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2024/10/11
お金の賢い減らし方
お金の呪縛を解く
世の中には、お金の本がたくさん出ている。だが、方向性は主に2つしかない。1つは、お金の増やし方で、もう一つはアンチお金、つまりお金至上主義に対するアンチテーゼだ。どちらもお金に縛られている点で根っこは同じだ。お金をひたすら追い求める人も「お金がすべてじゃない」という人も、結局お金に縛られている。眺める方角が違うだけだ...
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■今週の選書
■お金の賢い減らし方
■大江英樹
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■■選書サマリー
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お金の呪縛を解く
【1】
世の中には、お金の本がたくさん出ている。だが、方向性は主に2
つしかない。1つは、お金の増やし方で、もう一つはアンチお金、
つまりお金至上主義に対するアンチテーゼだ。
どちらもお金に縛られている点で根っこは同じだ。お金をひたすら
追い求める人も「お金がすべてじゃない」という人も、結局お金に
縛られている。眺める方角が違うだけだ。
本当に大事なことは、お金の呪縛から逃れることだ。お金に縛られ
るのはお金中心に考えるからだ。大事なものは、お金そのものでな
く、モノやサービスであり、それを提供してくれる人間のはずだ。
お金はそれらを手に入れるための道具に過ぎない。問題を解決して
くれた人に対する感謝の印なのだ。そう考えれば、お金に対する見
方は変わる。お金は増やすからでなく、使うから価値があるのだ。
【2】
誰もがお金の物語に惑わされている。老後不安もその一つだ。多く
の人が老後不安を感じている。にもかかわらず、自分が受け取れる
年金額を調べることも無いし、毎月の支出額も把握していない。
「不安だ」と言いながら、関心がないのだ。だから、何となく不安
を感じるのだ。もちろん、誰も自分の老後を経験したことはない。
だから不安になるのは当然だ。不測の事態も起きえる。
だが、得体の知れない老後不安に脅かされて、ひたすらお金を増や
そうとしたり、引退後も節約や貯蓄に励んだ結果、死ぬ前に1番お
金をたくさん持っているというのが今の日本人だ。
少なくとも、現時点で将来の収入予測はできるはずだ。年金収入は
安定しているし、介護にかかる費用も一人600万円くらいあれば
酷いことにはならない。過剰に心配することは無いのだ。
もちろん、将来は不確実だ。だが、老後のためにお金を増やしたい
と思うあまり、変な金融商品を買わされたり、不要な保険に入るほ
うが、よほど深刻で問題は大きいのだ。
【3】
早く経済的に自立して仕事を引退したいという人もいる。いわゆる
FIREだ。ブームの原点には、経済的自立より、引退のほうに重
点が置かれている。
理由は、今の仕事に対する閉塞感だ。大企業では、今も高齢化した
団塊世代がトップを占め、バブル世代の大量入社世代が管理職とし
て幅をきかせている。
こんな状況では、若い世代が閉塞感を覚えるのは当然だ。独立起業
する人もいるが、そこまでリスクをとれる人はごく少数だ。大半は
早く儲けて、辞めたいと考えているのだ。
彼らは、お金を増やしたいわけではなく、選択肢を増やしたいのだ。
そのために資産形成するのだ。これは、人生で1番大事なことは自
由だという人生観だ。たしかにお金があれば自由になれる。
少なくとも、お金が何よりも大事だと考えているわけではない。お
金は、あくまでも自分のやりたいことを実現するために増やすべき
かどうかを考えるべきだ。
【4】
実際にFIREするために必要な金額は人それぞれだ。金額が決ま
っているわけではない。一般的には、年収の25年分を蓄えること
が推奨されている。
それを年率4%で運用しながら取り崩せば、お金を減らさず、一生
安定した生活を送れる計算になる。年収400万円なら1億円貯め
れてそれを運用すれば、計算上毎年400万円入ることになる。
とは言え、短期間で1億円を貯めることも、4%で運用することも
簡単ではない。それよりもずっと簡単な方法がある。土台はやはり
働くことだ。給与があるから貯めることも貯めることもできるのだ。
ここで大事なことは、使うより先に貯めることだ。稼いだお金をま
ず使い、残り貯めることは無理だ。収入の一定割合を天引きや自動
引落しで先に除き、残った分で生活すれば簡単に増えるはずだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/433404655X/tachiyomi-22
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■■選書コメント
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お金の本ですが、よくあるお金の増やし方ではありません。むしろ、
その減らし方がテーマです。お金は使うからこそ意味があるとして、
その正しい使い方・減らし方を教えてくれます。
日本人の多くは、老後不安におびえて、散々働きながら、節約や貯
蓄に走ります。そのお金を使う機会がないまま、死ぬ間際が一番金
持ちというのが現実です。そんな悲しい金銭事情に一石を投じます。
読めば、そうした考えを改めたくなります。そして、人生の後半を
もっと豊かに生きるためにはどうしたらいいのか、真剣に考えるは
ずです。そのきっかけを作ってくれる本です。
世の中には、お金の増やし方の本が溢れています。お金の専門家で
ある著者のところにくる依頼も、資産運用や管理など増やす話ばか
りだそうです。
もちろん、お金はもちろん大事ですが、振り回されてはいけません。
お金は支配されるものでなく、支配して役立てるものです。どうす
ればそれができるのか、本書にはその秘訣が書いてあります。
まず、お金にとらわれ過ぎている現代の風潮に待ったをかけます。
過剰な不安を払拭し、本質を深く掘り下げた上で、本当に豊かに生
きることを可能にする価値のある使い方を提案します。
構成は、まず日本人の歪んだお金観を指摘、次いでお金の歴史と役
割、なぜお金に捉われるのかを解説した上で、お金の減らし方やお
金より大切なものを紹介していきます。
「コスパ最高が日本経済を低迷させる」「お金より優先すべき時間、
信用、健康、幸福感」など、著者のお金観が詰まっています。読め
ばお金観が根底から覆ります。
お金の不安を抱える人、もっとお金を増やしたいと考える人など、
お金に悩み、関心のある人はもちろん、人生の後半をより豊かに生
きたいと考えるすべての人、特に中高年以降の人におすすめです。
★本書の詳細、お買い求めは、
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