2014/02/07
あ「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください
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いまこそ「脱社畜」の心意気
「社畜」という言葉から、どんな人をイメージするだろうか。普通は「会社で奴隷のように働かされている会社員」を思い浮かべるのではないだろうか。確かに「サービス残業や休日出勤は当たり前」「会社や上司の言うことには絶対服従」という「奴隷」のような働き方を強制されている人を指して「社畜」という言葉が使われることが多い...
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■今週の選書
■あ「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください
■日野瑛太郎
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■■選書サマリー
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いまこそ「脱社畜」の心意気
【1】
「社畜」という言葉から、どんな人をイメージするだろうか。普通
は「会社で奴隷のように働かされている会社員」を思い浮かべるの
ではないだろうか。
確かに「サービス残業や休日出勤は当たり前」「会社や上司の言う
ことには絶対服従」という「奴隷」のような働き方を強制されてい
る人を指して「社畜」という言葉が使われることが多い。
ただ、ここではもう少し、広めの意味としてとらえたい。「社畜」
とは「会社と自分を切り離して考えることができない会社員」と定
義することにする。
このように定義すると「社畜」に当てはまる例はいろいろ出てくる
はずだ。35年の住宅ローンを組んで家を買った人や、ある特化され
た仕事に従事しているため、他社に転職することが難しい人などだ。
いくら仕事に恵まれていても、そういう人がずっと同じ会社にしが
みつかざるを得ないことには変わらない。これでは会社と自分の人
生を切り離して考えることはできない。やはり「社畜」なのだ。
【2】
日本人の多くは、残念ながら会社と自分を切り離して考えることが
できない。それどころか「会社は家族」「会社は尽くすもの」とい
う価値観を、今も色々なところで耳にする。
こうした価値観にどっぷり浸かっていなくても「今の会社に一生勤
めるんだ」と思っている人は、少なくないはずだ。
日本人にとって、「会社」という存在は、人生の中で大きな地位を
占めている。そういう意味で、多くの日本人は、いまだに「社畜」
なのだ。
しかし、そもそも「社畜」というのは、終身雇用・年功賃金という
かつての日本的雇用システムの中で生まれたものだ。その日本的雇
用システムが崩壊してしまった今「脱社畜」が必要だ。
「社畜」としてただ真面目に働いてさえいれば、それで幸せになれ
るという時代はもう終わったのだ。
【3】
日本では、仕事に対して「やりがい」を重視する風潮が強い。学校
やメディアも「やりがい」のある仕事はすばらしいという。
たとえ給料が安くても、残業や休日出勤の嵐のような環境でも、自
分が好きだと思う仕事に「やりがい」を持って取り組むことこそが
一番大切なことだと考えている人は少なくない。
確かに、自分が好きなことと、仕事がピッタリと当てはまるという
人は、それで幸せになれるかもしれない。しかし、現実にはそんな
風にうまくいく人は少ない。
仕事の数は有限なので、誰もが自分の好きなことを職業にできるよ
うなことはまずない。
もちろん、嫌いでしょうがないことを仕事にするのは避けたほうが
いい。ただ、だからといって「好きなこと」すなわち「やりがい」
のある仕事を職業にしなければならないと考える必要もない。
無理に「やりがい」のある仕事につこうとすると、そのせいで逆に
つらい労働環境を強いられてしまうことになりかねないからだ。
【4】
会社で働く場合、根底にあるのは会社と従業員の間にある契約関係
だ。従業員は、会社に決まった時間の労務を提供する。会社は、そ
れに対して給料を払う。「仕事」の基本は、この考え方だ。
この関係が成立しなくなれば、それは「仕事」ではない。働いた分
の給料がもらえないなら、それは「ボランティア」であり「奴隷労
働」だ。
「やりがい」を強調しすぎると、この「仕事」を成立させる基本的
な関係をゆがませる危険があるのだ。
人生は、仕事のためだけにあるわけではない。「やりがい」にとら
われすぎて「給料」や「時間」といった生きるための基本的な条件
を忘れてしまうと、逆に不幸になってしまうのだ。
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■■選書コメント
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会社と自分を切り離せない会社員、いわゆる「社畜」になることの
おかしさと、危険性を説き、そうならないためにはどうすべきかを
探ります。
著者は、月間約50万ページビューの大人気ブログ『脱社畜ブログ』
を運営される方です。経営者と従業員両方を経験した立場から、日
本の労働の矛盾など、働き方に関する意見を発信し続けています。
本書では、サービス残業や有給が消化できないことなど、誰もが心
の中で「おかしい」と感じながら、職場では決して口にできないこ
とを暴き、「社畜」の呪縛を解いてくれます。
社畜という言葉自体は、バブル時代からありますが、最近、書籍の
タイトルで頻繁に使われるなど、よく目にします。日本的雇用慣行
が壊れたせいで、理不尽さがさらに増しているからだと思います。
著者は「やりがい」をエサに社員を働かせることは、あくまでも会
社の都合で、社員の立場では「お金のため」と割り切って働くこと
も正しいと説きます。
他にも、職場にはびこる理不尽な慣習や、社畜のできるメカニズム、
社畜のタイプ分けなど、組織で働きくことの悲哀とおかしさを、こ
れでもかと綴ります。
読めば、これまで当たり前と思っていたことが、本当は異常で、非
常識であることに気づかされるかも知れません。自分の働き方を考
えるきっかけになるかも知れません。
会社に勤めながら、やりがいが感じられないと悩んでいる人、何と
なく「今のままじゃダメだ」と考えている人、いずれ独立したいと
考えている人や就活中の学生にも、おすすめします。
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