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インタビュー

著者に訊けビジネス選書家 藤井孝一の直撃インタビュー

ビジネス書のベストセラー著者に、著者インタビューで定評のある藤井が直撃体当たりインタビューをしてきます。本に書けなかったメイキングから、執筆の苦労話、読者への熱いメッセージまで、著者から引き出します。

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2007/11/08
最短で結果が出る超勉強法 ‐ 荘司雅彦さん

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今回は『最短で結果が出る超勉強法(講談社)』の著者、荘司雅彦氏にお話を伺います。本書では、カリスマ弁護士である著者が編み出した独自の勉強の方法論を紹介。短期間で知の力をつけ、人生を成功へと導くノウハウ満載の1冊です。
荘司雅彦
荘司雅彦(しょうじ・まさひこ) さん

1958年、三重県生まれ。81年、東京大学法学部卒業、日本長期信用銀行入行。85年、野村證券投資信託入社。86年9月末に退社し、翌10月、ゼロから司法試験の勉強を始める。独自の勉強法を考案して、88年、当時としては最速のペースで司法試験合格。91年、弁護士登録。主な著書に『中学受験BIBLE』など。

●現在のお仕事に至るまでの経緯をお教え下さい。

荘司:大学を卒業した後にいったん就職しましたが、弁護士を目指して退職。司法試験の勉強を始めました。司法試験に合格してからは、民事、商事、家事、刑事、倒産処理など、ありとあらゆる事件を取り扱ってきました。現在では、体調の関係で、弁護士としての業務はお休みして、執筆・講演を中心に活動しています。

●本書を書かれた経緯をお教え下さい。

荘司:私が東大、司法試験を受けた時代は、世の中に勉強の方法論があふれていました。私自身も、それらを参考にしながら、自らも工夫を凝らして、効率良く勉強を行なっていました。
でも、私が勉強していた頃と一転し、今は、勉強の方法論が廃れてきているように感じます。それに伴い、受験生のレベルも低下してきているようです。
そこで、私がこれまで実践し、成果を挙げてきた勉強の方法論をまとめてみようと思ったのです。

●本書の特徴をお教え下さい。

荘司:まず、本書は、ただの理論ではなく、すべて、私自身が試行錯誤しつつ実践して成果の上がったものの集大成です(当然、その陰には無数の失敗もあります(笑))。
次に、本書の方法論で真面目に勉強すれば、誰でも、まぐれでないきちんとした成果を上げることができるものです。自分が凡才であったことを告白したのも、模試の成績をわざわざ記載したのも、それを証明したかったのです。

●勉強をする前の段階で、「年だから、今さら勉強しても・・」と諦めてしまう人が非常に多いように思うのですが、その点に関しては、いかがでしょうか。

荘司:若い人たちには勝てないという固定概念が、勉強の最大の妨げなんです。あのカーネル・サンダースがケンタッキーフライドチキンを起こしたのは、60代のときですし、トロイの遺跡を発掘したシュリーマンも、高齢になってから何カ国語もマスターしています。だから、自分で自分の限界を決めないようにして下さい。これは理想論ではありません。一般的に、20歳を過ぎたころから、年齢を重ねるにつれ、脳細胞は死滅していくと言われています。しかし、最近の研究では、年齢に関係なく、ニューロンという脳神経は増加し、それに伴い、脳力は伸びるということが分かっています。歳をとって、脳細胞が死滅しても、それで勉強の効果が薄れてしまうということはないのです。複雑に道路が入り組んでいるロンドンの街を走る運転手は、ベテランになればなるほど、ニューロンが増加し前頭葉が大きくなるそうです。歳を取っても、脳は鍛えれば、鍛えるほど、良くなっていくという証明です。最近、物忘れがひどくなったという人は、年齢のせいではなく、ただ単に怠けているからかもしれませんね。

●試験に合格するかしないかは、生まれつき頭が良いかどうかも関係しているのでしょうか。

荘司:いいえ、そんなことはありません。生まれつき頭が良い人は、わずか1%だそうです。合格する人としない人の差は、成果を上げることができる勉強の方法論を実践しているかどうかなんです。
知の力を身につけた人だけが、勝者となる社会になりつつあります。いまの時代、勉強の方法論は、最高の武器となるでしょう。

