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2024/08/09
言葉にする習慣
自分の言葉を見つける
伝え方を学んだだけでは言葉にする力はつかない。まず、自分が何を言いたいのかを把握する必要がある。「これが伝えたい」という意思がないまま、まとめたものは人の気持ちに刺さらない。「こう書けば売れる」「このフレーズならクリックされる」という型に当てはめてコピーを書くことは簡単だ。だが、何を言うかをはっきりさせないままでは意味がない...
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■今週の選書
■言葉にする習慣
■さわらぎ寛子
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■■選書サマリー
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自分の言葉を見つける
【1】
伝え方を学んだだけでは言葉にする力はつかない。まず、自分が何
を言いたいのかを把握する必要がある。「これが伝えたい」という
意思がないまま、まとめたものは人の気持ちに刺さらない。
「こう書けば売れる」「このフレーズならクリックされる」という
型に当てはめてコピーを書くことは簡単だ。だが、何を言うかをは
っきりさせないままでは意味がない。
ネットで拾ったような言葉をテンプレートに貼っただけのコピーで
は、お客様に選ぶ理由が伝わらない。仮に短期的に売れたとしても、
すぐ飽きられたり、他のものに乗り換えられてしまう。
大事なことは、コッコいい言葉を並べることではない。どんな視点
で何を言うかを考えることだ。「何を言うか」を決めず「どう言う
か」だけで作った企画では人の気持ちは動かないのだ。
【2】
うまく伝えられないには3つのパターンがある。すなわち、伝えた
いことがない、伝えたい事はあるが自分でも何が言いたいかよくわ
からない、伝えたいことが明確だが伝わる言葉になっていないだ。
言葉にできないと感じたら、まず目的とゴールを整理してみること
だ。「うまく言葉にできない」と悩む時、まず考えるべきは「うま
くとは何か」だ。ゴールが曖昧なままでは悩みは解決しない。
言葉にすると言っても、親しい人にかける言葉とプレゼンで使う言
葉は違う。つまり「うまく言葉にできる」の「うまく」は、状況次
第なのだ。
たとえば「会議で意見が言えない」と言う場合、その会議の目的を
考える。ゴールが「活発な意見交換」なら自分1人で頑張って、す
ごい意見を言う必要ないはずだ。
それなのに、会議の目的と無関係に「できるやつと思われたい」
などと思ってると、本来の目的とずれた、自分が目立つため、評価
してもらうための意見になってしまう。
【3】
ゴールは、共感と行動に分けられる。たとえば、同僚に最近の出来
事を話す時、ゴールが「自分の気持ちを分かって欲しいのか」「相
手に行動を変えてほしいのか」をはっきりさせる必要がある。
そうではなく、目的がただの時間つぶしなら、話の内容はなんでも
いいはずだ。共感も相手の行動も必要ない。うまく言葉にできなく
ても、何となく言葉のやりとりが続くだけでいい。
むしろ、無理して話さないほうがいいこともあるかもしれない。こ
のように自分の中でゴールを明確にしておけば、本来の目的とずれ
た発言をすることが減るはずだ。
【4】
「伝えたいこと」には、大きく2種類ある。1つ目が意見・考え方
だ。客観的に事実や証拠についていることが多い。情報提供、理解
を深める、説得などで用いられる論理的でロジカルなものだ。
2つ目が感想・思いだ。こちらは主観的だ。個人の感情、経験、直
感に根差している。個人的な対話や、感情の共感を求めるシーンで
用いられる。感情的でエモーショナルなものだ。
「言いたいことがまとまらない」「うまく伝えられない」と悩む時、
「今、この場面ではどちらを求められているのか」をまず判断する
ことが大事だ。
【5】
最近は、客観的な意見が正しくて、個人の主観には意味がないとい
う風潮がある。「自分の個人的思いなど、誰も知りたくないだろう」
と思いがちだ。だが、それこそが求められている場面も少なくない。
商品開発、マーケティングの世界では、客観的な根拠やデータより、
たった一人の主観的な思いが、売れる商品を作り出すことというこ
とがよくある。自分の個人的な体験を思いがヒントになるのだ。
客観と主観、意見と思いには、上下も正解もない。どちらも必要な
ものだ。あくまでも、その場その場でどちらがふさわしいかを判断
するべきものなのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756923356/tachiyomi-22
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■■選書コメント
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コミュニケーションの本です。日ごろから自分の考えや思いをまと
め、言葉にすることを習慣にすることで、いざという時、相手に伝
わる言語化ができるようになります。
職場でも、日常生活でも、自分の考え・思いを伝える場面は少なく
ありません。ところが、肝心な時に言いたいことがうまく伝わらず、
苛立ったり、悩んだりすることは誰にでもあると思います。
そんな悩みを抱える人に「漠然とした思い」を「自分の言葉」に変
える方法を現役のコピーライターが教えます。読んで習慣にすれば、
相手の心を動かす言葉が、自然に出てくるようになります。
著者は、自分の言葉で伝えられるようになるには、伝え方を学ぶ前
に、感じたことや考えたことを言葉にする習慣を身につけるべきだ
と言います。
そのためには、たとえばメモを取ることです。日常的に気づきをメ
モする習慣がつけば、その場しのぎで表面的に言葉をまとめるので
なく、本当の言語化力がつくと言います。
なお、本書は大きく3部に分かれています。はじめに序章で全体像
を解説し、次いで思い・考えをまとめる習慣、それを相手に伝える
習慣という順番で教えてくれます。
紹介される方法は、たとえば、周りや自分の感情を観察する、実況
中継する、言いたいことを相手が知りたいことに変換する、ざっく
り伝えてから詳細を伝えるなどです。
まずは気になった習慣を1つだけでもいいから実践してみることで
す。続ければ、習慣化するはずです。あとは無理なく力がついてい
くと思います。
というわけで、文章がまとまらない、思ったことが伝わらない、発
言が具体的でない、ありきたりな意見しか言えないなど、自分の発
言に悩む人におすすめです
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756923356/tachiyomi-22
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