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2025/02/14
悪いこと言わないから「起業」はやめておけ

悪いこと言わないから「起業」はやめておけ


起業なんか、するもんじゃない
起業はやめておくべきだ。世は起業ブームで、若者だけでなく、中高年でさえ、長年勤めた会社を辞めて起業を目指そうとする。これを受け起業本や塾があふれている。政府もそれを後押ししている。だが、起業した人の8~9割は失敗する。また、起業すれば身近な人に裏切られたり、危ない橋を渡らざるを得ないこともある。給料をもらいながら暮らせるなら、それに越したことはないはずだ...

起業なんか、するもんじゃない

起業はやめておくべきだ。世は起業ブームで、若者だけでなく、中高年でさえ、長年勤めた会社を辞めて起業を目指そうとする。これを受け起業本や塾があふれている。政府もそれを後押ししている。だが、起業した人の8~9割は失敗する。また、起業すれば身近な人に裏切られたり、危ない橋を渡らざるを得ないこともある。給料をもらいながら暮らせるなら、それに越したことはないはずだ...




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の選書
■悪いこと言わないから「起業」はやめておけ
■中村真一郎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書サマリー
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
起業なんか、するもんじゃない
【1】
起業はやめておくべきだ。世は起業ブームで、若者だけでなく、中
高年でさえ、長年勤めた会社を辞めて起業を目指そうとする。これ
を受け起業本や塾があふれている。政府もそれを後押ししている。
だが、起業した人の8~9割は失敗する。また、起業すれば身近な
人に裏切られたり、危ない橋を渡らざるを得ないこともある。給料
をもらいながら暮らせるなら、それに越したことはないはずだ。
いくら「世の中を良くしたい」「事業で困った人を助けたい」とい
う熱い思いがあったとしても、自分の食い扶持が稼げなければ生き
ていくことはできない。
反対に、いくらお金を稼げたとしても、理念や思い、志がなけれ
ば、虚しくなる。これでは長く経営を続けることはできない。その
結果、去っていく経営者が少なくないのだ。
【2】
経営者が知っておくべきことは、多岐にわたる。自分の本業につい
て、誰よりも詳しく、誰よりも研究熱心であることは当然のこと
だ。さらに、お金についてもしっかり理解しておく必要がある。
また、仕事を取ってくる営業力も必須だ。そのためには、コミュニ
ケーション力も不可欠だ、これがなければ、顧客や取引先と良い関
係を築くことなどできないものだ。
自分が従業員なら問題ない。苦手なことは同僚が補ってくれる。だ
が起業したら誰も助けてくれない。コミュニケーション不足では、
仕事は回らず、会社は立ち行かなくなる。
【3】
仮に本業の分野で素晴らしい実力があり、経営者としての能力を持
っていたとしても、失敗する人は少なくない。その原因は、たとえ
ば運に恵まれないからだ。
残念ながら、起業の世界には「これをすれば絶対に成功できる」な
どという保証は無い。事業が軌道に乗っている経営者であっても、
いつ失敗するかわからないのだ。心が休まることなど無い。
経営は甘くないのだ。「楽して稼げる」とか「働かずに悠々自適な
生活が送れる」などということは決してない。生き残るためには、
それ相応の努力が欠かせないのだ。
【4】
起業したら、家族と過ごしたり、リフレッシュしたりしている時
も、常に仕事のことを考えることになる。それくらい仕事に没頭で
きなければ事業は立ち上がらないし、続かない。覚悟が必要だ。
夢も希望もないと思うかもしれないが、その通りだ。経営の現場は
きれいごとだけでは済まない。魑魅魍魎が跋扈する、生き馬の目を
抜くような世界なのだ。
