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2023/04/21
残酷すぎる人間法則

残酷すぎる人間法則

人の心は見た目が2割


人生で本当に重要なものは他者との関係だ。最も幸せだった瞬間を思い浮かべれば、必ず人と関わっているはずだ。最も辛い瞬間も、同じだ。人生を築くのも、壊すのも、すべて人との関係なのだ。ところが、人間関係の問題について、多くの人が勘違いをしたり、混乱している。理由の一つは、人間関係について相反する教えを聞かされてきたからだ...


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超現実的で超具体的なお金の増やし方
【1】
資産形成というと、お金持ちになるための手段と受け取る人もいる
かもしれない。だが、資産形成はお金持ちになることが目的ではな
い。お金の不安から解放されて、人生を楽しむための手段だ。
そのためには、お金のことをもっと知ることからはじめることだ。
「お金がない」と言っている人に限って、お金のことをあまりわか
っていない人が多いものだ。
お金は財布や貯金箱の中に入っているお札や小銭、銀行口座にある
預貯金だけを指すのではない。株式、マイホーム、自動車など、現
金化できるものはすべてお金の一種だ。
そして、このさまざまな状態のお金を総称したものが資産なのだ。
つまり、資産形成とは、目標金額を目指して資産(お金)を作って
いくことなのだ。
【2】
預貯金だけで資産形成をするだけでは、お金の不安から抜け出せな
い。そこで必要なのが投資だ。投資とは利益を得ることを目的に、
現金を他の資産に換えて保有することだ。
「投資なんて危ない」「大損したらどうしよう」「投資はギャンブ
ルだ」などというイメージを持っているとしたら、それは間違った
認識だ。投資と投機を混同しているのかもしれない。
資産の中には株式のように、常に価格が上がったり下がったりする
ものがある。資産形成する上で投機は不要だ。そもそも資産形成
は、時間をかけて戦略的に行うものなのだ。
戦略を考えるには、今の自分のお金の実力を正しく把握することが
必要だ。いわば、目標達成のためのスタート地点の確認だ。目標が
明確でも、現在地がわからなければ戦略は立てられないからだ。
また、正しく現状を把握するには、自分に見えているお金だけでは
だめだ。見えていないお金ももれなく確認することだ。負債の洗い
出しも重要なポイントだ。
【3】
バランスシートが完成すると、資産形成のためのスタート地点が正
しく把握できるようになる。企業の財務状況を把握するバランスシ
ートを参考に自分のバランスシートを作成してみることだ。
資産の部には、自分の資産を金額とともにすべて書き込む。現金や
定期預金以外の資産は現金化したと仮定して想定金額を書き込む。
国債、債券、株式、投資信託などは記入時点の時価でかまわない。
こうして資産を書き出す際に見落としがちなのが、実は不動産だ。
たとえば持ち家などは、住宅ローンが残っているため資産として考
えがちだ。だが、資産と負債は切り分けて考えるようにすべきだ。
不動産や貯蓄性保険、自動車や貴金属など換金性の高い動産など
は、時価が不透明で金銭換算が難しい。マーケットの評価から割り
引いて考えるべきだ。
持ち家は住宅ローンが残っているため資産として考えない人もいる
が残債は支払いごとに減少するから純資産価値は一定ではない。こ
うした考え方を身につけることも、正確な現状把握のな一歩だ。
【4】
資産の部を書き終えたら、次に負債の部を記入する。住宅ローンや
自動車ローン、カードローンなど支払いが終わっていないものは、
すべて書き出してみる。
そして、最後に企業のバランスシートでいうところの「純資産」を
記入する。純資産は「資産-負債」で算出する。それが、今の自分
のお金の実力ということになる。
バランスシートが完成したら、現時点での自分のポートフォリオが
わかる。見える化することで、自分の資産と負債が丸裸になる。こ
れでようやく資産形成に向けた道筋のヒントが得られるのだ。
お金の不安から解放されるという目標を達成するには、どのように
ポートフォリオを作り変え、最適化していくかが極めて重要となる
のだ。
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■■選書コメント
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資産形成のガイドです。一攫千金で数億円規模の資産家を目指すの
ではなく、老後資金を確実に作る方法を学びます。会社員のまま、
経済的自由を手に入れる現実的な方法です。
著者は、外資系金融機関のマネージャーであり、チャンネル登録者
数27万人超の人気ユーチューバーということです。著書も4作目
ですが、今回は中でも得意分野の資産形成ということです。
本書では、会社員が稼いだお金を運用し、確実に増やしていく方法
に焦点を当てています。読んで実践すれば、無理せずお金の悩みか
ら解放され、心から豊かになれると思います。
資産形成をするには、節税や節約、投資について対症療法的に学ぶ
より先にやるべきことがあると言います。それは、自分の現状を把
握し、ゴールに向かって正しい道筋を描くことです。
具体的には、3つのステップで進めます。はじめに自分のお金の潜
在能力を把握し、次にいつまでにいくら貯めるか決め、最後にポー
トフォリオに従って投資を始めます。
このように、本書では会社員として自らの市場価値を上げながら、
経済的自由を手に入れる現実的で具体的な資産形成術を教えてくれ
ます。著者自ら実践して確立した方法ですので説得力があります。
他にも、理解を深める知識やタイプ別ケーススタディ、押さえてお
きたいポイントなど収録しながら、投資の基本を解説してくれます
ので、初心者でも容易に理解できると思います。
読めば、会計や運用など、難しそうなお金のことが自分事として身
近に感じられるはずです。その結果、自分が毎月、何にどれだけ投
資すればいいかがわかるようになるはずです。
「このままではお金が足りない」「定年後が不安」「家庭も家を持
つこともままならない」など、お金の悩みを持ちながら、何をして
いいかわからないビジネスパーソンにお読みいただきたい本です。
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2023
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■今週の選書

