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2025/02/28
感謝脳
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感謝の正体
自己啓発本には「感謝するとうまくいく」と書いてある。だが、その通りに感謝したり、「ありがとう」と言ったりしているのに、まったく効果が出ないという人もいる。そういう人は、やり方を間違えている。たとえば、感謝の気持ちがあっても相手に言葉で伝えていないとか、感謝していないのに、呪文のように「ありがとう」と唱えている。それでは効果は出ない...
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■今週の選書
■感謝脳
■樺沢紫苑・田代政貴
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■■選書サマリー
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感謝の正体
【1】
自己啓発本には「感謝するとうまくいく」と書いてある。だが、そ
の通りに感謝したり、「ありがとう」と言ったりしているのに、ま
ったく効果が出ないという人もいる。
そういう人は、やり方を間違えている。たとえば、感謝の気持ちが
あっても相手に言葉で伝えていないとか、感謝していないのに、呪
文のように「ありがとう」と唱えている。それでは効果は出ない。
感謝については、科学的根拠がある。米国を中心に幸福心理学が普
及し、親切や感謝などのポジティブな感情、幸福感などにフォーカ
スした心理学的研究が進んでいる。
こうした研究では、ポジティブな感情は仕事やメンタル、睡眠、体
調、幸福度に効果があることが立証されている。さらには、感情と
脳の関係や脳内物質の分泌の仕組みも明らかにされつつある。
【2】
感謝には、3つの段階がある。まず、何かしてもらったら「ありが
とう」と言う親切に対する感謝だ。次に、当たり前のことに「あり
がとう」と言う日常に対する感謝だ。
そして、1番上のステージあるのが、何が起きても「ありがとう」
という逆境への感謝だ。ここにたどり着くことではじめて「感謝
脳」が完成するのだ。
そのためには、自分にとって「何が幸せか」を知ることだ。そして、
日常のありがたさに気づき、それを自然に感じられるようになることだ。
そうすれば、どんなピンチに直面しても感謝でき、何が起きても
「ありがとう」と思えるようになりはずだ。普段から感謝思考を心
がけることが、ステップアップには必要なのだ。
【3】
感謝なしでは、幸せにはなれない。夢も叶わない。うまくいく人
は、常に感謝し続けている人だ。そのためには日常が、感謝にあふ
れる日々にならなければならない。
なぜなら、人生は当たり前の日常が大半を占めるからだ。たとえお
金持ちになっても、やがてそれは当たり前になる。逆に経済的に貧
しくても、感謝して幸せに生きている人はたくさんいる。
幸せの基準が高くなり、それが当たり前になれば、どこまでいって
も幸せにはなれない。幸せが自分の一歩先にあるように思えてしま
うからだ。そうなると、永遠に幸せに追いつくことができない。
【4】
言葉に思いを乗せるには、語源をすることだ。感謝の語源は「あり
がとう」や「ごめんなさい」という言葉を射ることで、緊張した状
態を緩め、相手の中に存在する神の心も動かすことだ。
「ありがとう」は、自力ではあり得ない現象が起きた時に由来する
「有り難し」が語源だ。元々、自然界や神仏に使われていた。それ
が、感謝の気持ちを伝えるために用いられるようになった。
大事なことは、単に「ありがとう」と言えばいいというものではな
いことだ。感謝の言葉を発する手前には、感謝の念があることが大
前提だ。
念は、今の心と書く。今、目の前にいる人、今、起きていることを
大事にすることが大事だ。それを積み重ねることが、心を込めるこ
とにつながり、感謝の念として自然に現れてくるのだ。
【5】
何かしてもらったら「ありがとう」と感謝の気持ちを伝える事だ。
そのためには、いただいたことに気づく必要がある。これを「知恩
感謝」と言う。
これができたら、自分も誰かに恩を送ることだ。これを「報恩感
謝」と言う。恩を自覚したら、今度は自分が恩を送り、恩の循環
をさせるのだ。それが巡り巡って自分を幸せにするのだ。
日ごろから「ありがとう」と言おう、「ありがとう」と言われよう
と意識して行動することだ。なぜなら、互いに伝え合うことが、幸
せの本質だからだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4868010522/tachiyomi-22
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■■コメント
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感謝のすすめです。うまく生きる秘訣は、感謝することと言われて
います。でも、ただ「ありがとう」と言っていればいいわけではあ
りません。感謝にも正しい方法があるのです。
本書は、そんな感謝の正しい方法を解説する、いわば感謝のマニュ
アルです。著者は精神科医と感謝の専門家で、脳科学と実例から効
果が実証されている方法が体系化されています。
読んで実践すれば、ビジネスも人生も好転させることができます。
そして、本書との出会いに感謝できると思います。これからの人生
を前向きに生きる決意ができるようになると思います。
感謝の効用を説く本はたくさんあります。何なら、自己啓発書の大
半にはそれが書いてあります。ただ、科学的根拠が乏しく、著者の
体験談の域を出ないものやスピリチュアル系のものばかりです。
その点、本書は、精神科医の科学的裏付けと感謝の専門家の豊富な
事例と共に解説します。その上で感謝の方法に詳しく言及します。
類書のない画期的な本と言えます。
具体的には、まず感謝で人生が好転する理由を科学的データと事例
から解説します。その上で、どう感謝すればいいのか、正しい感謝
の方法を解説していきます。
感謝で病気やストレスが軽減し、勉強や仕事のパフォーマンス、さ
らには会社の業績まで良くなる理由がわかります。また、悪口で早
死にする、感謝の表現集など、興味深いテーマが満載です。
感謝しているのに人生が好転しないと嘆く人、感謝の仕方がわから
ない人、感謝の気持ちを伝えるのが下手な人など、感謝し、感謝さ
れながら、前向きに生きたいと考える人におすすめします。
★本書の詳細、お買い求めは、
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