テーマ :耽読日記 読書術
該当箇所をコピーして、差しあげる
書籍をプレゼントするにあたって、買ってあげることが難しければ、必要箇所だけコピーをとって渡すという方法もあるでしょう。
この手は、結構普及しているようです。私も何人かの仲間から、書籍や新聞のコピーを手渡されたことがあります。 私のコンサルタント時代の師匠は、この手法の達人でした。会うたびに「ちょうど、これが欲しかったんだよな?」という情報をくれました。
彼の場合、書籍に限らず、新聞や雑誌などからも情報を見つけてきては、コピーをくれました。いずれにしても、会うたびに、私にピッタリの情報のコピーをくれました。
コピーをいただくと、日ごろ「自分のことを気にかけてくれているんだな」という気持ちが伝わってきて、感動しました。結果的に「この人のお役に立ちたい」という気持ちが芽生えました。
私も、真似してみましたが、なかなか大変です。薦められる側は楽ですが、薦める側は、よほど相手のことを理解し、気にかけていないとできません。 まず、相手の求めている情報が引っかってきません。いつも相手が「何を欲しているか」「何を提供すれば喜ぶか」を考えていなければなりません。
本を読む時も、絶えずいつもそのことを念頭におきながら読まなければなりません。 「相手に貸しを作ろう」などという、よこしまな気持ちだけでは、とても続けられる芸当ではありません。心底、相手のことを思う気持ちが大切です。
ただ、この方法には、相手を感動させる以外にも副産物があります。まず、いつも相手が「何を欲しているか」「何を提供すれば喜ぶか」を考えるクセが付きます。 いわゆる行間を読む力がつくのです。
この力は、コンサルタントの仕事には不可欠です。クライアントが「本当は何を求めているのか」本音を知ることがとても重要なのです。他の仕事にも大いに生かせると思います。
また、相手のために選書することで、問題解決能力が高まります。選書とは、相手の問題の本質を見極め、その解決に役立つものを、ズバリ選定することです。 これは問題解決そのものです。この能力は、日々鍛錬することで磨かれます。
私は、ビジネス書のソムリエを目指しています。相手の要望や悩みを聞き、相手のニーズに合わせて、その人にピッタリの書籍を、タイムリーに書籍を薦めることです。 ホームドクターもイメージに近いかもしれません。相手の症状から、最適な薬や簡単な処置、病院の紹介などを行うお医者さんです。
今は、メルマガという形で、ビジネスパーソン全般を対象に、役に立てていただけそうな書籍を選んでは紹介しています。
しかし、本当はもっと個別の問題解決もできると思っています。 私が紹介した本で、相手の問題が解決できたら、これほど嬉しいことはありません。本には、その力があると確信しています。
あとは、本との出会いを演出することです。私が、いつかその役目を担えるようになれれば、これほど幸せなことはないと思っています。
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