(続く)

●お勧めの勉強法を教えてもらえますか。

荘司:他人にモノを教えることが、一番の勉強法です。他人に分かってもらえるように話すことで、頭の中を整理することができます。教える相手がいない場合は、家族に話すようにしてみて下さい。
娘の中学受験では、私が勉強を教えていました。そのことで、私は多くのことを学ぶことができました。45を過ぎてから随分頭が良くなったような気がします(笑)。

●忙しいサラリーマンにとって、モチベーションを維持するのは非常に大変ですね。

荘司:その通りです。モチベーションを維持するためには、長期、中期、短期と期間を分けて、目標を設定し、その目標を達成したときに、何かご褒美を上げるというようにすることをお勧めしています。
私も娘も、自分にご褒美をあげていました。なかには、「ご褒美で釣るなんて・・」と眉をひそめる方もいるかもしれません。でも、勉強に限らず、ひとつのことを続けていくためには、ご褒美は必要なものだと思っています。
まず短期の目標は、一日のスケジュールをやり遂げることです。私は目標を達成したときには、達成感という精神的ご褒美とビールを1本という物質的ご褒美を自分に与えていました。次に、中期の目標は、模擬試験の順位表の上位に自分の名前が載ったりした時、ご褒美にビールを1本余分に追加して、飲んでいました(笑)。そして、長期の目標として、択一、論文などの試験が終わったときには、ご褒美として、レンタルビデオを好きなだけ見ていました。
また、勉強仲間をつくることも大切です。図書館やスクールに行けば、同じ目標を持った仲間ができるでしょう。ただし、傷を舐め合ったり、足を引っ張ったりする人とは付き合わないことです。こうした人たちと仲良くしていると、一緒に不合格になってしまいます。
もし勉強仲間をつくるのが、難しければ、ブログに勉強の記録をつけるのもいいですね。勉強の見直しにもなりますし、ブログで反応があると、やる気も出てきます。
話は変わりますが、ブログの書き手があふれている今、誰にも読んでもらえないブログにコメントをつけていく商売を開業すれば、儲かると思うのですが(笑)。

●なるほど(笑)。ちなみに、荘司さんが司法試験を勉強していた当時のスケジュールを教えてもらえますか。

荘司:午前中は、東大図書館3階で本を読み込み、その内容をインプット。昼食をとった後は夕方まで図書館の4階で食後の眠気を誘わない作業をしていました。
昼食をとると、勉強の能率が落ちます。その前に、集中力が必要な勉強をしていました。
夜は週に4回、模試を受けていました。普通の受験生は週に1回でした。どうして、私が通常の4倍、模試を受けたかというと、模試は最高の勉強だからです。模試の問題を解いているときは、普段よりも集中しますし、間違った箇所は悔しいので絶対に忘れません。

●ところで、荘司さんは、幅広い知識をお持ちですが、普段、どのように情報収集をされているのですか。

荘司:元々、好奇心旺盛な性格です。書店に行くと、必ず最上階から順に各フロアを見ていきます。興味のある記事があれば、女性誌でも買いますよ。
私は、書籍は迷ったら買いだと思っています。たとえば、買わなかった本が、ある日突然、必要になることがあるからです。これは教材にも言えることです。だから、書籍代だけで月に10万円になりますね。

●次の本のご予定をお教え下さい。

荘司:私は弁護士時代、ノー残業で、普通の弁護士の10倍の仕事をこなしていました。その経験を活かした仕事術の書籍を、来年の1月予定で出す予定です。いまちょうど、スキマ時間を利用して、執筆しているところです。

●それは楽しみですね。最後に、読者にメッセージをお願いします。

荘司:勉強していると、必ず行き詰りや迷いがでてきます。私もそうでした。
そのような時、本書を辞書のように使って読んでみて下さい。合格体験記もそうですが、本書は一度通し読みしただけでは、内容を忘れてしまいます。常に傍らに置いて、時々開いていただければ、本書の代金の何倍もモトが取れることをお約束します(笑)。

本日はありがとうございました。
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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