな
る」というのはそれに近いことをやっているわけだ。
【4】
「ぼんやり」という状態が「無心」に近い。「ぼんやり」には、睡
眠に似た効果がある。たとえば、ローカル線に乗って車窓の風景を
ぼんやり眺める時は無心になっているはずだ。
風景をぼんやり眺め、全身を電車の動きにゆだねる。脳の神経活動
を同期させる。これが無心に近い感覚だ。汽車は一定のリズムで音
と振動が伝わり、体が揺れる。これがいいのだ。
電車に乗ると眠くなるという人が多い。それは脳がリラックスして
いるからだ。すなわち「ほっこり」しているのだ。これはとても良
い状態だ。
ダンスを踊ったり、歌を歌ったりすることが健康にいいと言われる
のも同じ理由だ。いい音楽を聴くと眠くなる。体のリズムに乗るこ
とは体によく、人にとって大事な営みなのだ。
体は勝手に「生きよう」とリズムを刻んでいる。細胞や臓器には、
時計遺伝子が備わっている。それらがうまく同期した時、人は調子
よく生きられる。そのリズムに従って生きるべきなのだ。
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■■選書コメント
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健康関連の本です。何となく元気が出ない、体が重い、だるい、ど
うも気分が上がらないということは、誰にでもよくあるものです。
そんな現代人をむしばむ悩みを解消する習慣です。
著者は、ホルモン研究の第一人者で医学博士です。そんな著者が、
いつもほっこりした状態でいるための簡単な方法を「ほっ活」とし
て紹介してくれます。
自分が「気持ちいい」「心地いい」「ほっこりする」と感じること
こそ、パワーをよみがえらせると言います。読んで実践することで、
心と体がいい感じにほぐれると思います。
気持ちいいことが体にいいのは、体のメカニズムがそうなっている
からです。このあたりを、本書では医学的に説明してくれます。そ
の上で「ほっ活」を紹介していくため、納得感があります。
それぞれの活動は「頭を空っぽにする」「五感を取り戻す」「非日
常を味わい、心を解き放つ」「自然の中に溶け込む」「つながりを
感じる」といった5つのステップに分けて紹介されます。
この手の本は、著者の個人的経験則の域を出ないものが少なくあり
ませんが、本書は医学的に裏付けられている方法ばかりですので説
得力が違います。
しかも、どれもすぐできる簡単な方法ばかりです。たとえば、脳を
休める方法として紹介されるのは「砂時計を見る」「洗濯機が回る
のをながめる」「プチプチシートをつぶす」などです。
読めばすぐにやってみたくなるはずです。それこそが、続けるため
に大事なことです。気が付けば、心身ともに健康で幸せな毎日が手
に入っているはずです。
最近どうも「元気が出ない」「体が重い。だるい」「気分が上がら
ない」「やる気が出ない」そんな悩めるすべてのビジネスパーソン
におすすめします。
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