vol.43 2008年2月15日
テーマ :耽読日記 読書術

即席読書メモの作り方

読んでいて理解が難解な箇所や、ポイントだと思った箇所、強い関心を持った場合などは、自分でチャートやフローなどの図式にしています。

私は右脳人間なのか、図に落とさないとしっくりこないことが多いのです。こうした図を、本の表紙や裏表紙に書き殴っています。

そもそも文章というのは、横書きなら、「左から右、上から下」、縦書きなら「上から下、右から左」に書き進むというルールがあります。

しかし、頭の中はもっと自由な空間のはずです。アイデアや思考は、頭の中では、前後左右、縦横斜め、上下にも、自由自在に動き回っているはずです。2次元でなく、3次元空間のはずです。

私の場合、アイデアがどんどん沸くときは、ジャガイモの芽が育つときのようなイメージです。中心から放射線状に、にょきにょきと伸びていく感じです。

著者だって、きっと自分の頭の中では、自分の考えを立体的に発想し、把握しているはずです。書くときも、できればもっと自由に書きたいはずです。

しかし、紙にしても、PCのスクリーンにしても2次元空間です。そのため、文章には上から下、右から左のルールがあります。やむなくそのルールに従っているのです。

ルールのフィルターを通過している分、読者には著者の考えや気持ちが、100%伝わりにくくなっています。訳書では、原書の細かいニュアンスが伝わらないのと同じことです。

そういうときは、著者が思考したときの状態に戻すのが、読者の役目だと思うのです。

喩えるなら、フリーズドライの食品にお湯をかけて解凍するような感覚です。著者が冷凍保存したアイデアを、読者は電子レンジで解凍して摂取する、そんなイメージです。

その際に活用したいのが、フローチャートや表のような図です。図を使うと、著者の考えが、著者の頭の中にあるのと同じ状態に再現できる感じがします。

最近、このような加工作業までを終えた状態の本まで登場しています。書籍を図解したムック本です。「図で考える?」といったたぐいの本です。

しかし、図をおこす作業は、できれば自分でやったほうが良いと思います。なぜなら、作成の過程で理解が高まりますし、絶対に記憶に残るからです。

なお、いろいろ書きましたが、これはあくまでもビジネス書の読み方です。応用できるのは、せいぜいビジネス系の雑誌や新聞までです。さすがに、小説やコラムなどには使いません。


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