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2022/12/02
ＤＡＯの衝撃
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注目の「ＤＡＯ」とは何か
インターネットの新たな概念が「Ｗｅｂ３」だ。そこで掲げられる理想は「非中央集権」の世界だ。個人データを特定の管理者に集めない仕組みだ。インターネットの幕が開いたのがWeb1.0時代、ＧＡＦＡＭなどの巨大プラットフォームにデータが集中したのがWeb2.0の時代だ。そこから、さらにＷｅｂ３の時代に移行しつつある...
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■今週の選書
■ＤＡＯの衝撃
■小澤隆博
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■■選書サマリー
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注目の「ＤＡＯ」とは何か
【１】
インターネットの新たな概念が「Ｗｅｂ３」だ。そこで掲げられる
理想は「非中央集権」の世界だ。個人データを特定の管理者に集め
ない仕組みだ
インターネットの幕が開いたのがWeb1.0時代、ＧＡＦＡＭなどの
巨大プラットフォームにデータが集中したのがWeb2.0の時代だ。
そこから、さらにＷｅｂ３の時代に移行しつつある。
ここでは、ブロックチェーン技術を利用して個人データをプラット
フォーム企業などの特定の管理者に集めない仕組みを目指す。これ
が、組織のあり方も変化させる。それが「ＤＡＯ」（ダオ）だ。
ＤＡＯとは、特定のリーダーを作らず、みんなで意思決定を行う
「分散型自律組織」のことだ。トークンと呼ばれるデジタルマネー
を用いて、運営方針を決めたり、利益を分散したりできる。
そのため、公平に運営できることが期待されている。2022年は
「ＤＡＯ元年」と言われており、世界中で様々なＤＡＯが作られは
じめているのだ。
【２】
ＤＡＯ とは、ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して、管
理・運営する組織だ。株式会社のアップデート版となりうる組織体
系といえる。その特徴は、主に３つある。
１つ目が「中央管理者がおらず、参加者同士で管理する組織であ
る」ことだ。従来の会社組織は、上層部が意思決定する。いわゆる
トップダウン方式だ。
一方、ＤＡＯは「代表者が存在していないフラットな組織」だ。ト
ークン保有者なら誰でも、プロジェクトの運用方針に意見ができ、
管理者の許可なく情報が参照でき、参加者同士で意思決定する。
【３】
２つ目が「誰でも組織に参加でき、投票ですべてが決まる」こと
だ。ＤＡＯ には、誰もが参加することができる。興味があれば、
試験や面接、雇用契約など抜きに自由にメンバーになれる。
ただし、意思決定に関わるには「ガバナンストークン」を保有する
必要がある。これは、ＤＡＯの運営において、コミュニティの意思
決定を行う際の「投票権付きトークン」のことだ。
トークンの保有者は、組織運営に対する提案をしたり、意思決定に
関わる投票に参加したりする権利が得られる。これが、従来の株式
会社の「株式」のようなものになる。
【４】
３つ目が「透明性が高く、誰でもソースを閲覧できる」ことだ。透
明性が高いため、どんなルールで運営されているのかが誰でも閲覧
できる。
ＤＡＯは、ブロックチェーン上で運営されている。ルールは参加者
同士の意思で決定され、そのルールは「スマートコントラクト」で
実行される。
スマートコントラクトとは「ブロックチェーン上で取引の契約を自
動的に実行する仕組み」のことだ。自動販売機に効果を入れ、ボタ
ンを選択した瞬間に売買契約が成立するイメージだ。
従来の株式会社は、組織のルールがすべて明文化されて、公開され
ているわけではない。社員や外部の者が全体のルールを確認するの
ことは困難だ。
一方、ブロックチェーンは「オープンソース」だ。コードが公開さ
れている。ソースコードを見れば、どのようなルールで組織が運営
されるのかが誰でもわかる。
ソースコードとは、プログラミング言語を用いて記述したソフトウ
ェアやプログラムの設計図のことだ。単に「ソース」とも呼ばれ
ることもある。
このように、ＤＡＯは、組織の参加者も、そうではない人もソース
コードを閲覧することができる。だからこそ、ルールが明確で、透
明性が高いフェアな組織と言えるのだ。
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■■選書コメント
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ＤＡＯの教科書です。よく耳にしながら、実はよくわかっていない
のが正直なところです。「みんなで意思決定を行う分散型自立型組
織」と言われても、それが何なのか、ピンとこないと思います。
同じようによく耳にする「メタバース」のほうは「仮想空間」です
から理解しやすいと思います。ＤＡＯは、Ｗｅｂ３時代に生まれる
組織の新形態です。
それを詳しく解説してくれるのが本書です。背景や前提となる技術、
可能性について詳しく教えてくれます。読めば、目の前にある未来
がイメージできるようになるはずです。
★
本書が説明する通り、ＤＡＯはＷｅｂ３の時代に主流になる分散型
自律組織です。現在、会社では大事なことをトップが決めています。
ＤＡＯでは、参加者が投票で決めていきます。
これが普及すると、会社が変わり、報酬体系が変わります。そうな
れば、働き方そのものが変わり、人生そのものが変わる可能性があ
ります。
本書は、そんなＤＡＯについて、わかりやすく教えてくれます。
ＤＡＯとは何か、その代表例など解説した上で、参加する方法や、
メリットデメリット、さらなる可能性まで紹介してくれます。
まさにＤＡＯのすべてと言えます。読めば、ＤＡＯの可能性がわか
り、それが普及した社会が見えてきます。きっとＤＡＯの時代が待
ち遠しくなるはずです。
もしかしたら、自分でＤＡＯを作りたくなるかもしれません。今か
ら作れば、組織革命の一端を担えるかもしれません。本書は、そん
な思いにもこたえてくれます。
というわけで、インターネット関連の業界で働く人はもちろん、会
社のかじ取りをする経営者や幹部社員、時代を先取りしたい起業家
や次世代リーダーなども必読です。
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