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2023/03/17
意思決定の精度と速度を上げる思考の「ステップ」と「武器」

意思決定の精度と速度を上げる思考の「ステップ」と「武器」

状況を把握する


ビジネスの現場では、物事がうまく進まないこともある。解決策が思い浮かんでも、どれを選ぶべきか、確信が持てず、先入観で対象を見て、結論に走ってしまいがちだ。情報を収集しても、多くの情報をさばききれず、決断に悩んでしまうこともある。こうした悩みも、思考のプロセスに沿って考えれば解決につながる...


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超現実的で超具体的なお金の増やし方
【1】
資産形成というと、お金持ちになるための手段と受け取る人もいる
かもしれない。だが、資産形成はお金持ちになることが目的ではな
い。お金の不安から解放されて、人生を楽しむための手段だ。
そのためには、お金のことをもっと知ることからはじめることだ。
「お金がない」と言っている人に限って、お金のことをあまりわか
っていない人が多いものだ。
お金は財布や貯金箱の中に入っているお札や小銭、銀行口座にある
預貯金だけを指すのではない。株式、マイホーム、自動車など、現
金化できるものはすべてお金の一種だ。
そして、このさまざまな状態のお金を総称したものが資産なのだ。
つまり、資産形成とは、目標金額を目指して資産(お金)を作って
いくことなのだ。
【2】
預貯金だけで資産形成をするだけでは、お金の不安から抜け出せな
い。そこで必要なのが投資だ。投資とは利益を得ることを目的に、
現金を他の資産に換えて保有することだ。
「投資なんて危ない」「大損したらどうしよう」「投資はギャンブ
ルだ」などというイメージを持っているとしたら、それは間違った
認識だ。投資と投機を混同しているのかもしれない。
資産の中には株式のように、常に価格が上がったり下がったりする
ものがある。資産形成する上で投機は不要だ。そもそも資産形成
は、時間をかけて戦略的に行うものなのだ。
戦略を考えるには、今の自分のお金の実力を正しく把握することが
必要だ。いわば、目標達成のためのスタート地点の確認だ。目標が
明確でも、現在地がわからなければ戦略は立てられないからだ。
また、正しく現状を把握するには、自分に見えているお金だけでは
だめだ。見えていないお金ももれなく確認することだ。負債の洗い
出しも重要なポイントだ。
【3】
バランスシートが完成すると、資産形成のためのスタート地点が正
しく把握できるようになる。企業の財務状況を把握するバランスシ
ートを参考に自分のバランスシートを作成してみることだ。
資産の部には、自分の資産を金額とともにすべて書き込む。現金や
定期預金以外の資産は現金化したと仮定して想定金額を書き込む。
国債、債券、株式、投資信託などは記入時点の時価でかまわない。
こうして資産を書き出す際に見落としがちなのが、実は不動産だ。
たとえば持ち家などは、住宅ローンが残っているため資産として考
えがちだ。だが、資産と負債は切り分けて考えるようにすべきだ。
不動産や貯蓄性保険、自動車や貴金属など換金性の高い動産など
は、時価が不透明で金銭換算が難しい。マーケットの評価から割り
引いて考えるべきだ。
持ち家は住宅ローンが残っているため資産として考えない人もいる
が残債は支払いごとに減少するから純資産価値は一定ではない。こ
うした考え方を身につけることも、正確な現状把握のな一歩だ。
【4】
資産の部を書き終えたら、次に負債の部を記入する。住宅ローンや
自動車ローン、カードローンなど支払いが終わっていないものは、
すべて書き出してみる。
そして、最後に企業のバランスシートでいうところの「純資産」を
記入する。純資産は「資産-負債」で算出する。それが、今の自分
のお金の実力ということになる。
バランスシートが完成したら、現時点での自分のポートフォリオが
わかる。見える化することで、自分の資産と負債が丸裸になる。こ
れでようやく資産形成に向けた道筋のヒントが得られるのだ。
お金の不安から解放されるという目標を達成するには、どのように
ポートフォリオを作り変え、最適化していくかが極めて重要となる
のだ。
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■■選書コメント
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資産形成のガイドです。一攫千金で数億円規模の資産家を目指すの
ではなく、老後資金を確実に作る方法を学びます。会社員のまま、
経済的自由を手に入れる現実的な方法です。
著者は、外資系金融機関のマネージャーであり、チャンネル登録者
数27万人超の人気ユーチューバーということです。著書も4作目
ですが、今回は中でも得意分野の資産形成ということです。
本書では、会社員が稼いだお金を運用し、確実に増やしていく方法
に焦点を当てています。読んで実践すれば、無理せずお金の悩みか
ら解放され、心から豊かになれると思います。
資産形成をするには、節税や節約、投資について対症療法的に学ぶ
より先にやるべきことがあると言います。それは、自分の現状を把
握し、ゴールに向かって正しい道筋を描くことです。
具体的には、3つのステップで進めます。はじめに自分のお金の潜
在能力を把握し、次にいつまでにいくら貯めるか決め、最後にポー
トフォリオに従って投資を始めます。
このように、本書では会社員として自らの市場価値を上げながら、
経済的自由を手に入れる現実的で具体的な資産形成術を教えてくれ
ます。著者自ら実践して確立した方法ですので説得力があります。
他にも、理解を深める知識やタイプ別ケーススタディ、押さえてお
きたいポイントなど収録しながら、投資の基本を解説してくれます
ので、初心者でも容易に理解できると思います。
読めば、会計や運用など、難しそうなお金のことが自分事として身
近に感じられるはずです。その結果、自分が毎月、何にどれだけ投
資すればいいかがわかるようになるはずです。
「このままではお金が足りない」「定年後が不安」「家庭も家を持
つこともままならない」など、お金の悩みを持ちながら、何をして
いいかわからないビジネスパーソンにお読みいただきたい本です。
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2023
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■今週の選書

