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2023/10/06
人を導く最強の教え『易経』
易経にはすべて書いてある
易経は紀元前から語り続けられたきたノウハウだ。「時流に乗るものは時流により滅ぶ」という真理の裏で三千年もの歴史の波を経て生き抜いたのが易経だ。決してブレないものがある。その教えを理解し、正しい手順で実践すれば、驚くべき結果が待っている。仕事や家庭など、人生全般における悩みや迷いが消え、一つ人が納得いくものとして輝きはじめるはずだ...
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■今週の選書
■人を導く最強の教え『易経』
■小椋浩一
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■■選書サマリー
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易経にはすべて書いてある
【1】
易経は紀元前から語り続けられたきたノウハウだ。「時流に乗るも
のは時流により滅ぶ」という真理の裏で三千年もの歴史の波を経て
生き抜いたのが易経だ。決してブレないものがある。
その教えを理解し、正しい手順で実践すれば、驚くべき結果が待っ
ている。仕事や家庭など、人生全般における悩みや迷いが消え、一
つ人が納得いくものとして輝きはじめるはずだ。
もちろん、考え方を変えただけで急に運が良くなるわけではない。
幸運と不運の扱い方を変え、自問自答して、あらかじめ納得のいく
答えを出せるようになるだけだ。だがそれだけで人生は変わる。
人生は決断の連続だ。食べたものが身体をつくるのと同様、自分が
行った決断が人生をつくる。人生を幸せなものにできるかどうか
は、すべて自分の決断にかかっているわけだ。
決断を間違えたくないから未来を見通しておきたい。この想いが易
経の原点だ。紀元前の中国の王たちが、重い決断の責任を果たすた
めに、財力と権力を駆使してまとめさせた集大成が易経なのだ。
【2】
易経によれば、幸運・不運は天の循環で表裏一体のものだ。人が思
いどおりにできるものではない。人にできることは、幸運をできる
限り長持ちさせ、不運をできるかぎり最小化することだけだ。
不運を「天災」、その後のまずい対応が招く不幸を「人災」と呼ん
で区別するなら、天災は避けられないが、人災なら避けられる、と
いう考え方だ。そのためには幸運・不運を予測する術が重要だ。
『易経』では、まず「陽と陰」の二進法に基づき、その6乗にあた
る64パターンの状況の変化を想定する。さらに、それぞれに時
間・空間、成長段階や立場の違いなどに対応すべく、
6段階の構造でさらにストーリー化したことで、384もの決断のパ
ターンができる。これにより、幸運・不運の変化をある程度予測
し、パターンに対する最適な対応を準備できるようになった。
【3】
幸せとは、自分の生き方に自分が納得できること、人生を自分で決
められることだ。昇進や賞賛、金持ちになってちやほやされること
などは、幸せに当てはまらない。他者が決めることだからだ。
幸せになるには、まずその最終評価を他者に委ねないことが必要な
のだ。そのためには、自問自答を習慣にすることだ。そこで使える
のが、まさに易経なのだ。
易経が準備した問いに対して自問自答する習慣をつければ、これか
ら起こることに備えられ。先人と同じ失敗を繰り返すことがなくな
り、先人たちが獲得した成功パターンも再現できるようになる。
【4】
易経を理解すれば、運などに左右されない、ブレない判断軸を持つ
ことができる。だから、経営者の本棚には易経があることが多いの
だ。組織のトップになれば、決断の重みが違うからだ。
また、人事や事業買収・売却など誰にも相談できない案件もあり、
自分独りで決断せねばならない場面も多い。だから、易経に答えを
求めるしかない。そんな経営者の孤独も理由の一つと言える。
多くの尊敬すべきリーダーが学ばれる易経には、やはり何かがあ
る。リーダーなら、どんな困難にあたっても、ブレずにフォロワー
を導かねばならない。
科学者は、この世界の成り立ちと今後の可能性を解明しようとす
る。さらに、一般にも説明して理解を広め、実際に活かされるよう
にしようとする。
どちらも人智を超えた領域へのチャレンジだ。だから、彼らは孤独
なのだ。頼れるのは己の判断力と決断力のみだ。将来をしっかり見
据えてブレない判断軸を定めることだ。
そして、決断すべき時にはきっぱり決断できるような、ブレない軸
としての志が求められる。そのように人類の進歩を導く人たちがヒ
ントを求めるのが易経なのだ。
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■■選書コメント
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『易経』のガイドブックです。『易経』とは古代中国の書物で、中
国五経の一つとされています。六十四卦で自然と人生の変化の道理
を説いています。
古代中国の君主が盛んに学んだため「帝王学の書」と言われていま
す。稲盛和夫氏、野村克也氏、栗山英樹氏など、日本のリーダーた
ちも愛読しています。
三千年語り継がれる『易経』を読むことで、ブレない軸が見えてき
ます。その結果、悩みや迷いが消え「どう生きるか」が見つかりま
す。そんな『易経』のエッセンスをわかりやすく解説します。
『易経』では、人生で起こり得る問題のすべてを網羅していると言
われています。その上で、それぞれの問題を解決に導く思考法を紹
介します。
本書では、はじめに易経の概要と、それを学ぶ意義を解説します。
次に、学ぶにあたっての注意点とアプローチを紹介します。さら
に、64の卦をそれぞれ紹介していきます。
『易経』は、学びの多い書ですが、同時に難解でもあります。本書
ではそれをかみ砕き、たとえ話やビジネス理論を用いながらわかり
やすく説明してくれます。
エピソードは現代にも通じるものが選ばれ、しかも現代語に置き換
えられています。配列も理解しやすく編集され、全体像が捉えやす
くなっています。『易経』の「入り口」として最適です。
おまけとして、易占のやり方も付いています。著者がすすめる一番
簡単な方法ということです。他の人に因果応報の道理を示したり、
自主トレにも活用できます。
というわけで、易に興味のある人はもちろん、日々判断や決断を迫
られる経営者や幹部社員、マネジャーなど、いわゆるリーダーには
必読の書だと思います。
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