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2022/12/23
経営×人材の超プロが教える人を選ぶ技術
人を「階層」で捉える
成功を目論むなら、アイデアよりも、ファイナンスよりもはるかに大事なことがある。それが「誰とやるか」だ。人と会う時、相手を見抜こうとする時、ポイントがあるのだ。まず、ある程度の「型」を体に入れておくことが近道だ。人を見るにあたっては、人間を建築物のように、階層として捉えてみるべきだ。イメージは、地下深くに作られた建物だ...
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■今週の選書
■経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術
■小野壮彦
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■■選書サマリー
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人を「階層」で捉える
【1】
成功を目論むなら、アイデアよりも、ファイナンスよりもはるかに
大事なことがある。それが「誰とやるか」だ。人と会う時、相手を
見抜こうとする時、ポイントがあるのだ。
まず、ある程度の「型」を体に入れておくことが近道だ。人を見る
にあたっては、人間を建築物のように、階層として捉えてみるべき
だ。イメージは、地下深くに作られた建物だ。
1階が「経験・知識・スキル」地下1階が「コンピテンシー」、地
下2階が「ポテンシャル」、そしてもっとも最下層の地下3階が
「ソース・オブ・エナジー」だ。逆ピラミッド型の超深層ビルだ。
浅いほう、つまり地上に出ているものほど、他人からも見えやす
く、わかりやすく、そして変わりやすい。一方、地下に潜れば潜る
ほど見えにくく、わかりにくく、変わりにくい。
【2】
地上1階にあるものは、見えやすく、わかりやすく、変わりやすい
ものが格納されている。たとえば「経験」「知識」「スキル」だ。
これらは表面的で、履歴書からでも簡単に読み解くことができる。
残念ながら、ほとんどの面接は、この階層を触るだけで終わってし
まっている。建物の1階だけを見て、全体を見た気になってしまっ
ているのだ。
たとえば履歴書に「大ヒットしたビールの販売戦略を立てた」とあ
るとする。もしかしたら、上から落ちてきた販売戦略を実行しただ
けかもしれないし「ただ、そこにいた」だけかもしれない。
「経験がある」だけの人を拡大解釈して、鳴り物入りで入社させ、
マーケティング幹部に据えたものの、全く成果が上がらないのは当
然だ。こうした採用ミスが、中途採用のあちこちで起きている。
原因は、その気になれば捏造すらできるような薄っぺらな情報だけ
で、大事な人選びの決断を進めてしまっているからだ。そのために
は、相手の地下に踏み込んでいかなければならないのだ。
【3】
地下1階は「コンピテンシー」だ。コンピテンシーとは、その人が
「どんなシチュエーションで、どういうアクションを取りがちか」
という、固有の行動のパターンだ。
相手のコンピテンシーがわかれば、相手の「将来の行動を予測」で
きる。人間は似たようなシチュエーションで同じ行動を繰り返しが
ちだ。そんな研究結果が下敷きにある。
ビジネスの現場で人を見極めるには、5~7個のコンピテンシーを
取り扱う。「変革志向」「成果志向」「戦略志向」はマネージャー
クラス以上のビジネスリーダーを選ぶ場合によく使われる。
その他「他人と協調できるか」どうかや、「人を育成する能力があ
るか」なども重要だ。このように、コンピテンシーといっても、
様々なものがあるのだ。
【4】
コンピテンシーを見抜く必須技術は、エピソード・ベースのインタ
ビューだ。相手の意見でなく、取った行動すなわちファクトに目を
向けるのだ。
たとば、入社志望者が前職の自部門で問題が発生し、お客様と関係
がこじれてしまった経験があったとする。その場合、どのように問
題を解決したのか、リアルなエピソードを聞いていくのだ。
「仲間と協働して問題を解決しました」ということなら、「協働」
「チーム」関係で深掘りすればいい。「計画を見直して根本的に再
発を防ぎました」なら「戦略」「変革」などを評価していく。
これは、プライベートの場、婚活でも活用できるはずだ。相手に
「自慢話を聞かせてください」「苦労話もぜひ教えてください」と
質問してみるのだ。
その際、相手の「意見」だけでなく、具体的に「その時、何をした
の」と、相手の「行動」を深掘りしていく。そうするれば、有益な
情報、コンピテンシーが見えてくるはずだ。
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■■選書コメント
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タイトル通り、人を選ぶ技術です。人を見抜き、起用する際に役立
つフレームワークを紹介します。仕事も人生も「誰を選ぶか」で大
きく変わってしまいます。
それほど大事な人選なのに、経験や勘で行われているのが実態です。
著者は「得も言われぬ何かで選ばれている」といい「言語化も体系
化もなされていない」と続けます。
人を見る目がある人とない人の違いは方法論の有無であり、鍛える
ことが可能です。ただ、これまでそのメソッドが紹介されてきませ
んでした。本書は、それを教えてくれます。
採用や取引先など、ビジネスでは人選の機会が少なくありません。
またに、プライベートでも人選の機会は色々あります。ただ、難し
いのも事実です。そこで本書です。
著者は、ヘッドハンティングの会社の経営者で、いわば人材のプロ
です。そんな著者が、現場で編み出したフレームワークや技術を体
系化して紹介してくれます。
序章で人を選ぶことの意義と本質を説いた上で、具体的な人を見る
方法を解説していきます。たとえば「階層で捉える」「相手の本質
を見抜く」「地雷を踏まないために」という具合です。
特徴は、人間を建築物のように構造で捉える点です。そうすること
で、論理で整理でき、感情に流されにくくなり、正しく見ることが
できるようになるわけです。
著者の事例を交えつつ、誰でも結果が出せるように実践的に解説し
てありますから、ビジネスだけでなく、あらゆるシーンで使えると
思います。
企業で採用や人事を担当している人はもちろん、起業家や経営者、
営業担当者など人と接する機会の多い人、さらには人を見る目に自
信がない人にもおすすです。
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