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2024/05/10
「がんばらない」仕組み
がんばらないことを頑張らない
仕事や自己研鑽、家事、子育て、プライベートの充実など、誰もが様々なことを頑張っている。本当は、疲れているはずだ。疲れが溜まって頑張りが効かないかもしれない。であれば、堂々と休むべきだ。疲労感はわずかでも蓄積され、やがてパフォーマンスを大きく低下させたり、体調不良となったりする。それを防ぐには休むしかない...
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■今週の選書
■「がんばらない」仕組み
■下園 壮太
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■■選書サマリー
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がんばらないことを頑張らない
【1】
仕事や自己研鑽、家事、子育て、プライベートの充実など、誰もが
様々なことを頑張っている。本当は、疲れているはずだ。疲れが溜
まって頑張りが効かないかもしれない。
であれば、堂々と休むべきだ。疲労感はわずかでも蓄積され、やが
てパフォーマンスを大きく低下させたり、体調不良となったりする。
それを防ぐには休むしかない。
だが、頭でわかっていても、頑張ることはやめられないものだ。な
ぜなら、子供のころから頑張ることを大切な価値観として教え込ま
れてきたからだ。諦めずに努力することで乗り越えてきたからだ。
だから、休めと言われると、努力が否定された気になったり、どう
すればいいのかわからなくなったりしてしまう。頑張らないことへ
の抵抗感が簡単に拭い去れないのだ。
【2】
これを防ぐには、頑張らないことを仕組み化することだ。頭で考え
るより先に、少しでも心身の不調を感じたら、自動的に思考・行動
が頑張らないモードに切り替わる仕組みを作っておくのだ。
そうすれば無理をしなくなり、結果的に高いパフォーマンスが発揮
できるようになる。この仕組み化は、コツさえ理解できれば誰にで
もできる。がんばらないことは、精神論でなく技術なのだ。
もちろん、頑張ることは大事だ。頑張ると頑張らないことをうまく
ギアチェンジする術を覚えることが大事なのだ。頑張らない仕組み
でこのバランス感覚を取り戻すべきなのだ。
このがんばらない仕組みは、ビジネスに限らず、人間関係やプライ
ベートライフにおいても効果がある。がんばらない仕組みを活用す
れば人生を快適化することができるのだ。
【3】
特に日本人は頑張り屋だ。目標に向かって努力し、諦めずに全力を
尽くすことこそ美徳であり、脅迫観念なのだ。頑張ることが癖にな
っているのだ。これは年齢を重ねても変わらない。
日本人は、頑張る精神を先祖から引き継いでいる。農耕社会は長期
に頑張り続ければ安定して大量の食料を確保できると言うメリット
があった。努力や継続に価値があったのだ。
こうして頑張り続けた先に良いことがあるという考え方が日本人の
根幹になったのだ。こうした発想は、猟に出て、今日頑張れば今日
獲物が取れると考える狩猟民族の精神性とは大きく異なる。
頑張らない人間は、自動的にダメ人間の烙印を押されるのが日本人
だ。こうしてDNAに組み込まれたがんばる系システムは揺らがな
い。だから、私たちは頑張ることをやめられないのだ。
【4】
だが、本当はどんなに頑張ってもうまくいくと限らない。それでも
頑張ってしまうのは、理屈でわかっていても、感情がそれを理解で
きないからだ。
人間の脳には、論理と感情の2種類のコンピューターが存在してい
る。前者は筋道を立てて考える際に使われる。後者は雰囲気、イメ
ージと感覚から物事を捉える系のコンピューターだ。
論理より感情のほうが強力で変わりにくい。だから、頑張りすぎは
良くないと理屈でわかっていても、感情が拒絶するのだ。頑張るか
どうかは、理屈でなく感情が決めるのだ。
そして、とにかく頑張らない人が嫌いなのだ。単なる好き嫌いで、
自分にも他人にも頑張りを強いているのだ。だから、楽して成功す
る人が許せないのだ。「いつかバチが当たる」と考えたりするのだ。
逆に、好きなのは「石の上にも3年」だ。辛抱してコツコツ頑張っ
ていれば、必ず成功するというストーリーが好きなのだ。つい感情
移入してしまうのだ。
こうした環境下にあって、怠け者になることには、かなりの勇気が
いるものだ。変わりたいなら、まずはこうした自分たちの特性を知
るところから始めるべきなのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837929826
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■■選書コメント
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「がんばらない」技術をお教えてくれる本です。現代人は、色々な
ことを頑張りすぎて疲弊しています。結果、効率が落ちたり、病気
になったりします。
休まねばと思っても、中々行動に移せません。大事なことは、気持
ちでなく、仕組みで休むことです。がんばらないことを仕組みにし
てしまうことです。
本書は、がんばりすぎのメカニズムと、休む仕組みの作り方を教え
ます。元自衛官で、人気心理カウンセラーの著者が、わかりやすく、
実践的に教えてくれます。人生を快適にするコツがここにあります。
本書では、はじめにがんばりのメカニズムを紹介します。特に、農
耕民族としての歴史が長い私たち日本人は要注意であることがわか
ります。
その上で、すぐに実践できるがんばりすぎない仕組みの作り方を詳
しく紹介してくれます。疲労の自己判断の目安として疲労の三段階
を紹介し、機械的に休む方法や睡眠の方法にも触れていきます。
最終章では、がんばらない仕組みの実践方法を紹介します。やらな
くてすんだことリストを作る、OODAループを活用する、ひと休み
を戦略的に取る、相談窓口を確保しておくなどです。
他にも、人間関係の仕組み化として、SNSとのかかわり方や断る
方法、怒りの沈め方、ストレス解消法なども紹介してくれます。読
めば、無駄ながんばりが防げるはずです。
その結果、疲れ果ててメンタルを病むリスクが回避できます。それ
どころか、仕事もプライベートも楽しく、効率的に進むようになる
はずです
ということで、夢や目標を追いかけている人、結果を出すためには
努力を惜しまない人、慢性的な残業や休日出勤、人づきあいなどで
疲れてしまった人など、ビジネスパーソンに広くおすすめします。
★本書の詳細、お買い求めは、
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