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2023/11/24
部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです
上司が知るべき若手社員のリアル
若手社員が成果をあげた時「素晴らしい!」と大きな声でほめる、日頃から「どうすれば若手社員に火がつくか」考えている。最近の若手は「自分から動こうとしない」と思っている。これらは、いずれも古い考え方や接し方だ。最近の若手社員には、合わない。それどころか、むしろ「やってはいけない」真逆のアプローチだ...
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■今週の選書
■部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです
■伊藤誠一郎
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■■選書サマリー
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上司が知るべき若手社員のリアル
【1】
若手社員が成果をあげた時「素晴らしい!」と大きな声でほめる、
日頃から「どうすれば若手社員に火がつくか」考えている。最近の
若手は「自分から動こうとしない」と思っている。
これらは、いずれも古い考え方や接し方だ。最近の若手社員には、
合わない。それどころか、むしろ「やってはいけない」真逆のアプ
ローチだ。
上司が「若手社員のことがよくわからない」「若手社員にどう接す
ればいいのかわからない」と上司や先輩が言う一方、若手は若手で
居づらさを感じている。
まず、良いとか悪いとか、個人の主義や主張による議論ではだめ
だ。単に時代が変わったのだ。そのことを年長者がいかに自然に受
け入れ、順応できるかがポイントだ。
【2】
「最近の若手社員はどうしたら火がつくのか?」という。これは管
理職向けの研修で、上司たちから頻繁に耳にする言葉だ。だが、最
近の若手社員はやる気がないわけではない。
彼らは、外部からの刺激に慣れていないのだ。そのため、やる気を
表面に出すことが不得手だ。内面では、周囲の期待に応えたい、社
会人として一人前になりたいという思いを静かに燃やしている。
つまり、火をつけようとする発想自体が古いのだ。そんな発想を持
たないことが、今の若手社員に対する現実的な対応方法だ。
若手は日々少しずつ、徐々に、緩やかに成長していくものだと考え
を変えるべきだ。そして、温かい視線で見守る。そうすることで、
最近の若手社員は安心して、やる気を成長につなげていく。
大事なことは「最近の若手はそういうものだ」と冷静に受け入れる
ことだ。「火がつかない」「変わらない」と否定的な感情は抱かな
い、それが若手との友好な関係性作りの第一歩だ。
【3】
最近の若手は「自ら動かない」などとネガティブな感情を抱いてい
ては、距離は縮まらない。「動かない」のでなく「動けない」の
だ。この視点に立てば受けとめ方が変わるばずだ。
支援する気持ちで歩み寄れば素直に耳を傾けるのが今の若手だ。上
司は「与えられた情報だけでは一人前になれないこと」「状況や相
手の感情を読み取って、言われずとも行動すべきこと」を教える。
若手に「言われなくても行動すべき時って、具体的にどんな時です
か?」と質問されるかもしれない。そうなったら、仕事で起こり得
ることを1つひとつ教えてあげればいい。
その上で、相手の成長のタイミングを見て「自分から動く」という
本来の意味が理解できたかどうかを確認していく。そうすれば、指
示出し上司と指示待ち部下の関係には陥らないはずだ。
【4】
年代や役職を問わず、仕事に前向きに取り組んで成長していくに
は、モチベーションを高め、維持していくことだ。そのためには、
「承認欲求」が満たされることが大きく影響する。
今の若手社員は、出世に対する魅力を感じない。「大きな責任を負
わされてまであわただしく日常を送るぐらいなら、そこそこの地位
でマイペースにおだやかに暮らしたい」と言う。
むしろ、彼らは貢献欲が強い。周囲を押しのけて上にいきたいとい
う思いは持たず、組織の中の一員として自分の存在を認められたい
という欲求を強く持っている。
たとえば、大きな成果を出したら「助かっているよ」と言う。見違
えるような変化を遂げたことに対しては「役に立っているよ」とい
った言葉をかける。
「いつもありがとうね」と何気ない瞬間に軽く言葉をかけること
も有効だ。こういう言葉が、若手社員の貢献欲を満たすことにつな
がるのだ。
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■■選書コメント
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部下育成の方法です。特に、若手社員のことが理解できない、接し
方がわからないという上司や先輩社員が増えています。実際、新卒
の約3割が3年以内に離職すると言われる時代です。
彼らにどう接すればいいのか、どんな声かけをすれば伸ばせるの
か、その傾向と対策を若手社員育成の専門コンサルタントが教えて
くれます。
読めば、最近の若手社員が理解できるようになり、彼らとの溝が埋
まります。その結果、彼らが伸びる環境が作れます。貴重な若い力
を組織の原動力にできるようになれると思います。
タイトルには「困ったら何でも言ってね」はNGとあります。実際
はそれはあくまでも一例で、他にもNGは色々あります。本書には
そんなNGの数々が紹介されています。
最近の若手の傾向としては、たとえばリアクションが薄い、やる気
を見せない、失敗を怖がる、出世欲がない、みんなでほめられた
い、言葉を表面的に捉えやすいなどがあげられます。
これに対して、提示される対策は、できたことに着目する、最初か
ら正解を教える、肯定と承認の指導などです。このように、上司は
若手にどう対処すべきかを具体的に教えてくれます。
時代は変わったのですから、上司は自分の主義や主張に捉われてい
る場合ではありません。変化を受け入れて順応しなければおいてい
かれるのは自分のほうです。どう変わるべきかは本書が教えます。
というわけで、若手をたばねる40~50代くらいのいわゆる氷河期
世代の管理職や、先輩世代である30代の中堅社員など部下や後輩
のいるビジネスパーソンであれば、業種を問わずおすすめします。
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