それでも、起業したい人はすくなくないはずだ。そういう人は、起
業の大半は失敗するし、継続も難しいという現実を知った上で挑戦
するべきだ。少なくとも3年は人一倍働いて努力する必要がある。
しかも仕事に自分の思いを込める必要がある。お金が欲しい、良い
生活がしたい、社長になりたいくらいの思いでは、孤独に耐えて人
一倍働くことなどできないはずだ。
【5】
これだけ辛い思いをしても経営者をするのは、辛さ以上の喜びと思
いがあるからだ。社員が生き生きと働き、会社の業績が回っていく
様子を見るのは、最高の喜びだ。
この喜びは、ゴルフでベストスコアを出すとか、ハワイで1週間、
のんびり暮らすとか、銀座で豪遊するとかの喜びや面白さとはくら
べものにならないものだ。
自分が経営することで、会社が成長し、社会に貢献し、共に働く社
員たちが幸せになるのだ。こんなにすばらしい仕事、楽しい仕事は
他に見当たらない。
そのためには、孤独に耐えて人一倍働かなければならない。相当な
覚悟が必要だ。だから「悪いこと言わないから起業はやめておけ」
と言いたのだ。それでも、挑戦する価値はあるはずだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434347837/tachiyomi-22
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書コメント
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
起業の本です。タイトルからは想像できないと思いますが、起業の
すすめです。ただし、安易にはすすめません。厳しいところを含め
実態を伝え、覚悟させた上で後押しします。
ネガティブなことを色々と語り「嫌ならやめておけ」というスタン
スです。「起業が夢」「とにかく現状を変えたい」「社長になって
みたい」程度の気持ちの人は気持ちがなえると思います。
とは言え、目的は起業に水をさすことでなく親切心ということで
す。散々絶望を味わった末に成功した著者の本音のアドバイスで
す。読んで、それでも起業したい人には沁みる内容です。
起業の本は、夢を語りがちです。類書を見ても、勤め人のデメリッ
トと起業のメリットばかり描き、甘い言葉で夢を語ります。でも、
「それを真に受けると地獄を見る」と著者はいいます。
そして、現実を赤裸々に描いていきます。その上で、起業家に求め
られるマインドや考え方、経営感覚の育て方を紹介します。従来の
起業の本とは、まったく違うアプローチです。
具体的には、まず実情と心がまえを解説した上で、求められる準備
を解説します。特に重要なお金と営業力、組織運営の話は、章を設
けて解説していきます。
全般、厳しいことが綴られているため、読むだけでくじけるかもし
れません。でも、本書の内容は起業あるあるです。読んでくじける
くらいなら、著者の言う通り、やめたほうがいいと思います。
それでも挑戦したい人は挑戦するべきです。やった人にしかわから
ないやりがいや充実感があります。そういう意味で、本書は起業の
適性検査、リトマス試験紙と言えそうです。
いつかは起業したい人、すでに起業に向けて準備を始めている人、
さらに、起業したばかりの新米起業家は、覚悟を決めるためにも、
一読をおすすめします。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434347837/tachiyomi-22
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◎バックナンバー→ http://www.bbook.jp/backnumber
◎ご意見、お問い合わせ、→ info@kfujii.com 
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2025
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■悪いこと言わないから「起業」はやめておけ