■意思決定の精度と速度を上げる思考の「ステップ」と「武器」

■桐原憲昭

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■■選書サマリー  

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状況を把握する

 

【1】

 

ビジネスの現場では、物事がうまく進まないこともある。解決策が

思い浮かんでも、どれを選ぶべきか、確信が持てず、先入観で対象

を見て、結論に走ってしまいがちだ。

 

情報を収集しても、多くの情報をさばききれず、決断に悩んでしま

うこともある。こうした悩みも、思考のプロセスに沿って考えれば

解決につながる。

 

意思決定における思考プロセスにおけるとは、ゴールに到達するた

めの体系立てられた一連のステップのことだ。つまりプロセスを分

解した構成要素がステップということになる。

 

自動車を作る時、原材料は規格化され、加工・組立のプロセスで

は、作業工程をステップに分け、作業員による差を減らすために、

作業を標準化・機械化する。だから高品質な車が出来上がる。

 

【2】

 

だが、考える場合はそうはならない。情報・知識・経験が原材料に

相当するが、知識・経験は、人によって異なる。だからバラつきが

大きくなる。

 

続いて、インプットをもとに思考プロセスを行う。思考は、収集・

分類・整理・分析・確認のステップに分けられるが、ここでも各人

のやり方次第で、内部や構造が不明になりがちだ。

 

だから、モノ作りの製品に相当する結論は、各人が同じ情報を持っ

ているにもかかわらず、大きなバラつきが生じてしまう。これを避

けるには、思考作業でもプロセスの標準化を行うことだ。

 

ところが、思考は目に見えない。だから思考プロセスの効率化はフ

ォーカスされてこなかった。意思決定の精度と速度を上げるには、

思考作業の見える化が必要なのだ。

 

【3】

 

意思決定における思考プロセスをステップにして見える化すること

で、何を狙いとし、どこに重きをおいたかを明らかにし、どんなリ

スクを考慮したのかを手順を踏んで考えるべきだ。

 

そうすれば、結論に至るまでの各人の考え方の違い、すなわち主観

性や客観性を明らかにできるはずだ。その手順とは、具体的には次

の流れだ。

 

まず「状況把握」だ。何が起きてるのか明らかにする。次に「目的

の明確化」だ。これにより、何のために、何を決めたいのかを明ら

かにする。

 

つづいて「目標の設定」だ。何を達成すれば、目的が実現するのか

明らかにする。さらに「案の作成と評価」だ。目標を実現するため

の候補案を複数挙げ、案を評価するのだ。

 

その上で「案のリスク予想と評価」だ。候補案を実行する際のリス

クを予測し、最終案を決めるわけだ。このプロセスとステップを踏

むこと思考作業が見える化できるはずだ。

 

【4】

 

状況把握では、問題処理の大命題であるテーマを起点に関心事の列

挙と明確化を行い、その根拠になる関連事実を述べ、事実に基づく

解決のための方向性を課題化する。

 

その上で、各課題間での優先順位をつけ、そして、最後に全体の整

合性の確認を行う。処理すべき問題が高度で複雑であるほど、状況

は混とんとし、何が問題であるかが捉え難い「団子」の状態だ。

 

問題を団子のまま全体として一挙に解決しようとしても堂々巡りの

状態になり、思考の生産性は著しく低下してしまう。複雑な問題に

対処するには、初期段階で問題の所在を明らかにしておくべきだ。

 

状況を把握しなければ、効果的な方法で問題を解決はできない。情

報把握とは、直面する状況を分解し、分けて考えて正しく知ること

だ。これこそ状況把握の基本的な考え方だ。

 

「問題点が全部分かれば、半ば解決したのも同然だ」という。これ

は混とんとした状況が分離・分解され、明確になったことを示す。

問題を分離・分解することがいかに重要かがわかるはずだ。

 

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■■選書コメント

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意思決定の方法です。職場で物事を判断し決断する方法をプロが教

えてくれます。正しく、しかも速く意思決定ができるようになりま

す。ステップに沿って体系的に解説してくれます。

 

決断力を高めたいものです。そのためには、正しい思考プロセスを

学ぶことです。これができるようになれば、誰でもどんな状況でも、

素早く意思決定ができるようになります。

 

本書には、それを可能にする方法が書いてあります。読めば、限ら

れた時間の中で、複数の選択肢を策定し、リスクを回避しながら最

善の策が選べるようになります。

 

変化が激しく、情報があふれる昨今のビジネス環境です。そんな中

だからこそ、素早い意思決定が求められます。それが企業や個人の

生産性も高めます。

 

簡単なことではありません。情報収集に時間がかかったり、過去の

経験や先入観に捉われたり、感情や周囲の意見に影響されたりして、

時間をかけた挙句に間違った決断をすることはよくあるものです。

 

原因の一つは、意思決定の方法を学んでいないからかも知れません。

やり方がわからず、もたもたしているうちに期限が来て、適当に決

めていることさえあります。大問題です。

 

だからこそ本書です。著者は大企業を中心に意思決定のメソッドを

長年指導してきたといいます。そんな意思決定のプロが、具体的な

やり方を5つのステップで解説してくれます。

 

加えて、著者オリジナルのフレームワークを「武器」として提供し

てくれます。これらを使えば、誰でもビジネスの現場でシステマチ

ックに意思決定できるようになるはずです。

 

意思決定の方法を学びたい人、決断力を高めたい人、もっと仕事の

効率を高めたい人、チームの結論を早く正しく出したいリーダーに

もおすすめします。

 

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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2023

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

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