■残酷すぎる人間法則

■エリック・バーカー

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■■選書サマリー  

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人の心は見た目が2割

 

【1】

 

人生で本当に重要なものは他者との関係だ。最も幸せだった瞬間を

思い浮かべれば、必ず人と関わっているはずだ。最も辛い瞬間も、

同じだ。人生を築くのも、壊すのも、すべて人との関係なのだ。

 

ところが、人間関係の問題について、多くの人が勘違いをしたり、

混乱している。理由の一つは、人間関係について相反する教えを聞

かされてきたからだ。

 

たとえば「身なりは人を表す」と言いながら「人を見た目で判断す

べきでない」という。「類は友呼ぶ」「正反対の者同士は惹かれ合

う」ともいう。

 

「自分らしくあるべきだ」と言いながら「郷に入っては郷に従えと

もいう」こうした格言が科学的に正しいかどうかわからないまま、

信じさせられている。これを科学的に検証していくことにする。

 

【2】

 

人間関係の問題は、相手を正しく認識できていないことに端を発す

ることが多い。誰もが、相手の性格を判断しようとして失敗し、痛

い目に遭ってきている。

 

人は、第一印象から相手を見極めようとし、何を考えているか知ろ

うとする。嘘を見破り、仕草を読み取ろうとする。だが、その精度

は高くない。しかも時間が経つほど最初の確信を深めようとする。

 

もちろん、第一印象で人の性格をそこそこ見分けることはできる。

だが、嘘を見抜くことは難しい。当てずっぽうと変わらない。人の

考えや感情を受動的に読み取る力はさらにお粗末だ。

 

さらに、最初に誤った印象を抱くと、それが心に刻まれてしまう。

その時の敵は自分だ。自分が既に持っている印象に一致するものを

記憶し、一致しないものは忘れようとするからだ。

 

第一印象で人を見抜く能力は、努力すれば多少は改善する。だが、

そこに重点を置くべきではない。むしろ、最初の解釈を修正する情

報に目を向けるべきだ。

 

【3】

 

人間は社会的な種だ。人の心を読み取ることができれば、重宝する

はずだ。にもかかわらず苦手なのには理由がある。人を読み取る精

度の低さは、そもそも欠陥ではないのだ。

 

たとえば、誰でもパートナーや友人に一時的に否定的な感情を抱く

ことはる。だが、誰かが自分に抱くネガティブな考えをいちいち気

づいていたら不安だ。

 

ネガティブな情報が多すぎたり、記憶が完璧すぎたりすると、人間

関係はうまくいかなくなる。心を丸くし、大目に見たり、一面の真

実に過ぎないことを見逃したりしたほうがいいのだ。

 

また、人から善意でお世辞を言われることもある。そのたびに、頭

の中で「真実ではない」と警報ベルが鳴ることは望まないはずだ。

むしろ、その言葉を真に受けて堪能したいはずだ。

 

「人はたいてい正直だ」と想定したほうが、初期設定として望まし

いのだ。そうするほうが、気分良く過ごせる。長い目で見れば、実

際に良い結果が得られるものだ。

 

【4】

 

このように「人を見た目で判断できる」という格言は、ほぼ真実と

言えるが、注意も必要だ。人を表面的にすぐさま判断しようとする

ことは避けるべきだ。

 

それでも、多くの研究結果が示すように、人は特に初対面では、常

に見た目で判断しようとするし、それは止められない。判断を保留

することも不可能だ。

 

だが、訓練して相手の本質を見抜く力の精度はたいして上がらな

い。むしろ、時間が経つほど最初の判断に対する確信を深めていく

だけだ。

 

だから、人を見た目で正しく判断することに重点を置くべきではな

い。かわりに、間違いなく下してしまう判断を修正するほうに力を

注ぐべきだ。そのほうが、人間関係はきっとうまくいくはずだ。

 

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■■選書コメント

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誰もが悩む人間関係の本です。友人、同僚、家族や恋人など他の人

とどうすればうまくやっていけるのか、科学的に裏付けられた対策

を教えてくれます。

 

古今東西、人は人間関係に悩んできました。だから、格言も色々あ

ります。「人は一人では生きていけない」などです。ただ、現代は

ネットの普及などもあり、人間関係も複雑になっています。

 

そんな現代を生きるために、そうした定説を検証し、必要であれば

アップデートする必要があるかもしれません。本書はそんな難題に

挑む意欲作です。

 

本書は、はじめに人間関係に関する定説を取り上げ、その真偽を解

明しながら進められます。たとえば「人は見た目で判断できる」

「まさかの時の友が真の友」「愛はすべてを克服する」などです。

 

これらを章ごとに解説していきます。その過程で、友情、愛情、孤

独と言った人間関係の定説を検証し、その結果に応じた対応策を戦

略として紹介します。

 

いずれも月並みな説や因果関係の明らかでない理論、単なる印象や

思い付きではありません。数々の社会実験や研究の成果に基づいた

エビデンスを用いて解説していきます。

 

また各章で紹介される人間関係に関するエピソードはいずれも興味

深いものばかりです。たとえば「人は1日200回ウソをつかれ

る」「結婚の幸福はどれくらい続くか」などです。

 

なお、タイトルには「残酷」とありますが、結末はまったく残酷で

はありません。むしろ多くの言説の正しさを再認識させるもので、

読後感も良好です。人間の奥深さと真実に改めて納得します。

 

孤独や生きづらさを感じている人、同僚や友人・恋人、家族など他

者ともっとうまくやりたい人など、人の問題で悩めるすべてのビジ

ネスパーソンたちにおすすめします。

 

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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2023

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
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Fax.(03)6273-7951

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