vol.18 2007年8月17日
テーマ :耽読日記 読書術

本が呼んでいる!キラリと光る本の見つけ方

書店で本を手にするかどうか、結局、最後の決め手になるのは、表紙のデザインです。「一枚の写真は100の言葉に勝る」などというように、人は言葉よりも映像やビジュアルから得る情報が圧倒的に多いのです。

それだけに表紙のデザイン如何で、本は売れたり売れなかったりします。特に、オンライン書店で買う人が増えたこともあり、売る側に「表紙で目立たなければ」という焦りがあるのだと思います。

このように、売上の決め手になる表紙のデザインは、タイトル同様、売るためのしかけが満載です。だから、デザインが優れているからと言って、中身が優れているとは限りません。

ただ、表紙のデザインにはお金がかかりますので、表紙のデザインに力を入れている本は、少なくとも出版社は力を入れている一押しの本と考えて間違いないと思います。

なお、デザインにも流行、廃りがあります。かつては、書店で目に留まるように、原色や蛍光色一色の本がたくさんありました。競争がエスカレートして、メタリックまで現れたあたりで収束した感があります。

また、著者がTVなどで顔を知られていたり、ビジュアル的に有利な美男・美女だったりする場合、表紙に著者の顔写真を大きく載せることも流行ました。

最近は、こうした反動からか、シンプルなものに戻っているようです。イメージ写真を使ったり、白ベースに黒いテキストを使うなど、ベーシックなものが増えています。

いずれにしろ、ベストセラーが出ると、各社とも「右へ倣え」します。これが流行廃りになっているのです。

なお、最近人気の新書だけは、出版社ごとに表紙のデザインを統一しています。そのため、表紙のデザインで判断する手は使えません。前出のタイトルや著者名などから判断するしかありません。

最終的にその本を手に取るかどうかを決めるのは直感です。本好きが集まると、よく「この本、書店で呼んでたんだよね?」などという言い方をします。

時々、本の洪水の中から「自分を読んでくれ!」と言っているように思える本が、本当にあるのです。このようにして手にとった本には、意外にハズレがほとんどありません。

このあたり、本好きならではの独特のカンであり、職人芸みたいなものかもしれません。もし、書店に出向いて何となく気になる本があるなら、たぶん、直感が働いたのだと思います。ぜひ手に取ってみてください。


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