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2009/06/12
けっきょく、お金は幻です。
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■■ ビジネス選書&サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数60,378部>━
■今週の選書
■けっきょく、お金は幻です。
■竹田和平/サンマーク出版
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■■選書サマリー
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お金よりも大事なもの
【1】
私は、タマゴボーロやウエハースなどの菓子を製造する竹田製菓の
オーナーだ。同時に、上場企業100社以上の大株主「日本一の個人
投資家」でもある。
会社のオーナーで投資家と聞くと、多くの人は派手な金満家で、お
金の亡者だと思うようだ。しかし、私はいつも作務衣を着て、名古
屋弁丸出しだ。
周りからは「気の良さそうな爺さんだ」と思われている。また、私
にとって、お金は大事だが、お金にそれほど執着があるわけではな
い。なぜ、そんな私のもとにお金が集まってきたのか。
それは、お金がない若いときから「お金は幸せの絶対条件ではない。
お金がなくても人間は幸せに生きられる」という哲学を持っていた
からかもしれない。
【2】
世界中で金融危機が起こった原因は、お金を過大評価したからだ。
経済の主役は、生産や販売活動にあるはずだ。ところが、アメリカ
発の金融経済は、裏方であるはずのお金を主役にしてしまった。
そして、経済価値を測る「ものさし」であるはずのお金そのものに、
大きな価値があるような幻想を世界中に振りまいてしまった。原則
を見失ったのだから、破綻するのはあたりまえだ。
では、経済を立て直すには、どうすればいいのか。お金を裏方に戻
して、実態経済を主役に据え直せばいいのだ。あたりまえの原則を
取り戻せば、時間はかかっても、経済は立ち直っていくはずだ。
お金だけではない。現代は、いろいろな面で、あたり前の原則を忘
れている。生きていくうえで大切なことは、常にあたりまえの原則
だ。もし、それを忘れたら、原点にいつも返っていくことなのだ。
【3】
たいていの人は、物事がうまくいかないとき、いつもと変わったこ
とや、違うこと、すごいことをやろうと力んだりする。そうしない
と苦しい局面は打開できないと思いこんでしまうのだ。
しかし、それは逆効果だ。むずかしい問題をむずかしく解こうとす
ると、事態はもっとこんがらがってしまう。難しくて大きな問題ほ
ど、やさしく、小さいところから解決していくのが良い。
たとえば、山を1つ築きたいなら、あなた自身が、まず率先して一
塊の土を運ぶことから始めるべきだ。頭の中で効率や人を使うこと
ばかり考えていても、土は一握りも動かない。
困ったことや悩み事があって、それが困難な問題であればあるほど
「あたりまえのこと」から始めることだ。普段と変わらないことを、
いつもよりしっかりやる。そんな姿勢が、何よりも大切なのだ。
【4】
私は個人投資家として名前を知られているから、人から投資術をた
ずねられる機会が多い。しかし、株式投資の世界には、かならず儲
けられる黄金律など存在しない。
もしあるとすれば、優良な株を安いときに買って、長い間持ちつづ
けるというオーソドックスなものだ。私は、投資の世界でも、あた
りまえのことをあたりまえにやっているだけなのだ。
また、私は投資先の経営者の相談にのったり、励ましたりする。十
分な配当をもらえば、感謝状も贈る。それは私が株主は「旦那」だ
と思っているからだ。
【5】
日本には昔から、旦那衆と呼ばれる人がいて、経済的にも精神的に
も人びとの支えになっていた。現代では企業の株を買って資金を提
供し経営者を応援する。これが会社ひいては社会全体を成熟させる。
株式投資の原則は、資金を提供して、その会社を応援し育てること
だ。ところが、それができない人が多い。あたりまえのことは、シ
ンプルでいて、貫き通すのが難しいのだ。
あたりまえのこと、原理原則を見つめなおすのだ。「足りないので
はなく、余分なものが多いのでは?」と自問するのだ。そこから解
決の糸口や、新しい視点が必ず見つかるはずだ。
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■■選書コメント
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本書は、昨今の拝金主義に警鐘を鳴らし、その上で「お金」に変わ
る価値観として「徳」を提唱し、徳を蓄えることに価値を置く「貯
徳時代」の到来を告げる本です。
たしかに、時代は大きく変わろうとしています。金融資本主義の中
で行きすぎた「お金依存」への反省がされています。お金に大きく
振れていた分、真逆の価値観「心」に振り子が戻りそうです。
著者は、竹田和平さんです。竹田さんは、あのタマゴボーロの会社
のオーナーです。それよりも、百を超える上場企業の株主で「日本
一の個人投資家」として、知られる方です。
本書は、そんな竹田さんが、あたかも宗教家の講話のように語りま
す。内容も、人のためとか、明るくとか、感謝とか「当たり前だが、
大切なこと」が書かれています。
講話と言っても、宗教家でなくビジネスパーソン、しかも家業を企
業に変身させた実績を持つ方の話です。ビジネスの実情を踏まえて
いるためわかりやすく、共感できる部分が多いです。
ただ「読みやすい」は、「生かし易い」ではありません。本書も、
具体的なハウツーは書かれていません。内容を解釈し「どう生かす
か」は読者の仕事です。
そう考えると、本書は読み手によって、意味合いが深くも、浅くも
なる「釣鐘のような本」です。読んだ上で、読後感をじっくり味わ
いたい本と言えます。
お金の悩みを抱える方、働き方や人生に迷っている方、もっと幸せ
になりたい方、生きる上で本当に大切なことを知りたい方、成功す
る人の考え方が知りたい方などにお勧めです。
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