vol.23 2007年9月21日
テーマ :耽読日記 読書術

文字量チェックで読むに値するか判断する

本文をブラウジングするとき、チェックしたいことがあります。それは、文字量です。あまりにも文章が多い本は、読み慣れていない人や忙しい人には読破がきついので要注意です。

問題は、文字の少ない本です。最近は、文字を読むのが苦手な人が増えており、本離れが進んでいます。そういう人にも読んでもらおうという意図で、文章を減らす傾向にあります。

そのため、すごく薄い本や、やたらと改行の多い本、行間の広い本が増えています。このような本は、日ごろから読書をする習慣がある人からすると物足りないかも知れません。

読み手の読み易さに配慮して、あえて文字を少なくしている場合はまだいいのですが、中には著者の筆力不足で、文章が書けなかったという可能性も疑えます。このような本は論外です。

なお、文字量を大きく左右するものに、図版の有無があります。図版とは、表やグラフなどの統計資料、関連機関の連絡先、URL集、著者が内容をわかりやすくするためのイラストなどです。

文字の減少を補う目的で図版を入れる本が増えています。一冊あたりの図版の量も増加傾向にあります。さらに、図解をウリにする、図版がメインの本もたくさんあり、売れています。

しかし、読書目的で本を選ぶなら、図版は添え物です。授業で言えば、講師の話が文字、板書や配付資料が図版にあたります。図版ばかりの本は、講演会に行って、講師の話を聴かず、配付資料だけもらって帰るようなもので、読み応えがありません。

裏話をすると、文章を書くのは著者ですが、図版を書くのはデザイナーです。書き手としては、図版が増えたほうがページがかせげます。もしかすると、手抜き本の可能性もありえます。

ただし、添え物とは言え、質の高い図版は価値があります。書き手の中には、文章はイマイチだが、図説させるとピカイチという人もいます。

そういう人が書いた本は、自分の資料作りの参考と割り切るなら、購入する価値はありそうです。ただし、読書目的の書籍としては、購入は避けたほうが良さそうです。


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