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2023/01/13
「答えのないゲーム」を楽しむ思考技術
「答えのないゲーム」の戦い方
「こうしたら、正解」という公式が通用しない時代だ。ビジネスだけ考えても、選択肢は複雑化し、誰にでも当てはまるような答えというものはなくなりつつある。たとえば「コロナ禍による社会の劇的変化」「副業という新たな選択肢の出現」「大企業VSスタートアップ」など、事業を始めるにも、働き方選びにも、自ら考えて前に進まねばならないのだ...
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■今週の選書
■「答えのないゲーム」を楽しむ思考技術
■高松智史
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■■選書サマリー
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「答えのないゲーム」の戦い方
【1】
「こうしたら、正解」という公式が通用しない時代だ。ビジネスだ
け考えても、選択肢は複雑化し、誰にでも当てはまるような答えと
いうものはなくなりつつある。
たとえば「コロナ禍による社会の劇的変化」「副業という新たな選
択肢の出現」「大企業VSスタートアップ」など、事業を始めるに
も、働き方選びにも、自ら考えて前に進まねばならないのだ。
これは、人生という大きな視点でいえば、もっと複雑だ。答えのな
いゲームに勝つとか、負けるとかも大事だが、それ以上に答えのな
いゲームを楽しむ術を学ばねばならないのだ。
【2】
人は自然と「答えのあるゲーム」の戦い方をしてしまう。義務教育
の中で、そして部活や受験、就職活動などで、あらゆる「答えのあ
るゲーム」で試されてきたからだ。
ビジネスでもクイズでも「何かを解こう、攻略しよう」と思う時、
「これで合っているか」を問い、当たればOKという思考で戦って
きた。これこそが正解を目指すゲームの攻略法だ。
そういう思考法では、当てずっぽうでも、過去の経験に基づくもの
でも、答えが当たればそれでいい。それが当たりだからだ。それ以
上の理由は不要だ。それができるのは、答えがあるからだ。
ひと昔前は「大企業に就職すれば人生安泰」と言われてきた。これ
が明確な答えとして社会に浸透していた。だが、今「大企業に就職
すれば人生安泰」とツイッターでつぶやいたら大変だ。
ありとあらゆる人から罵声を浴びるはずだ。大企業がダメ!という
ことではない。「キャリアをどう築くか」が答えのないゲームだと
皆が気づき始めたのだ。
【3】
人生においても、ひと昔前なら「結婚して、家庭を作り、子どもを
育てる」というのが答えだった。この流れももはや太古の答えとい
う感じがする。
だが、このことに気づいていても「答えのあるゲーム」の戦い方し
か経験してこなかったために、答えを前提とした戦い方しかでき
ず「答えのないゲーム」が戦えない。
なぜなら「答え」がないからだ。もう少し正確に言えば「明確な正
解がない」ということだ。正解を追い求めている限り、これからの
時代に戦っていくことはできない。
答えがないのだから「合ってますか」と尋ねても、答えてくれる人
はいない。仮に答えてくれたとしても、その答えは人によってま
ちまちになる。
答えを求めてしまう人は、何を信じるべきか迷い、途方に暮れ、見
えない重圧に窒息してしまう。答えがなくても選択せずにはいられ
ない。答えのないお題が毎日現れ、選択を迫られるからだ。
【4】
「答えのないゲーム」を戦う上で重要なことは、たとえ「答え」を
出したところで、その答えが本当に正しいかどうかは、誰にも判断
できないということだ。
たとえば、上司に何かを確認する時「これで合ってますか?」と聞
いたとする。これこそが「答えのあるゲーム」の戦い方をしてしま
っている証拠だ。
自分にとって「答えのない」問題は、たいてい上司にとっても同じ
だ。上司は「答えを知ってますよ顔」をするかもしれない。だが、
答えなど知らないはずだ。
「答えのないゲーム」をしているのに、上司に「これで合ってます
か」と聞くことは、上司に「答えのないゲーム」をさせ、自分は
「答えのあるゲーム」をしているということだ。
誰かに仕事をお願いした時「お願いした意味がないでしょ」と感じ
ることがある。それは、自分は「答えのないゲーム」お願いしてい
るのに、相手が「答えのあるゲーム」をしているからなのだ。
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■■選書コメント
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考える技術です。これまで以上に自分で考えなければならない時代
です。通り一遍の答えでは通用しないからです。答えのない問いに
答える思考力を身につけるのが本書のテーマです。
考えるというと、生まれつきの能力のように思われがちですが、著
者はコンサルタントに指導した経験などから、思考は技術であり、
身につけることができるものだといいます。
本書を読めば、答えのない問いに自分だけの最適解を導けるように
なります。読めば、本当の思考力が身に付き、考えることが楽しく
なるはずです。
著者は「答えのないゲーム」で戦うには3つのルールがあると言い
ます。すなわち「プロセスがセクシー」「2つ以上の選択肢を作り
る選ぶ」「炎上、議論が付き物」です。それを詳しく解説します。
その上で、思考技術を解説します。すなわち「示唆」「B〇条件」、
「ゲーム&ゲーム」「5つのゲーム感覚」の5つです。それぞれ
章を変えて解説してくれます。
たとえば「5つのゲーム感覚」では「理解ドリブンVS暗記ドリブ
ン」「100分の70VS100分の3」「アーティストモードVSクリ
エイターモード」なども紹介されます。
何のことかよくわからないかもしれませんが、読めば納得でき、理
解できるはずです。章の合間には、理解を助ける目的でコラムや漫
画も描かれています。
また章末にもそれぞれまとめが書いてあります。このように色々と
理解を助ける工夫がされているために、読めば思考技術が無理なく
身につくと思います。
経営者やコンサルタントなど、仕事で考える機会の多い人はもちろ
ん、ビジネスでもプライベートでも使える新しい思考の技術を身に
つけたいすべての人におすすめします
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