■中村真一郎

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起業なんか、するもんじゃない


【1】


起業はやめておくべきだ。世は起業ブームで、若者だけでなく、中

高年でさえ、長年勤めた会社を辞めて起業を目指そうとする。これ

を受け起業本や塾があふれている。政府もそれを後押ししている。


だが、起業した人の8~9割は失敗する。また、起業すれば身近な

人に裏切られたり、危ない橋を渡らざるを得ないこともある。給料

をもらいながら暮らせるなら、それに越したことはないはずだ。


いくら「世の中を良くしたい」「事業で困った人を助けたい」とい

う熱い思いがあったとしても、自分の食い扶持が稼げなければ生き

ていくことはできない。


反対に、いくらお金を稼げたとしても、理念や思い、志がなけれ

ば、虚しくなる。これでは長く経営を続けることはできない。その

結果、去っていく経営者が少なくないのだ。


【2】


経営者が知っておくべきことは、多岐にわたる。自分の本業につい

て、誰よりも詳しく、誰よりも研究熱心であることは当然のこと

だ。さらに、お金についてもしっかり理解しておく必要がある。


また、仕事を取ってくる営業力も必須だ。そのためには、コミュニ

ケーション力も不可欠だ、これがなければ、顧客や取引先と良い関

係を築くことなどできないものだ。


自分が従業員なら問題ない。苦手なことは同僚が補ってくれる。だ

が起業したら誰も助けてくれない。コミュニケーション不足では、

仕事は回らず、会社は立ち行かなくなる。


【3】


仮に本業の分野で素晴らしい実力があり、経営者としての能力を持

っていたとしても、失敗する人は少なくない。その原因は、たとえ

ば運に恵まれないからだ。


残念ながら、起業の世界には「これをすれば絶対に成功できる」な

どという保証は無い。事業が軌道に乗っている経営者であっても、

いつ失敗するかわからないのだ。心が休まることなど無い。


経営は甘くないのだ。「楽して稼げる」とか「働かずに悠々自適な

生活が送れる」などということは決してない。生き残るためには、

それ相応の努力が欠かせないのだ。


【4】


起業したら、家族と過ごしたり、リフレッシュしたりしている時

も、常に仕事のことを考えることになる。それくらい仕事に没頭で

きなければ事業は立ち上がらないし、続かない。覚悟が必要だ。


夢も希望もないと思うかもしれないが、その通りだ。経営の現場は

きれいごとだけでは済まない。魑魅魍魎が跋扈する、生き馬の目を

抜くような世界なのだ。


それでも、起業したい人はすくなくないはずだ。そういう人は、起

業の大半は失敗するし、継続も難しいという現実を知った上で挑戦

するべきだ。少なくとも3年は人一倍働いて努力する必要がある。


しかも仕事に自分の思いを込める必要がある。お金が欲しい、良い

生活がしたい、社長になりたいくらいの思いでは、孤独に耐えて人

一倍働くことなどできないはずだ。


【5】


これだけ辛い思いをしても経営者をするのは、辛さ以上の喜びと思

いがあるからだ。社員が生き生きと働き、会社の業績が回っていく

様子を見るのは、最高の喜びだ。


この喜びは、ゴルフでベストスコアを出すとか、ハワイで1週間、

のんびり暮らすとか、銀座で豪遊するとかの喜びや面白さとはくら

べものにならないものだ。


自分が経営することで、会社が成長し、社会に貢献し、共に働く社

員たちが幸せになるのだ。こんなにすばらしい仕事、楽しい仕事は

他に見当たらない。


そのためには、孤独に耐えて人一倍働かなければならない。相当な

覚悟が必要だ。だから「悪いこと言わないから起業はやめておけ」

と言いたのだ。それでも、挑戦する価値はあるはずだ。


★本書の詳細、お買い求めは、

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434347837/tachiyomi-22


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■■選書コメント

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起業の本です。タイトルからは想像できないと思いますが、起業の

すすめです。ただし、安易にはすすめません。厳しいところを含め

実態を伝え、覚悟させた上で後押しします。


ネガティブなことを色々と語り「嫌ならやめておけ」というスタン

スです。「起業が夢」「とにかく現状を変えたい」「社長になって

みたい」程度の気持ちの人は気持ちがなえると思います。


とは言え、目的は起業に水をさすことでなく親切心ということで

す。散々絶望を味わった末に成功した著者の本音のアドバイスで

す。読んで、それでも起業したい人には沁みる内容です。


起業の本は、夢を語りがちです。類書を見ても、勤め人のデメリッ

トと起業のメリットばかり描き、甘い言葉で夢を語ります。でも、

「それを真に受けると地獄を見る」と著者はいいます。


そして、現実を赤裸々に描いていきます。その上で、起業家に求め

られるマインドや考え方、経営感覚の育て方を紹介します。従来の

起業の本とは、まったく違うアプローチです。


具体的には、まず実情と心がまえを解説した上で、求められる準備

を解説します。特に重要なお金と営業力、組織運営の話は、章を設

けて解説していきます。


全般、厳しいことが綴られているため、読むだけでくじけるかもし

れません。でも、本書の内容は起業あるあるです。読んでくじける

くらいなら、著者の言う通り、やめたほうがいいと思います。


それでも挑戦したい人は挑戦するべきです。やった人にしかわから

ないやりがいや充実感があります。そういう意味で、本書は起業の

適性検査、リトマス試験紙と言えそうです。


いつかは起業したい人、すでに起業に向けて準備を始めている人、

さらに、起業したばかりの新米起業家は、覚悟を決めるためにも、

一読をおすすめします。


★本書の詳細、お買い求めは、

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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2025

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

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