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2023/10/13
ブレイン・ワークアウト
ブレイン・ワークアウト
人類の身体ハードウェアは狩猟採集民族の頃から4万年変わらない。だが、周辺の外部情報が爆発的に増えるたびに、脳はソフトウェアをアップグレードし、新たな脳のモードを確立させてきた。それらのモードを正しく理解し、鍛えることで、AIやロボットと共存する時代に備えることだ。それば、未来をたくましく、楽しく生きるコツだ...
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■今週の選書
■ブレイン・ワークアウト
■安川新一郎
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■■選書サマリー
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ブレイン・ワークアウト
【1】
人類の身体ハードウェアは狩猟採集民族の頃から4万年変わらな
い。だが、周辺の外部情報が爆発的に増えるたびに、脳はソフトウ
ェアをアップグレードし、新たな脳のモードを確立させてきた。
それらのモードを正しく理解し、鍛えることで、AIやロボットと
共存する時代に備えることだ。それば、未来をたくましく、楽しく
生きるコツだ。
多くの人が、生成AIのサービスを使ってみたことがあるはずだ。
大量のデータを事前学習し、人間が作成するような文章、画像、音
楽、プログラムなどのコンテンツを生成するサービスだ。
AIの進化に伴い、これからはAIにできず、人間の知能/知性に
しかできないことは何かが問われる。人間の知的存在価値の再定義
がいよいよ避けられない時代が訪れたのだ。
【2】
スポーツや身体運動に習熟している人、身体的な強さや俊敏性やス
タミナを要求されるゲームにおいて、トレーニングを積み、技に優
れている人のことを、アスリートと呼ぶ。
彼らは、パフォーマンスを上げるために、自分の各身体器官がどん
な成り立ちで、どう機能させることができ、全体としていかに連携
させられるかをよく理解し、効果的にそれらを鍛錬している。
脳の働きも同じだ。鍛えなければ退化し続けるし、間違った鍛え方
をすれば怪我をする。
基本構造、諸機能について科学的に理解し鍛えれば、メンタル障害
や鬱など、故障や機能不全を防いで、パフォーマンスを向上させる
ことが可能だ。
そのようにして、持てる知能と知性を最大限発揮し、結果を残し、
自分の人生を成功に導く人のことを「ブレインアスリート」と呼ん
でいいはずだ。
【3】
たとえば、筋肥大を目指すには、強度の高い運動を行って成長ホル
モンを200倍に増やし、2~3日休養を挟んで超回復を起こした
上で再度トレーニングして筋繊維を徐々に太くする。
ブレインアスリートもこうしたメカニズムを理解して実践するべき
だ。科学的根拠に基づいたトレーニングメニューをブレインワーク
アウトとして体系的に整理し、実践することだ。
痩せたい部位、鍛えたい筋肉を意識するように、脳の様々な働きを
積極的に意識し、適切なインプットをし、正しい方法で脳神経細胞
に負荷をかけ休養することで鍛えることができるのだ。
【4】
ブレインワークアウトのメニューを検討するにあたって、意識した
ことが2つある。まず、急速に進化し続けるAIの登場で問われる
人間の知能/知性の存在意義と役割だ。
AIをうまく活用すれば、無駄な仕事から解放され、望む人生を生
きることができる。そのためには、人間の知能/知性とは何か、A
IとHIの違いと役割分担は何かを真剣に考える必要がある。
もう1つが、世界的経済や社会の構造変化だ。22世紀に向けて、
これまでのような人口増加成長経済から、人口減少定常経済に世界
全体が大きく移行している。
地球温暖化と生物多様性の危機を回避する必要から、これまでのよ
うな社会的費用を外部化した経済成長は困難になり、人的資本とエ
ネルギーが構造的に不足することが長期トレンドだ。
これからは、そうしたリソースの奪い合いが起き、国際情勢も不安
定化していくはずだ。働き方や生き方、脳の働かせ方も、これまで
の成長経済モデルから大きく変わるはずだ。
狩猟採集民族だった先祖が様々な環境変化に適応してきたのと同じ
ように、現代人も脳の働かせ方を時代に合わせたものにアップグレ
ードする必要があるのだ。
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■■選書コメント
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脳の鍛え方です。AIやロボットと共存する時代が目の前に迫って
います。そんな時代に備えて、自分の脳を再定義し、新しい役割に
を担えるように鍛える方法を教えてくれます。
生成AIの登場は大量のデータを学習し、あたかも人間が作成した
かのような文章などのコンテンツを瞬時に生み出してくれます。ビ
ジネスパーソンの存在意義が問われています。
そんな時代も生き残り、活躍するには、脳をアップグレードするしか
ありません。その必要性と具体的な方法をわかりやすく解説してく
れます。
著者は、AIが台頭する中で人間の役割や働き方の再定義が
迫られることを実感し、このテーマについて書くことを決意したと言い
ます。
関連する幅広い分野の知見や研究成果に加えて、優れたリーダーた
ちによる実践例、さらには著者自らの試みを踏まえて解説されてい
きます。
はじめに、科学と人類史から脳の機能を再定義していきます。次い
で脳の働きごとに6つのモードに分類し、それぞれ具体的な鍛え方
を20 のメニューとして提案しています。
人の知性を体系化した上でトレーニングの方法がまとめてあります
ので、読んで実践すれば、新時代を生き残るために必要な脳の機能
が強化されていくはずです。
AI時代の到来に不安を感じている人や、これを奇貨として生き残
り、活躍するために、脳を鍛えたいと考えている人など、ビジネス
パーソンに広くおすすめします。
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