テーマ :耽読日記 読書術
「はじめに」にエッセンスが詰まっている
書店で、手にする本が決まったら、実際にその本を手にしてみて、自分の目で中身をチェックします。とはいえ、書店の店頭で頭から読み始めるわけにはいきません。
そこで、本のブラウジングをします。まず「はじめに」の部分をチェックします。本によっては「プロローグ」とか、「序章」とかいう表現になっているかも知れません。
いずれにしても「目次」の前など、一番最初に書かれている短めの文章をサッと呼んでみるのです。この部分は、とても大切な箇所です。
著者の書籍にかける想いや、書籍のエッセンスが詰まっていて、本の中身を知る重要な手がかりになるからです。著者の、読者に向けたラブレターと考えて良いでしょう。
まず「この本は誰に向けて書いたのか」、すなわち対象読者を確認します。良書は、この対象読者の設定が明確です。たとえば「経済を学び始めたばかりの人に」とか「投資に興味がある人に」などという具合です。
具体的に明示していなくても、良書なら対象読者を特定できるはずです。文脈の中で「これこそ私のために書かれた本だ」「これは違うな」と感じさせてくれるものです。
反対にダメ本は、このあたりがあいまいだったり、不十分だったりで不明確です。書いている著者本人が、読者をイメージせずに書き進めている可能性があります。
また「誰にでも役立つ」「参考になる」といった八方美人のようなことを言っている本もお薦めできません。売る気ばかりが先行している本で、やはり読者のことを考えていないからです。
対象読者が確認できたら、つぎに著者がこの本を、どういう意図で書いたのか、すなわち執筆目的を調べます。多くの著者は「はじめに」の中で、自分が本を書いた経緯や目的を明言します。
著者が、執筆した目的と、あなたが読書をしたいと考える理由が、ばっちり合致しているようなら、その本は迷わず買いです。
さらに親切な著者なら、この「はじめに」の部分に、章ごとのエッセンスを2?3行づつ載せてくれています。たとえば「第1章には、この本を書くにいたった経緯と問題提起が書かれています。第2章には・・・」という具合です。
このエッセンスを見て、自分の読書目的と合致しているなら、読めばいいと思います。また、冒頭にエッセンスを打ち出す著者は、読者の視点に立てる人であり、サービス精神旺盛な人である証拠です。
そのような本は、書籍の内容全般がわかりやすく書かれているものです。有力な購入動機にして良いと思います。
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